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その男はサイコパス【愛情と温情は、必ずしも最善ではない】

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第一作目完結。83,300文字。 共感能力を欠く故に、常に沈着冷静、冷徹な判断を下せる特質を持つサイコパス。実は犯罪者になるのはごく一部のみで、大会社の経営者や弁護士、外科医・…
1話あたり2,000から3,000文字です。現在連載中。
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#サスペンス

【サスペンス小説】その男はサイコパス 第1話

マガジンにまとめてあります。  サイコパス。共感能力を欠き、それ故に冷徹な判断が出来る精…

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片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス (第32話)エピローグ【愛情と温情は、必ずし…

マガジンにまとめてあります。  四ツ井法律事務所に出勤する。いつもの月曜日だ。嫌だという…

片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第31話【愛情と温情は、必ずしも最善ではない…

マガジンにまとめてあります。  何とか自首まで持ってゆきたい。自分が通報しても証拠不足だ…

片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第19話

 真先は3時間もダーツをやり続けた。それを知るのは知也も真先が帰るまで続けたからだ。真先…

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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第14話

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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第12話

 水樹はそれでも少しためらっていた。3分か4分が過ぎた。水樹は、 「分かった。僕がやるよ」…

片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第11話

 知也は椿の気持ちが分からなかった。相手の思いには共鳴できなかったし、自分が悪いとも思えなかった。浮気もしていない。ずっと大事に扱ってきた。あれ以上どうすればよかったのか。椿の恨み言が脳裏に響く。あの時と同じように、彼女の泣き顔が見える。  知也は良心の痛みを少しも感じなかった。自分はできるだけのことをしたと思っているからだった。  大きく立派な屋敷が立ち並ぶ地域を抜け、クリニックや公園、清潔ではあるがごく普通のマンションなどが並ぶ通りに出た。 「もうすぐです」  若

【サスペンス小説】その男はサイコパス 第9話

「失礼しました、時道さん。しかしあなたを助けるためでもあります」  知也は再び手ぬぐいを…

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片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第8話

「おじいさん、立てる?」 「大丈夫だ、名尾町さんの手当が良かったよ。もう血は止まって、痛…

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片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第7話

 さすがに一瞬は動揺が走った。だがすぐに平静に近い状態になる。心拍数がやや上昇するのに…

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片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第6話

 ワクワクした気分のまま水樹に連れられた廊下を逆に走ってゆく。途中でお手伝いの高木と会…

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片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第5話

 知也の冷静な態度は時道老人をより激しく怒らせた。本当なら依頼人を怒らせるのは得策では…

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片桐 秋
2年前

【サスペンス小説】その男はサイコパス 第4話

「これはこれは。久しぶりだな、水樹」  そっと立ち上がって悪びれもせず知也は言った。時道…

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片桐 秋
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【サスペンス小説】その男はサイコパス 第3話

 遺言書の書き方にはいくつかある。どれを選ぼうと自由ではあるが、弁護士や行政書士などの専門家の助けを借りて遺言書を作成し、次に公証役場で公務員である公証人に見せ、法的に有効な物として厳重に保管してもらう。死後のゴタゴタを避けるには、これが一番のやり方だろう。  と、知也は考えているがそのまま告げるのは無神経だ。オブラートと修辞に包まねばならない。面倒だとは思わなかった。あまり。新しい仕事の始まりだ。いかに自分の冷淡な本性を隠して感じよく振る舞うか、考えるのは楽しかった。

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