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Ender3 v2改 エクストルーダー不調の謎を探れ!

はじめに

この記事に登場するEnder3 v2はEnder3 s1のヘッドに換装されています。
ですので、純正Ender3 v2や純正Ender3 s1で同様のことが起きるかどうかはわかりません。
ヘッド換装は↓を読んでね!

造形トラブル発生!

三つ爪チャックを作ろうとEnder3でプリントしていたんですが…
ビルドプレートから剥がそうとしたらパックリ!!

作ろうとしていたものはこちら↓↓
これのネタもいづれ別記事にしますね。

結構な大物で12時間くらいかかってたのに何もしないうちに使い物にならなくなってしまいました。
気を取り直してもう一度造形し直したんですが、なんか様子が変・・・。

ウォールが造形されていない??

形成不良が多発していて、これは明らかにフィラメントが供給できていない模様。
最初のパックリ問題もフィラメントの供給がされなくて層が抜けていたのが原因と思われます。
問題はエクストルーダーにありそうです。

原因を探す

写真撮ってなかったんですが、フィラメントの差込口にフィラメントが削れたカスが溜まってました。

ここにカスが溜まっていた

エクストルーダーの中で詰まってしまっている可能性もあるので、ヘッドをオーバーホールしました。
オーバーホールの作業も写真撮っとけばよかった。
ネタになるほど重症じゃないと思ってたので撮ってなかったです。
で、再度出力してみた結果・・・

酷い面荒れ??

なんか余計ひどくなってない?
このあとモデルを変えたりフィラメントを変えたりして何パターンか出力してみたんですが、今度は症状が現れず。
いつもは寝る前に造形スタートして朝確認なんですが、たまたま一日予定が空いた日があったので元の三つ爪チャックの部品の出力をずっと観察してみることにしました。
最初の2時間くらいは快調に造形が進んでいたんですが、突然「ガツン!ガツン!」と何かがぶつかるような音がヘッドから出始めました。
フィラメントを触るとちっとも送り込まれていきません。
やっぱりフィラメントを送るギアが滑ってるのか~。
・・・と思ってフィラメントを抜いてみたんですが、

ギアが噛んだ痕はくっきり残っているけど、滑ったような跡が無い・・・。
再度ヘッドをオーバーホールしましたが、フィラメントが削れたカスもほとんどありませんでした。

トラブルの原因は?

その後も造形をしているとある程度時間がたったところでエクストルーダーが「ガツン!ガツン!」と音を立ててフィラメントを送らなくなります。
その様子をじっと眺めていて気付きました。

もしかしてモーターシャフトが回っていないんじゃ・・・?
シャフトに赤ペンでマーキングしてみると、ガツガツいうときにはシャフトがピョコピョコとチャタリングのような動きをしていました。

ステッピングモーターの脱調だ~!!

脱調に関しては↓をご覧ください。

脱調してガツガツが始まると、大体その層の造形が終わるあたりまではずっとガツガツしてます。
大きなリトラクションが入ると元に戻るようで、何事もなかったように造形が再開されます。
う~~ん、これは結構重大問題かも。

誤動作の要因は?

ステッピングモーターが脱調する原因はいろいろあるけど、Ender3のモーター制御は単純なので考えられる原因は「トルク不足」。
考えられる要因は2つかな?

  • モーターに供給される電流が不足している

  • そもそもモーターのスペックが足りていない

電流不足はマザーボード交換しないと対応できない気がするし、モーターのスペック不足だったら解決のしようがない。
Ender3 v2のマザーボードでs1のヘッドを動かすのがそもそも無理なのかなぁ?

一応の対策

モーターに供給する電流を増やすことはすぐにできないので、対症療法でエクストルーダーにかかる負荷を減らしていきます。

対策その1 フィラメントの噛みこみの調整

ヘッドの向かって右側面に埋まっているねじがずっと気になっていたんですが、このねじはフィラメントにギアが噛む力を調整するものみたいです。

説明書でも触れてなかったので謎のねじだったんですが、オーバーホールしたときに気づきました。
これをフィラメントが滑らないギリギリまで緩めました。
これでモーターの回転抵抗は減るはず。

対策その2 リールの回転抵抗の削減

まぁずっと気にはなっていたんですよ。
本体上方に引っ掛けてあるリールの動作。

フィラメントが引っ張られる力で回転するんですが、シャフトとリールの間に摩擦抵抗があるので、リール全体が持ち上げられて重力に耐えられないところになったらガシャンと回りながら落ちるみたいな動き。
新品のフィラメントだと1kgとかなのでそれをエクストルーダーが持ち上げてると思えばそりゃトルク不足ですよね。
で、↓↓のようなシャフトを作って交換しました。

作成内容は別記事にしようと思いますが、シャフトの中にベアリングを仕込んでシャフト自体が回転するようにしました。
これでエクストルーダーが無駄な重力に抵抗しなくても良くなります。

対策その3 モーターの温度を下げる

ヘッドとビルドプレートの温度を下げたくないのでモーターの放熱が上がるように「まず貼る一番」をモーターに貼っておきました。

前職でよくお世話になっていたソリューションでモーターに貼る冷感湿布みたいなもんです。
どのくらい動作温度が下がったかわかりませんが、まぁ気休め。
少しでも温度が下がればモーターの内部抵抗もマシになるでしょ。

さいごに

その後、あまり大きなものを造形していないのと、フィラメントが減ってきてリールが軽くなっているためか、脱調が発生していません。
今のところ対策の効果がどの程度なのかは全くわかりません。
次に新品のフィラメントを買った時にわかるかな?

さすがにEnder3 s1を買えばこんなトラブルは起きないのかな?
きっと基板も違うだろうし。
もしv2をs1仕様に換装したり、純正s1でもフィラメント吐出不良が発生する場合はエクストルーダーのモーターが脱調しているかもしれません。
根本的な対策は・・・今のところないかな~??

いずれ経過報告もできるんではないかと思います。
では、またの機会に~!

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