ひとひらの桜の花びら。
某駅前。
最近はどこの駅も画一化され、日本らしい風景は一体どこに行けば見れるのだ?と駅を降りた外国人観光客は誰もが思うであろうと心配になるほどに、日本の駅には日本らしさが無いとかねがね思っている。
別にいいのか?
いやいや、けっこう気がつかないだけで和風なのか?
だって、日本人の格好そのものがもう和風じゃないんだし。
まぁ、いいか。
そんなことを思いつつ…、
尺八を吹いていると、背後からふわりと桜の花びらが一枚落ちてきた。
自然なものが一切施されていない、要は人間が作ったものしか無い、この無機質な空間に囲まれた床に、超自然な小さなピンク色の綺麗な花びらが一枚落ちた。
何だか感動してしまった。
(おおお、どうか踏まないで)
と、沢山の人が行ったり来たりして少しずつ移動している花びらが踏まれない事を祈る。
はや3月が終わり、そうこうするうちに、いつの間にか桜は満開となってしまった。一年のうちのほんの数日間めいっぱいに咲いて、さっさと散ってしまう。潔さの代表格、桜。
散ってもなお、はなびら一枚で感動させるとは、大物すぎる。
なんだか「待ってくれ〜」と置いてけぼりになっている感があったけど、この一枚のはなびらを見て、わけ知らず落ち着く。
そうだ、
私は肝心なことを忘れていた。
人間こそ、この無機質な空間の中で、全くの自然のものだった。
そしてこの日は、はなびら一枚の感動が尺八演奏に伝わったのか、いつもより多くの人に気がついてもらえた。
通りすがりの皆さま、
仏心をありがとうございました🙏
世界平和とともに、どうか虚無僧仲間が増えますようにと祈っております。
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