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ハジケテマザレ――最近の金原ひとみについて思うこと

すごく楽しみにしていて、予約購入した金原ひとみの新刊が全然面白くなかった。これはショックだ。
登場人物の真夏さんとルイコさんのマナルイコンビの性格が苦手だからか、彼女たちを主流に動くこの物語に苦手意識を強く持ったのかもしれない。

最近の金原ひとみは初期と比べてだいぶ変わったように思う。
「ハジケテマザレ」では、初期の作品によく見られた主人公の「私が私が」と、自己主張してくる様を見ることがなかった。

出産と育児が主題となる「マザーズ」を私はいまだに苦手に思って読んでいない。
しかし、初期や最近の作品は割と読んでいる。
腐女子が美しいキャバ嬢と出会い変化していく「ミーツザワールド」は、すごく面白かった。まさに私が読みたい作品だった。
コロナ禍を描いた「腹を空かせた勇者ども」も、すごく良かった。
でも、「フィッシー」とかは楽しめなかった。
私は基本、リア充なひとたちの話が苦手なので、まわりと友好関係を築いている物語はダメなのかもしれない。
「アンソーシャル・ディスタンス」のような、孤独な話は好きだけれど。

正直、金原ひとみの書く小説が好きだ。
金原ひとみは進化していると思う。
今回の「ハジケテマザレ」は全然楽しめなかったけれど、今後も読み続けたい作家のひとりだ。

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