かしゃ

読書が好き。ねこが好き。日々おだやかにいきたいです。 名前は「かしゃ」と申します。

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    最近の記事

    オリジナル小説 ふたりぼっち #おしまい

    夏が訪れました。伊織は無職でした。以前勤めていた会社の、契約期間が満了したからです。  冷房の効いた仄暗い部屋で、二人は力なく横たわっていました。 「ねぇ、灰村。私たち、このままどうなってしまうのかしら。だぁれも知らない場所に行き着けるのかしら」  灰村は、薄く眼を開きました。 「行けるよ。確実に。誰も僕らを必要としていないし、僕ら自身も誰も必要としていないから」 「そうだね。私たちは、最初から最後まで私たちのことしか見てなかったね」 「だから同時に幸せにもなれたんだよ」  

      • オリジナル小説 ふたりぼっち#5

         灰村は、一点をじっと見つめていました。そこには何もありません。では、灰村はいったい何を見ているのでしょうか。あまりにも灰村が凝視しているので、見かねて、伊織は灰村の名を呼びました。何度か呼びかけて振り向いた灰村は、急に現実に戻ってきたような、少し驚いた顔をしていました。何、と言う声も、やはり驚いた人間のものでした。 「灰村、あなた何を見ていたの?」 「何も」 「嘘」 「……」 「灰村は本当に嘘をつくのが下手。明らかに何かを隠してる」  灰村は諦めたように、溜息をつきました。

        • オリジナル小説 ふたりぼっち#4

          灰村が乳白のカンヴァスに絵筆を走らせているときのことでした。突然、激しい雨が降ってきました。通り雨だろうと思い、そのまま絵筆を走らせていましたが、雨は止みません。ざあざあざあざあ。雨は、言います。灰村は重罪人なのだと。灰村は表に出てはいけない人間なのだと。雨は、灰村を呪っているかのようでした。顔をしかめながら、灰村は絵筆をおきました。雨は止みません。 灰村は、伊織を抱き寄せました。 「僕がいなくなっても、伊織は生きていける?」 伊織はその言葉から苦痛を感じ、顔を歪めました。

          • オリジナル小説 ふたりぼっち#3

            2:慣れない日々、慣れる日々バイトを終えて家に帰ると、灰村が窓辺に腰掛けていました。白いカーテンが風に揺れて、灰村の顔に影を落とします。 背中まで伸びた灰色の髪が、静かに揺れました。 「おかえり」 後光に照らされた灰村は、この世のものとは思えぬ、神々しさに溢れていました。同時に、今すぐに消えてしまいそうな危うさも見せていました。 伊織は落涙している自分に気づきました。このひとが消えてしまったら自分はどうなるのだろう。生きていけるだろうか。それは、仄暗い、憂鬱でした。 「あなた

            オリジナル小説 ふたりぼっち#2

            1:引っ越してきたばかりの二人。  初夏の訪れとともに、二人の恋人たちはやってきました。灰村は黒い日傘を、伊織は白い日傘をそれぞれさしていました。生気のない青白い肌をした二人には、晴天というものは実に似つかわしくないのでした。  スーツケースを転がし、新居へと向かいます。  こぢんまりとしたちいさな部屋でした。アイボリーホワイトを基調としたやさしい色をした部屋でしたが、こともあろうに二人はペンキを買ってきて、アイボリーホワイトの部分をすべて仄暗い色にしてしまったのです。

            オリジナル小説 ふたりぼっち#2

            1:引っ越してきたばかりの二人。  初夏の訪れとともに、二人の恋人たちはやってきました。灰村は黒い日傘を、伊織は白い日傘をそれぞれさしていました。生気のない青白い肌をした二人には、晴天というものは実に似つかわしくないのでした。 スーツケースを転がし、新居へと向かいます。  こぢんまりとしたちいさな部屋でした。アイボリーホワイトを基調としたやさしい色をした部屋でしたが、こともあろうに二人はペンキを買ってきて、アイボリーホワイトの部分をすべて仄暗い色にしてしまったのです。  

            オリジナル小説 ふたりぼっち#1

             あるところに、灰村という名前の青年がおりました。灰村は21歳になったばかりで、人生に絶望していました。毎日毎日、愁えた表情をしておりました。  灰村には、伊織という名前の恋人がいました。伊織は甲斐甲斐しく灰村に接するも、灰村の心から絶望を取り除いてあげることはできずにいました。  私が初めて二人と食事をしたとき、二人とも小奇麗な恰好こそしていましたが、食は細く、ほとんど皿に手をつけていませんでした。どう贔屓目に見ても、二人は病人のように青白い顔をして、がりがりに痩せてい

            届く声も、あるんだなぁ

            響くかは分からないけれど。 近日中に、過去に書いた小説をアップします。 今度はダークな内容です。シリアスっていうか、暗いです。 私なりに彼らのハッピーエンドを用意したつもりです。 お楽しみに。

            娼年

            松坂桃李主演、娼年を見た。 石田衣良が原作だったから見たんだけど、普通に面白かったです。 セックスシーンは激しかったです。演技じゃなくて、本当にやっているように見えました。 原作はまだまだ続いているみたいなので、映像化しないかな、主演はもちろん松坂桃李で。

            2023あけました

            あけましておめでとうございますm(_ _)m 今年はとにかく書き続ける一年にしたいです、小説や詩などを。 あと個人的なことですが、クチャラーを治したいです。切実。 英語も頑張りたいな。 本年も、お付き合いいただけたら幸いです。

            小説家と過ごす日曜日

            石田衣良のメルマガを一冊にまとめた、「小説家と過ごす日曜日」を読みました。 内容が濃いので、読んでいて楽しい。イラとマコトのエッセイも面白かったです。 2、30代の女性がターゲットなのかな。 楽しい読書でした!

            オリジナル小説 ディスライクあとがき

            こんにちは。いかがお過ごしでしょうか、かしゃです。 私が2008年ごろに書いた小説、ディスライク。読んでいただき、誠に有り難うございます。 2008年は私にとっても転換期だったため、ガラケーにメモしながら作った作品です。 主人公の成田諸葉は、私の投影にもなったキャラクターです。みなずくは、もろ私の好みのタイプです。 なんでタイトルがディスライク(嫌い)かっていうと、諸葉の、みなずくに対する愛憎紙一重な思いが物語のベースになっているからです。好きだけど嫌い、嫌いだけど好き。 こ

            オリジナル小説 ディスライク#17 終わり

            この短期間で、私は何を得て、何を失ったのか。ありきたりな愚問である。それを鼻先で笑ったら、急に涙が溢れた。あまりにも止め処なく涙が流れるものだから、私は今日に限り、一日中泣いても良い日に制定した。なんて素敵な日なのだろうか。そんな素敵な日なのだから、携帯電話を解約しよう。アドレス帳に登録されていた人々に会うことはおろか、連絡を取ることすらもうないだろうから。自然と顔がほころぶ。日本家屋の側を通ると、梅が咲いていた。もう春なのか。 そうだ。引っ越そう。遠く異国の地へと。どこがい

            オリジナル小説 ディスライク#16

            「諸葉ちゃん、ごめんね」 ごめんねごめんねと繰り返しながら、最笙さんが私の頭を撫でた。 「俺が、こんなんだから…諸葉ちゃんも精神的に参っちゃうんだよね」 「どゆこと」 「妻とは別れて、諸葉ちゃんだけにして、諸葉ちゃんを経済的に安定させるから。そうしたら諸葉ちゃんも不規則に働かなくて良くなるから」 妻? 私は首をかしげた。この男は、妻帯者だったのか? おそるおそる訊いてみる。「子供とか、いないよね?」。 最笙さんは更に目頭を熱くしたようだった。 「いるんだ。三人。下の子はまだ保

            オリジナル小説 ディスライク#15

            故意なのか本来の姿なのか分かりかねるが、みなずくさんは腕をだらしなく下げた。 右手の二本の指に、ゴツいデザインの指輪を装着している。そのうちの一本、中指にはアーマードリングが光っている。あれらの指輪を装着した状態で殴られたならば、さぞや痛かろう。 正面を向く私を殴る場合、私の左頬に向かってストレートに拳が飛び歯が飛び、突然の衝撃と痛みに左頬に手をやりながら困惑する私。世界はスロー再生に切り替わっている。鮮血にまみれた私の歯を拾い、そっと差し出すみなずくさん。口元には微笑をたた

            最近見た映画

            こんにちは。唐突に小説の連載を始めたので、驚かれた方もいると思いますが、私は元気です。心身ともに。 今月は時間ができたので、ひたすら映画とヨガしてました。 で、最近見た映画。 「Sex and the City」の1と2。 「老後の資金がありません!」 「実写版 アラジン」 「テネット」 「シン・ウルトラマン」 以上の6本です。 SATCは思ってた程ではなかったですが、楽しめました。テレビシリーズの方が面白いのかな。 老後の〜コメディ。 アラジンは吹き替えで見ました。内容