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お金の価値観、育った環境

私は公立の高校卒業後、私立の大学に通った。私立の中でも芸術大学だったため、他の私立よりさらに学費が高かった。同級生はどこかの社長の子供も数名いたし、その子たちの家に行くと都会の中に広い一軒家があり、またその子の高校までの話を聞くと私が想像したこともない世界にいたんだなと思った。だけどその子たちに対してある程度羨ましかったが嫉妬はなかった。

イギリスに留学して私は自分の貯金で最初準備をして留学したので安い語学学校に通うことにしたが、そこには日本人は一人もいなかった。隣の学校はまあまあ授業費の高い学校でそこには日本人がいた。

私の友達香港人Mがその隣の学校に連れて行って私に日本人を紹介してくれたのだが、なんだか合わない気がした。何度か家飲みなどをしたが、私に偏見を持っている人が何人かいた。どうも私がお金を持っているように見えたらしい。私の方が安い学校に通っているのにも関わらず。

私は人生の中で大体受け身で自分から人と友達になることはなく、誘われるとなんとなく行くという感じだった。

ある日前回記事に出た日本人Yが「みんなでフラットで集まっているから来る?」と誘ってきたのでその日特に用事のなかった私は「行く」と言うと「あ、やっぱり」とい言い出した。「実はAがK(私)がまた新しいカバンを持っているとか言って贅沢しているように見えてKのことあまり好きじゃないみたい」と言われた。
衝撃を受けた。今までそんなこと人に言われたことなかったし、え?カバンが何?という感じだった。新しいカバンをイギリスで買ったのは2回。それもブランド物でもなんでもない。あの当時£1=¥200の物価の高いイギリスで何千円単位で買ったカバンだ。服もブランドものは一切着ていない。靴は毎日同じスニーカー。
Yが「みんな日本で苦労してお金貯めて来ているからさ」と。Yも「実は私もAと同じ意見」と言いたかったんだと思う。

元々合わなかった。その子たちの日本での生活を聞いているとどうも不良だったようで話が合わなかった。外国にいるととりあえず日本人の友達を作って何かあった時助け合いをしようと思ってしまう。だけど、それが無理矢理性格が合わない人たちが友達になると、友達がいないことよりもっと悪い状態になることもある。

私はその日からそのグループとは会わなくなったが、その後引っ越したフラット先にいた日本人と育った環境が似ていることもあり、その子とは今でも連絡を取り続ける仲である。その子が紹介した日本人は私の大学時代の友達のように親がお金持ちで、フラットもシェアではなく一人暮らし(当時ロンドンでは月20万円ぐらいのフラットだったと思う)をしていたが、私は嫉妬も何もしなかった。

お金の価値観とはその人個人の問題だし、「自分と違いなんか毎日持っているものが違う。親からお金ももらっているんだ。腹が立つ」という勝手な考えは間違っている。実際、Aに指摘された当時は私も貧乏暮らしをしていて家計簿をつけていたぐらいだ。でもそんなこといちいち他人には言わない。

現在私は日本で外国人が周りに多くいる環境で仕事をさせてもらっているが、例えばアメリカ人の男性が日本人の女性と結婚して一旦アメリカで仕事をすることになった時、一人寂しくしているであろう奥さんを気遣い日本人の奥さん方を紹介しても合わないことがある話は時々聞く。
同じ国出身だからと言って無理して友達を作ることはない。逆に自分のことを思って発言したり行動してくれる外国人友達が長く続くものだ。

ーーー次回の記事 ずっと友達ポーランド人Mーーー

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