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ルラシドン。お薬のはなし。

20201121

ルラシドン(商品名: ラツーダ)は、大日本住友製薬が開発した非定型抗精神病薬です。

ルラシドンはドパミンセロトニンに作用して、その働きをブロックすることで効果を期待します。

このためドパミンが過剰となって生じる幻聴や妄想の改善が期待できます。そして、ドパミンを過剰にブロックしてしまうことでの副作用が緩和されています。

それだけでなくルラシドンは、穏やかに気持ちを落ちつける作用が期待できます。感情を落ち着けて、不安や衝動性を和らげる効果が期待できます。双極性障害のうつ状態に対して効果が期待できる数少ない薬のひとつです

ルラシドンは、

統合失調症
双極性障害
不安や落ち込み
衝動がコントロールできない状態

などに効果・効能が期待できます。

双極性障害のうつ状態だけでなく、うつや不安を改善させて情動を安定させる効果が期待でき、うつ病や強迫性障害などに対して、抗うつ剤の効果増強(augmentation)も期待できるかもしれません。

副作用も全体的に少ないため、幅広く使われる可能性のある薬です。パーソナリティ障害など、情動が不安定なりがちな病気でも効果が期待できます。

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経緯。

2019年 7月 31日、大日本住友製薬は製造販売を厚生労働省に承認申請したと発表しました。

2020年 3月 25日、大日本住友製薬は、3月 25日付で日本において「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を適応症として、厚生労働省の製造販売承認を取得し、5月 20日に薬価収載され、6月 11日に販売開始しました。 

第三世代抗精神病薬に分類される。アメリカ合衆国では、2010年 10月に販売許可を取得した後、2012年 6月にカナダで、2013年 8月にスイスで承認を取得した他、欧州連合では 2014年 2月に欧州医薬品評価委員会(CHMP)から承認を推奨する旨の審査結果が提出され、2014年 3月 21日、 欧州医薬品庁(EMA)の販売許可を取得した。

2014年にオーストラリア、2016年に中華民国、ロシア、シンガポール、タイ王国および香港、2017年にブラジルおよびUAE、2018年にマカオおよびベネズエラ、2019年に中華人民共和国、2020年に日本で販売承認された。

双極Ⅰ型障害うつに対する適応追加の承認を、2013年に米国、2014年にカナダ、2017年にロシア、ブラジルおよび台湾で取得した。

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それなりに古い薬ではありますが、日本ではまだまだ新薬です。それでも新しく使える薬が出てきたのはいいことだと思います。

詳しく知りたい方は、主治医の先生に聞いてみるといいと思います。


悉く書を信ずれば則ち書無きに如かず