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BOOKレビュー『公務員男性の服 普通の服で好印象・信頼・清潔感は出せる』

今回ご紹介するのは、元東京都職員のイメージコンサルタント、古橋香織さんの著書です。
私の勤務する市役所を見てみると、若手の職員など一部にはオシャレにスーツを着こなしている人もいますが、やはり大半は“無難な”地味系のスーツや作業着、ポロシャツなどのラフな服装が目立ちます。
かくゆう私も、最低限の清潔感は保ちながら、でも派手にならないように、“なんとなく”公務員っぽい服装にしていました。服装はセンスや価値観に左右されるものだと思っていたので、そこに根拠も知識も理論もありません。言うなれば、「無知の、無知による、無知のための“なんとなく”」です。
しかし、この本を読んで目から鱗が3000枚くらい落ちました。
今までの自分のチョイスが恥ずかしくなり、とりあえずシャツはすぐに買い換えましたw
きっと私と同じように“なんとなく”服を選んでいる男性公務員は多いと思いますので、私が落とした鱗の数枚を紹介したいと思います。

スーツの色の基礎は「ネイビー」と「グレー」

え?黒じゃないの?前例・慣例により黒だと思いますが、すぐに他自治体の事例を調査してください。

と思ったそこのあなた、私もそう思いました。なんなら店員さんに他の色を勧められても、「いや、黒で!」と言っていたくらいです。
黒のスーツをオススメしない理由は3つほどあるそうですが、意外だったのは「誠実さ」や「信頼感」よりも「威厳」や「重厚感」のアピールの方が勝ってしまうというもの。
黒は一番暗く重さを感じさせる色であるため威圧的に見えてしまうそうです。確かに、ちょっと強面のお兄さんたちとかは真っ黒いスーツ着てる人多いかも。
逆に、小柄な男性が威厳を出すために選ぶとか、黒が好みの人は少しだけ白を入れたチャコールグレーを選ぶと良いなど、フォローもしっかり記載されてますのでご安心を。

シャツの襟は「レギュラー」よりも「セミワイド」か「ホリゾンタル」

レギュラーとは?今すぐ定義を再確認してください。コーヒーのサイズだってレギュラーを選んでるのに!

と思ったそこのあなた、レギュラーはレギュラーではないらしいですよw
レギュラーカラーは襟にボリュームがあるため、かえって顔周りが貧相に見えるなど逆効果に働いてしまい、実は難しい襟の形なんだそうです。
その点、セミワイドやホリゾンタルなら、襟周りがすっきりし、着る人を選ばないうえ、ネクタイも合わせやすいのだそう。(へー、知りませんでした)
これを読んで、週末にはセミワイドカラーのシャツを買いに行ったのは言うまでもありません。

そもそもシャツとは胸ポケットなしがグローバルスタンダード

マジで?日本ではわざわざポケット付けてるんですか?予算のムダです。すぐに事務事業の見直しをしてください。

欧米におけるシャツは「下着」の役割を担っているということは知っていましたが、胸ポケットがないとは知りませんでした。
クラシカルなスーツはスリーピーススタイルで、ベストにポケットがあるからシャツにはなく、アメリカで機能性を追求するようになってから誕生したそうです。
全く知りませんでした、ごめんなさい。
侍が刀を鞘に納めるかのごとく、シャツのポケットにペンを入れるのはもうやめるようにします。

ボタンダウンシャツはビジネスシャツのなかではかなりカジュアルな仕様に分類される

ご指摘ありがとうございます。貴重なご意見として承らせていただきます。

これまた知りませんでした。
“なんとなく”オシャレだなと思っていましたが、実は式典や公式な場で着用すると、ファッションや着こなしにこだわりのある人にとってはチグハグに見えてしまう恐れがあるようです。
一方で、ノーネクタイ時は爽やかでかっこよくもなるので、ボタンダウンはTPOに応じてスマートに着こなすと良いようですよ。

クールビズでも半袖ワイシャツはクールじゃない

そんなバカな!?他自治体でも続々と導入され、市民権は獲得したものと思いますが、いかがお考えか?答弁を求めます。

案の定、半袖シャツは日本独自に進化を遂げたガラパゴス現象のようです。ビジネススタイルで半袖のシャツが存在するのは日本だけで、機能性のみを追求した日本独自の産物とのことです。
ではどうすればいいのか?高温多湿なこの国で、我々はいかに戦えばいいのか?
ズバリ、半袖を着るならポロシャツ一択だそうです。
いやいや、ポロシャツじゃあカジュアルになってしまって、「パリッとした、きちんとした印象」が出ないじゃないか、と私も思ったのですが、台襟(だいえり)という襟を立たせる部分があるものを選ぶと、「きちんと感」が出るそうですよ。
それでもやはりポロシャツは抵抗があるという方は、長袖のシャツを折り、七分丈で着ると「デキる男のこなれ感」が出るそうなのでお試しあれ。

以上、シャツネタ多めでしたが、いかがでしたでしょうか?
本書には、もちろん他にもネクタイや靴下、靴とベルトなどに関するアドバイスも掲載されていますので、めちゃくちゃ参考になります。
それから、「業務部門別 鉄板スタイル図鑑」という章では、総務課、財政課、市民課、議会事務局など部署ごとのスタイルがイラスト付きで紹介されています。どれも「あぁ~、わかるわ~」というものばかりなので、職場でみんなで見てもワイワイ盛り上がりそうです。

今まで“なんとなく”服装を選んでいたみなさん、その“なんとなく”を根拠のあるものに変えてみませんか?思っていた以上に、自己肯定感や自信が高まりますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。かたじけない!

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