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時は金なり、断る勇気

語学学校で友達になった香港人Mは隣の学校の日本人Yと同じ家に住むことになる。

ある日日本人Yがオランダとベルギーに旅行に行くので、その間寂しがり屋の香港人Mと一緒に遊んでほしいと言われた。最初は快く引き受けたのだが、実際私が思っていた以上に香港人Mは寂しがり屋で本当に毎日一緒に遊んでいた。香港人Mは次の学校に進んでいて私とは別の学校に通っていたのだがそれでも学校帰りに待ち合わせをして一緒に遊んでいた。日本人Yはイギリスに帰ってきても香港人Mと一緒にいることはほとんどなかった。香港人Mは日本人Yと同じ家に住んでいてホストマザーとファザーはほとんど仕事で海外に行っており、実質大きな家で二人暮らしをしている状態だった。香港人Mが家に帰ると日本人Yとはほとんど顔を合わせるタイミングがなかったそうだ。

ある日香港人Mが色んな友達をパブに集めた時、そこに他の日本人もいたのだが、その子はしばらくすると「面白くないから帰るわ」と言って帰って行った。私は「そうだ、みんなお金をかけて留学しに来ているのに自分にとって時間の無駄と思えば断る勇気も必要だ。でも私にはそれが出来ない。羨ましい。」と思った。

数ヶ月経ち、何かが原因で香港人Mと日本人Yがケンカになり、私も呼び出された。ケンカの原因は一緒に住んでいて習慣的に合わなかったことが色々あったのらしいのだが、それに派生して私の名前もなぜが登場したようだ。

そこで初めて私は日本人Yに「あなたは旅行に行く際にMと一緒に遊んでくれと言った後イギリスに帰ってきてもMを放っておいた。私はMの誘いを断れず、かわいそうにも思っていたので今日まで毎日Mといる。」と言うと、日本人Yは「私旅行前にそんなこと言ったの?覚えていない。ごめんね」と言われた。

でも、私は香港人Mと毎日一緒にいるのは疲れたが、日本人同士で固まって行動するよりは全然いいと思った。香港人なので同じ時期に留学に来ているのに日本人よりspeakingの速度は断然早い。日本人はまず文法を考えて英語を話すので時間がかかる。そういう意味では香港人Mと一緒にいたことはよいことだったかなと思っている。

だけど、留学において人間関係が大変なのは同じ国の人たち、つまり日本人同士ではないだろうかと思う。

次に続く。

ーーー次回の記事 お金の価値観、育った環境ーーー

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