警察にチャリをバキバキにされた
なんか、生きてるだけで割と「なんでそんなことに?」って言われるようなことが起こる人生なんですけど、
今年起こった出来事の中で一番「なんでこんなことに?」と思ったのがこれでした。
まず、私は病院で働いている。
その日はよく晴れた日で、よく晴れた日というのはバイクや自転車で事故った人間がどんどんと運ばれてくる。
例外なくその日も原付で事故った人が運ばれてきて、救急外来の診察を待つ間に警察に事情聴取されている様子を横目で見ていた。
18時頃仕事を終わらせ自分の机に戻ると、知らない番号から15件ほど着信が来ていた。
少しびっくりしたけど家はすぐそこなので、帰ったら調べよう、と携帯を閉じ鮮やかに退勤を済ませた。
病院の玄関を出ると3台ほど警察の車が停まっていた。きっとあの事故の人の処置が長引いたのだろう、と思いながら駐輪場に向かうと、警察が7人くらい集まって円を作っていた。
物騒な世の中だにゃあ〜と思いながら私の自転車を探すと、ちょうど警察が集まっているあたりだった。
すみません、そこの自転車取ります〜と声をかけると、警察の方が「この自転車、あなたのものですか?!」と聞いてきた。
そ、そうですが…と言いながら私は最近の自分の自転車の運転態度に思いを巡らせた。警察に囲まれたのは初めての体験だったので、焦りが尋常ではなかった。
次の瞬間、7人の警察が一斉に頭を下げた。
「申し訳ありません!!!あなたの自転車の上に、事故った原付を倒してしまいました!!!」
なぜそんなことに…?
事故った原付の車両を確認するために本人と一緒に来院して、それを駐輪場に停める際、私の自転車を下敷きにしてしまったらしい。
サドルに穴が空いてしまって…と指差されたところを確認すると、確かに傷がついていた。
中心となって謝っていた方が同い年くらいの女性だったので、この人がやってしまったのだろうか、ここでゴネたらこの人後で怒られるのかな、と思うと、私には「このくらい平気です」と返すしか選択肢がなかった。
「本当ですか!申し訳ありません!」
おじさん警察の顔が一気に明るくなった。
「なにか困ったことがあったら我々にいつでも相談してくださいね!」
親身な警察ほど胡散臭いものはないわ…と引きながら、もう関わりたくないので「あっハイ、お疲れ様です…」と背を向けて自転車を押した。
カラカラ、バキバキボキッ、パラパラポキ……
ポキ‥ポキ…
明らかにヤバい音が静かな夕暮れに響いた。ドラマのワンシーンのようだった。
ゆっくりと下を見ると、後輪のホイールが何本もいっていた。恐る恐る振り向くと、絶望の顔が7つあった。私も合わせて8つだ。
「弁償します…」
「………よろしくお願いします…」
その日の私の退勤は人生初の護送車だった。
歩いて10分くらいなので恥ずかしすぎたけれど自転車も送ってもらわなきゃいけなかったので致し方なかった。
次の日出勤すると、上司数名に「おう、昨日逮捕されてたやん」と挨拶されたのは少し面白かった。見てたなら助けて欲しかった。
その後は、、、今でも根に持っているのだけど、修理の業者の手配もこちらが全部したし、購入時の保証書も引っ張り出したし、修理の領収書を渡すのも全然タイミング合わせてくれなかったし、何度も電話しなければならなかったのに毎回電話の取り次ぎに3人くらいかますから一から状況説明しなきゃいけないし、やっと請求できたと思っても振り込まれたのは3ヶ月後だったり、もう警察には一切関わりたくないと思わされる一件だった。
何度も電話するうちに担当者が「○○さん!こんにちは!お元気?」みたいな挨拶かましてくるようになったのも鬱陶しかった。友達ちゃうねん
とりあえずうちの町の交通課に貸しを1つ作ったと思っているので、なにかがあったときに揉み消してくれるのを期待しています。