クソなグループワーク3
留学アドベントカレンダー2022
前作、前々作
※注意;長いです
最後のクソなグループワーク
最初の1学期、2つのクソなグループワークを同時にこなした。
それにより精神はすり減ったものの、耐性・対処法を獲得することに成功。
「これからはやっていけるぞ・・・」
そんな緩い自信を胸に迎えた第2学期、春。
僕はまた、クソなグループワークに対峙することとなった。
罠
1学期は何も知らないまま授業を登録してスタートしたからひどい目にあったが、2学期は違う。もう研究室のメンバが知り合いになっているからだ。
研究室のメンバは一緒にグループワーク苦労話出来たぐらい、グループワーク感が似ていたので「彼らとグループを組めば大丈夫!楽勝!」などとなめたことを考えいた。
実際にはそれは実現しなかった。
何故なら、受けた授業がラボの教授の担当の授業で「グループワークでは出来るだけラボのメンバーを固めないようにする」という方針だったからだ。
それだけならまだましだったかもしれない。
問題は「教える側の負担を減らすために、出来るやつとアホそうな奴を一緒のグループにする」という闇の方針だった。
基本的にラボメンバは出来るやつ扱いなので、出来るだけダメそうと思われるメンバーとチームを組まされる。
これにより、いまだかつてないディスアドバンテージを抱えてのチームスタートとなったのであった。この時の僕はまだその裏事情を知らない(後から闇の方針の事を知った)
手ぶら
Assistant Prof.によって決められたグループを見ると、僕以外は中国人4人。ラボの中国メンにきくと「あぁ、かれら同じ大学の仲良しグループだよ」とのこと。1+4。いいのか悪いのか。。。
不安を抱えつつコンタクトをとると、向こうから「是非直接一度会ってグループワークの話し合いしましょう!」
なかなかやる気があってよろしい。
アポ当日、全然こない
が、慣れっこなので別に良い
やっときた
1号「いやぁ、ここの場所あんまり詳しくなくて迷いましたわ」
場所詳しくないところ来るならもっと早めに行動して遅れないようにしたらどうか?などと野暮なことは言わない。ここはアメリカ。
さっそくミーティング始めよう。
スライドをシェアしながら作戦を考えようと思ったが、、、
<もちもの>
1号、ノートパソコン
2号、アメフトのボール
3号、めがね
4号、なし
いや、グループワークするんだから、パソコンもってこいや(プログラミング課題)
あるいはせめてノートとかさ、あるじゃん?
仕方ないから1号のパソコンだけでもTeamsでスライドシェアしようと思ったら
1号「あぁ、パソコン電池ないっすわ(充電ケーブルもなし)」
えっじゃあなんももってきてないじゃん実質。何しに来たん?
フットボール?フットボールしに来た感じ?
そうはいっても仕方ないので、もう僕のパソコンだけで進める
自己紹介、課題を確認
プログラミングが不得意と聞いたので(まぁパソコン持ってこないぐらいだし想像はつくけど)、最初の課題は僕がコーディングして、まとめとプレゼンを他のメンバでやるのでどうか?と提案
無駄に偉そうな4号「いいんじゃないですか?そんなかんじで」
いや、ありがとうございますじゃね?
人数1:4なのに半分以上こっちでやってんのに。などと怒ったりはしない
話きいてない3号「じゃあ発表、どの部分喋ります?(僕に向けて」
プレゼンはおめぇらでやれっつただろ!聞いてんのか!
とぶちぎれ顔をしてたら察した2号が「結果、発表、こちらでやらせて頂きます」
わかればいいねん
無力
課題期間2週間
1週間でコーディングを終えて、他メンバに渡す
ぼく「あとはこれ走らせて出てきたグラフをpptにはって、プレゼンの形にして」
他「了解」
あと1週間あるし、グラフも貼って言葉つけるだけだし、いけるやろ
そんな甘いことを思っていました
課題期限3日前
ぼく「進捗どう?出来てなくていいからパワポ見せて」
他「どうやったら結果観れるかわからん」
えっ、プログラミングが課題の授業で、コードが手元にあるのに、走らせることすらできんの・・・?うそだろ・・・?
5光年譲って、走らせられんなら言えよ・・・この数日なにしてたん?
あかちゃんかな?あかちゃんでも泣いてお知らせするけどね?
ぶちぎれてても仕方ないので、グラフだけ全部パワポにペタペタ張る
ぼく「これで体裁ととのえて言葉足すだけだから、頼むぞ」
他「がってん」
最終的に出来上がったのは、グラフをほんのり並べ替えてタイトルをつけただけ、説明など一切なしの、ひのきのぼうみたいなパワポ。
4人いて、2日あって、これ?
飽きれつくした僕だが、今回は少しメンタルが成長していた
ぼく(コーディングはできてるから単位は落とさないし、クソなスライドでも発表するの俺じゃないしいいや)
そんな成長を笑うかの如く、神さらなる試練を与える
所詮一人の人間の力では、クソなグループワークの深淵からは逃れられないのだ。。。
(1+4)<1
課題は全部で3つ、どの課題も発表準備までするが、実際に発表するのは1回だけ。どのグループが発表するかは授業の当日朝に知らされる。
クソみたいなパワポを抱え恐る恐る過ごしていた僕だが、その日、発表するのは別のグループの人たちとなった。
「よかった、今回このクソppt使わなくてすむぞ」
僕は安堵し、別の仕事をする。今日はとりあえずセーフ。
授業直前にTAから急に連絡
「他のグループの奴が、発表準備できてないって教授に泣きついたから、発表するグループ変えろっていわれて、、、お前のとこになったからすまんけどたのむわ」
えっ、まじ?
まず、準備できてないから発表したくないとか、よく言えるなこいつ(他グループ)
そして、それをOKすんの?Assistant Prof?なんで?OKじゃないじゃん
そんでもってなんで急に発表予定じゃない奴にさせんの?ズルでしょ?
じゃあ俺らも準備できてないって拒否していいの?
いろいろ思う所はあるが他メンバに連絡
しかしなんかねちねちグダグダいうだけで、ようは発表したくないようとのこと
もう時間もないし面倒くさいので、結局僕一人で発表することに
5人グループなのに、一人でコーディングしてパワポもおぜん立てしてさ、
クソみたいなパワポ渡されて、発表も全部自分でして、これなら最初から一人でいいだろ。こんなんでこいつらと俺同じ点数になんの?おかしくない?
復讐のチャンス
その後の課題も同じことの繰り返し
・4人はプログラミングが出来ない(勉強する意思もない)
・コーディングは僕がやる
・結果の貼り付けも僕がやる
・クソみたいなパワポ作成を4人でやる
まぁ最初の課題以降、僕らのグループは発表がなかったので、別にパワポがクソでももはやどうでもいい気持ちしかなかった
そして中間試験
中間試験は筆記試験で個人戦、グループワークをまじめにやってきた奴なら解けるようになっている。そのため他のメンバが恐らく苦しんだろうことは想像できるが、大事なのは中間試験そのものではなかった。
中間試験には、アンケート用紙がついていた。
「チームのメンバがどれぐらいグループワークに貢献しているか書きなさい。また、グループの変更希望があれば記載する事。」
学生の不満は先生の評価にかかわるのでこういうのは大事らしい。
僕は素直なよいこなので、きちんと正直に書いた。
・貢献度:ぼく99%、他1%
・備考:僕は一人でも全部やれるので別にこのままのチームで大丈夫です
提出したときスカッとした!
結果は何も変わらんだろうが、言いたい事言ってやったぜへへーんだ
再スタート
僕はアンケートに書いた通り、グループの変更を希望していなかった。
「別にクソなグループから別のクソなグループに代わるだけでしょ」ぐらいにしか思ってなかったし、他人に何も期待してなかったから。
しかしながら、先生方はこれはよくない!と思われたらしく、また別のグループでもやるやつ、やらないやつに分かれて問題があったりとかで、結局グループ変更がされることに。そして、僕は別のグループでやる側だった人達と組むことになった。
先生「こいつらならもう大丈夫だ!」
そうだろうか?と思うがご好意に感謝しておく。
そして新チームの顔合わせ。
待ち合わせ場所に現れたインドメンは、入学時のオリエンテーションで喋ったなじみのインドメンだった。
インドメン「久しぶり、君もグループワークで変な奴らといっしょになっちゃったんだろ?俺たちもさ」
お、これは話がわかる
インドメン「一部の奴らが全然やらないから、結局おれらがやることになってさ。まいっちゃうぜ」
そう!それ!
話の分かる奴がいるとは思ってなかったので嬉しい。
その後他のインドウーメン2人と合流し、課題の話に。
やっていた側の人間だけあって、当然だがコーディングの話が通じる。
当然だが全員ノートパソコンをもってきている。
アメリカンフットボールのボールはもってきていない。
「このアルゴリズムつかえるんじゃない?」
「MATLABにその機能あったよ」
などという当たり前のレベルの会話にすら感動する。
これだよこれ!これできなきゃグループワークなんてむりでしょ!
作戦会議を終え夜寒空の中を家路につく。
手は冷たかったが、心は温かかった。
ついに本当のグループワークが始まる。
(1+3)≧4?
新チームでやるのは最終課題。
センサデータから異常を検知するアルゴリズムを作ろうという感じのもの。
まずは各自やってみて進捗・成果を随時共有しよう、ということになっていた。僕は毎日少しずつ時間を割り当てて、少しづつ進めながら情報共有した。
「まずこのアルゴリズムでためしてみるよ」
「結果こんな感じだったよ」
「この辺分からんけど誰か分からんかな?」
情報共有してるのは僕だけだった
え、こいつら何してんだ・・・?なんもしてない?してるけど共有してない?どっち?
リアクションが無くて困っていたら、一人からとりあえず集まろうと提案。
1号「私A、B、C、Dあいてるけどどう?」
2号「おれBかCならいけるわ」
ぼく「僕はどっちでもいいよ」
3号「うーん。。。ちょっと予定わからないから。。。最悪私抜きで集まってて」
いや、予定分らんとかよくわからんから空いてるところ教えろや。私抜きでとか、サボりたいってこと?
とりあえず嫌そうな3号も含め全員集合してみると、僕以外何もやってなかった。
1号「進捗みてたわ、次私たちなにすればいいのかしら?」
見てたなら反応してよ。そしてなぜ指示を仰ぐ。自分の考えは?
僕が分からないところがあって止まってることを伝えると、ほかのみんなで調べてくれることに。そしてその後1週間、何の連絡も進捗もなかった。
「いっしょにやろう」
1週間進捗が無いので、諦めて自分でTAに聞きに行き、なんとかヒントをもらい共有。
3号「それなら簡単に出来そうね」
ぼく「じゃあたのむわ」
数日後
3号「つかえそうなコードは見つけたけど、私たちのコードにどうやって組み込めばいいか分からん(テキストコピペを送り付ける」
いや、組み込んでくれよ・・・どこの何のプログラムの一部かわからんもん、他の人が組み込まなあかんの・・・?
この時点でプログラムは最後の処理部分以外完成してた。
いままで僕しかコーディングしてないので、
「僕はもう十分やったとおもうから、あとは君たちでやってくれ」
といってスルー
さらに1週間後
1号「そろそろ締め切りよ!日が無いから仕上げないと。”全員”集まれる?」
2号「この時間ならいけるよ」
ぼく「(俺も行かなあかんの?まぁ発表もあるか)いけるよ」
3号「うーん。。。ちょっとなんたらがどうたらで。。。。最悪あなたたちで集まって(ゴニョゴニョ」
そういう意味不明な言い訳まじいみないからやめてくれ。
1号「そんなこと言わない!みんなで集まってやりましょう!」
キャンパンスのカフェテリアに集合
1号と3号しかいない
ぼく「それで、最後の部分仕上がったの?」
1号「いいえ、だからこれからみんなでやりましょう」
3号「そうね、みんなでやりましょう」
みんなでやる?みんなでやるってなんだ?
組体操じゃねぇんだから、一人一人がそれぞれの場所やるだけだろ?
一人でやったもんもってこいよ。分らんかったら疑問持って来いよ。
集まってやるとか、高校生のファミレスのテスト勉強か?
この時になってようやく気付く
僕はグループワークは「作業分担して、個人がやることやって、その成果や疑問を持ち寄って作業をすすめること」だと思っていたけど
彼らのグループワークとは、「全員で集まってその場で作業すること」なのだと、だから集まらない限り基本的に作業はしないのだ
そして残りの2号はというと
集合場所のカフェテリアで店員のバイトをしていた
いや、ここにはおるけど、作業参加してないやんきみ。。。
終幕
その後なんかいろいろあってプログラムは完成した
発表も4人全員で分割してやった
3人とも満足そうだったので、良かったと思うことにしよう
旧グループメンバは僕ナシの4人で新チームとなった
プログラミングが出来ないばかりでなく、友人を頼る外交力もなかった彼らは、まったく結果がなく、発表も意味不明
先生方に「TAの指導うけて修正するように、しないなら単位落としてもしらないよ」と言わしめた
とにかくそのようにして、僕の2022年の春学期は終わった。
旧メンバがどうなったか、知らないし興味もない。
僕は、グループワークはもう一生いいや、と
ただそれだけを願った。
付録: ニワトリが先か、タマゴが先か?
初めてクソなグループワークに遭遇した時、僕は運が悪いのだと思った。
2回目、3回目には、これは文化の衝突が起こす必然なのだと思った。
あるいは、大学のレベルが低いのかもしれないと。
4回目を経て僕は別の事を考え始める。
もしかして、相手が悪いわけでもなく、文化が問題なわけでもなく、クソなグループワークを生み出しているのは僕自身なのではないか?
相手に原因があるのではなく自分に原因があるのではないか?
そもそも、何が真であるにせよ、自分の外に原因があるとしてしまうと、解決のしようがない。従って、実用的には、自分の内に原因があると考えた方がよいかもしれない。
「あの人がわるいんだ」「あの国の奴はこうだ」「何でやり方にしたがってくれないんだろう」「こんなやりかたはおかしい」
そんな愚痴を言ってもちょっとスッキリするだけで問題は解決しないのだ、学校のグループワークは逃げきれても、仕事ではそうはいかないだろう。
多国籍なワーカーがいる環境で仕事が出来るだろうか?
自分の価値が出せるだろうか?
自分には何ができるだろう?
みんなはどう思っているのだろう?
他人が悪い、自分がかわいそう、ではなく
これから自分はどうするのか、を問うべきなのだ
何が言いたかったか
グループワーク大変だけど、練習だと思ってがんばろ!
クソなグループワーク三部作 ~fin~
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