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『魔女と野獣』原作漫画の第2話の感想

原作漫画はこちら。


アニメ版は9話まで観た。いくつかのエピソードに区切りがついたところで、原作漫画を読んでいる。

アニメ版では1話目でまとめられていた、最初の敵である魔女との戦いの終わりまでである。

やはり私にとっては耳で聞くと捉えにくい表現や言葉があり、漫画で読んだほうが分かりやすい面があった。

主人公たちが所属するのは、「魔術による、魔術のための、魔術の教団」である魔響教団である。魔術による問題なら何でも依頼を受ける。その中に、魔女事件への対応も含まれる。

そんな設定である。魔女はこの世界では、とてつもなく強大な力を持つ、畏敬される存在らしい。

主人公ギドは、ある魔女に呪いを掛けられて、姿を金髪の美しい少女に変えられ、力も封じられている。自分に呪いを掛けた魔女を探し出すために、魔響教団に所属している。

今回は、元の姿と力を一時的に取り戻して、魔女を倒すところまで。

ギドの真の力は、強力な存在である魔女の唯一の天敵となる、そんな設定が明かされていた。

狂った復讐心を持つ魔女を倒し、囚われの身となっていた少女も元の体に戻して、このエピソードに関してはハッピーエンドでめでたく問題解決のはずである。

しかし、微妙な余韻を残して引っ張る雰囲気で、この2話目は幕を閉じる。

その余韻は、主人公たちが所属する魔響教団の説明が、あえて十分には語られぬまま、いくらかの謎を残して終わるからだろう。

また、強い復讐心を持つ主人公ギドの危うさもある。敵の魔女もまた、強い復讐心を持っていた。彼女と主人公の姿は、鏡を見るような二重写しの構図になっているのではないか? そう思わせるのである。

そんな未解決の要素や謎を残しつつ、次に話を進める。読者は、謎が全て明かされたり、問題がすべて解決してしまうよりも、よりいっそうこの物語に引き込まれ、先の展開が気になるわけだ。

余韻を残すやり方は、一つの創作上のテクニックである。なぜかそれが駄目だと言う人もいて、何もかも明確にするべきだと言う人もいるが、はっきり言って、単なる好みの問題である。

ダークファンタジーには、いくらかは未解決要素が残るのが望ましい。それこそがダークファンタジー読者の望む、ダークで陰影に富んだ世界観の表現なのだ。

これでは、この記事はここまで。

読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。

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