マガジンのカバー画像

文学と尺八📖

14
古文書・地誌・狂言・詩集などに登場する尺八、虚無僧をご紹介♪
運営しているクリエイター

2023年6月の記事一覧

吉川英治の名作『鳴門秘帖』を読む📖隠密虚無僧☆法月弦之丞!

吉川英治の名作『鳴門秘帖』を読む📖隠密虚無僧☆法月弦之丞!

吉川英治作、長編時代小説『鳴門秘帖』とは。

大正15年8月から翌年の昭和2年10月まで、354回にわたって大阪毎日新聞に連載された、吉川英治の前期の代表作のひとつ。まだ大衆娯楽機関のあまりなかったその頃、「鳴門秘帖」のたぐいない面白さに、夕涼みのお内儀さんから使い走りの小僧さん、また花柳界の女性まで夕刊を待ちわびて愛読したそうな。

主人公は、多情多恨の青年剣士である法月弦之丞。

あらすじ

もっとみる
文学と尺八📖『吉野拾遺』

文学と尺八📖『吉野拾遺』

尺八の音色で魚が躍り出てくる?!🐟🐟🐟

『吉野拾遺』とは、

南朝(吉野朝廷)関係の説話を収録した室町時代の説話集のこと。



懐良親王は若い頃、尺八が上手であった。芳野川への外出時に吹いたところ、見慣れぬ魚がたくさん水から躍り出て、それは珍しく類いなき事だった。昔、妙音院殿が、熱田神宮で琵琶を弾いた時に、魚が陸に躍り出たと言い伝えがある。確かに同じような事だと感じます。尺八は以前から

もっとみる