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ホラー&ダークファンタジー専門誌ナイトランドより『へスター伯母さん』感想

 ナイトランドの創刊第2号に収められている『へスター伯母さん』は、幽体離脱と別の肉体への乗り移りがテーマです。

 怪しげな降霊術などにはまっているため、親戚から爪はじきにされているへスター伯母さんのところに、甥のピーターが訪ねにゆくところから物語は始まります。

 へスター伯母さんは、かつて双子の兄の体に乗り移り、兄のデートを台無しにした過去がありました。

 甥や姪に会いたい一心で、やってはいけないと戒められていた幽体離脱による肉体乗り移りを、再びやろうとするのですが。

 甥のピーターも巻き込まれ、結末は意外で、ぞっとする終わり方でした。なのですが、同時に希望も残すような、微妙なニュアンスで話は締めくくられます。

 やるなと言われていたことをやってしまい、悪しき結果を招いてしまう。それは多分、神話や民話時代からの王道的な展開です。

 王道的な展開を、いかに現代的に演出出来るかが、作家の腕の見せ所なのでしょうね。

 ナイトランドはマイナーな季刊誌ですが、なかなかレベルは高いです。

 クトゥルフ神話のような海外ホラーやダークファンタジーの短編がお好きなら読む価値はあると思います。

 

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