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刀工について

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2022年6月の記事一覧

耳の不自由だった唯一の刀工、聾長綱

耳の不自由だった唯一の刀工、聾長綱

昨日久しぶりに帝国ホテルにある霜剣堂さんへお伺いさせて頂いた時の事。
古宇多や延寿といった作の他に、ある刀工の作を見せて頂いた。

それは歴史上刀工の中で唯一耳が聞こえない刀工の作であった。(実際にはもっといたかもしれないが記録として残っているのは彼1人)

皆さんは聾長綱(つんぼながつな)という刀工をご存じだろうか。
本名は北村市左衛門といい、近江守忠綱(初代忠綱)の門人。
二代忠綱は一竿子忠綱

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正宗らしい正宗とは

正宗らしい正宗とは

無銘が大半の正宗において、正宗らしい正宗とは一体どんな正宗を指すのだろうか。
正宗の中でも評価は人により分かれるのかもしれないが、数年前に日刀保の講師の方が城和泉守正宗(正式名称:金象嵌銘城和泉守所持 正宗磨上本阿)は正宗らしい正宗で出来も別格と仰っていたのを思い出す。
城和泉守正宗の地鉄を見ていると、今回の第27回特別重要刀剣指定で正宗に極められた短刀も同じ地鉄をしていたし、以前拝見した重美の正

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南北朝期の相州名工「広光」

南北朝期の相州名工「広光」

昨日密輸された刀の正体を追っていましたが、どうやら南北朝期に活躍した相州伝の名工「広光」の作だったようです。
大倶利伽羅広光や火車切広光が有名ですね。
今回は広光についてざっくりと調べました。

①南北朝時代の刀の特徴