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名刀を名刀と見極めるのは初心者の頃ほど難しい

刀を見始めて日が浅い内は全ての刀が綺麗に美しく見えるものです。
はじめて刀を手に持って鑑賞した時などは興奮と緊張状態でまともに刀を見ることもままならなかった記憶があります。
そのような状態の中で、加えて「○○のような刀が名刀」という基準が自分自身の中にない状態で名刀を判断するというのはだいぶ美的センスに左右される話かと思います。

世の中には非常に美的センスに優れた方がいてそうした方は刀に詳しくなくても姿のバランスや匂口の柔らかさ、地鉄の深みなどから名刀を見抜ける人もいるでしょう。
しかし普通の人は詳しい人から「名刀を見せてあげる」と言われたら「これは名刀なんだ」と思って見るはずです。
それが名刀の基準として頭の中に残るのではないでしょうか。

ところで昔、そのような流れで名刀を持たせて頂いた際に「おお、こんなものか」と思ったほど何も感じない事が過去何度かありましたが、今思えばこれは大体自分の眼の方が刀に追いついていなかった事が原因ではないかと思うのです。
あれから暫くして刀を実際に自分で買う数が増え、有難い事に刀剣店や鑑賞会などでも刀を見せて頂く中で、今改めて当初何も感じなかった刀を見ると「スゲェェェ…!」と悶絶するからです。
特に私の場合は長船派など匂出来の刀などこれに該当する事が多かったです。

なので然るべき人から名刀を見せてもらえる機会、場があった時は感動しなくてもとりあえず目に焼き付けておいた方が絶対良いです。
然るべき人、場、というのがポイントです。
ここを見誤うと変な刀を名刀として認識してしまったり、最悪の場合嵌め込まれてしまう可能性があります。

ではこの然るべき人、場とはどのような事を指すのか、私の考えを書いておきます。

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