マガジンのカバー画像

その他

907
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

コロナによって刀鑑賞の方法は変わるのか?

コロナによって刀鑑賞の方法は変わるのか?

早く終息してほしいと思い続けてはや1年、未だにコロナの感染拡大が止まりません。
外出時はマスクが当たり前になり、考えて見れば街行く人の素顔を見る機会が減った気がします。そして事あるごとにアルコール消毒が当たり前に。
世の中もだいぶ変化しています。
所属している横浜支部の刀鑑賞会はもうここ1年半近くずっと中止が続いています。

そこでコロナ後の刀鑑賞会で変わると嫌だなと個人的に感じるのが、手袋の着用

もっとみる
準特別重要刀剣が誕生する日も近い?

準特別重要刀剣が誕生する日も近い?

まず「準特別重要刀剣」なんて物は存在しません。
これは私が勝手に作った造語で、現在存在するのは保存刀剣、特別保存刀剣、重要刀剣、特別重要刀剣の4種のみです。
しかし今後10年位で何となく登場しそうだなと感じているのが、重要刀剣と特別重要刀剣の間に位置する指定。
「準特別重要刀剣」的なものが新設定されそうな気がしています。
という事で今回はそれが生まれるのではと考える個人的な理由を書きます。

①審

もっとみる
日本刀所持にあたりよくある質問集

日本刀所持にあたりよくある質問集

日本刀の所持にあたって良く受ける質問があまりに共通しているので、この記事にまとめました。

・日本刀は誰でも持てるの?
持てます。
年齢制限もありません。

・刀の所持は免許いるのでは?いりません。
そもそも免許自体がありません。
売買される刀剣には必ず「銃砲刀剣類登録証」が付いています。
この1枚の紙を刀と共に保管しておけばそれだけでOKです。
この登録証が免許と誤解されているものと思われます。

もっとみる
雉子股について

雉子股について

日本刀の茎は形状により様々な名称があります。
今回は途中から切り欠かれているような形状をしている「雉子股(きじもも)」についてです。

①雉子股とはこんな茎のこと

上の写真を見ると下の方が切り欠かれているのが分かります。
これを雉子股と言い、平安から鎌倉期にかけての生ぶ太刀に見られる特徴とされています。
通常は以下のように切り欠かれていません。

②なぜ茎の下部が切り欠かれているのか?これは衛府

もっとみる
刀の大衆化について思うこと

刀の大衆化について思うこと

日本刀の大衆化はそもそも必要なのか?
昔考えていた事があったのでその辺の自分なりの考えを書きます。

①大衆化する上での懸念点大衆化をするという事は非常識な人、犯罪を犯しうる危険な人も同時に増える事に繋がり、ひいては文化レベルそのものを下げてしまったり世間一般のイメージダウン(刀は美術品ではなくただただ危険な物、というように)に繋がる可能性も大いにあります。
文化レベルの低下は知識の低下とも言える

もっとみる
隕鉄指輪の変化に驚愕!

隕鉄指輪の変化に驚愕!

ちょうど5か月前に高島屋で行われていた展示会で、川崎晶平刀匠と宗風氏が隕鉄を混ぜて作った隕鉄指輪を購入させて頂きました。

使っているうちに錆びは取れるものの、鍛え肌がもっと出てくるという事で変化も楽しみにしていました。
ここだけの話をすると、この指輪はかなり酷使しています。
最初は手を洗う時にいちいち外していたものの、一度無くしかけた時があったので外すのはお風呂に入る時と刀を鑑賞する時だけに決め

もっとみる
「京のかたな展」レベルの展示会が9/25から始まるようです

「京のかたな展」レベルの展示会が9/25から始まるようです

9/25〜12/22の期間、東京両国にある刀剣博物館にて過去無い位に凄い展示会が行われようとしています!
それが「特別重要刀剣等指定制度50周年記念 珠玉の名品展」。
言い換えるとまさに「特重の中の特重展」!

(画像出典:「刀剣博物館年間スケジュール」より)

特別重要刀剣(以下、特重)という指定は現在民間の指定品の頂点に君臨する刀になります。
特重の刀は重要刀剣と比較しても更に傑出しており、鎌

もっとみる
保存、特保、重要、特重刀剣。どんな人がどんな風に鑑定審査を行うのか

保存、特保、重要、特重刀剣。どんな人がどんな風に鑑定審査を行うのか

日刀保の審査階級には保存刀剣、特別保存刀剣、重要刀剣、特別重要刀剣の4種があります。
これらの指定にあたり審査員の名前などは公表されていませんが、一体どんな人がどのように審査をしているのでしょうか。
また一般人でも審査員になれるのでしょうか。
日刀保の審査規定を見てみます。

①鑑定審査員の数

(画像出典:「公益財団法人日本美術刀剣保存協会 審査規程」より)

重要以上の審査になると、審査員が増

もっとみる
来派の「来」の字の違いは奥が深そう

来派の「来」の字の違いは奥が深そう

来国俊、その子の来国光、その子(もしくは弟子)の来国次。
この3人の「来」の字はそれぞれ意図的に?一部変えて切られているようです。(因みに来国行が来派の祖と言われていますが、「来国行」と切った銘は存在しません)

(画像出典:「五ヶ伝の旅 山城伝編 著:田野邉道宏」P122より)

「来」の2画目の「、」と3画目の「 , 」が来国俊は一本の横棒に、来国光は左斜めに2点、来国次は真横に2点、点を切っ

もっとみる