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愛とは相手のために変われることだと思った

私は,HSP気質をもっており,ADHD傾向で,アダルトチルドレンでもある。
他者の評価で生きてきた私の自己肯定感はとても低く,
まるで揚げ衣をはいだ後の貧相なエビのようだ。
大人になって,30歳を超えて,
生きづらさというものを感じずにはいられないでいる。

実家に行っても友達とランチしてても,
それは本当の自分ではない。
休職中に自分と向き合って,やっと気づけたことだった。
だから,人に会うだけで疲れる。
そんな私でも,家にいるときだけは唯一自分でいられると感じる。
だからこの人と結婚できたんだと思う。

夫は,いい意味で私とは正反対。
彼のもつ「根拠のない自信」。
若い時は自分の考え方も偏っていて,
夫のそれがとても不安定で理解できなくて,間違っていると思っていた。
周りの人に必要以上に世話をやきすぎないところも,
自分のことが大好きなところも,正直とても変わっていると思っていた。
でも,だからこそ私を受け入れることができたのだと思う。
変人だから,変人にしか解ってもらえないんだろう。

そして,その変人は最近ますます力を発揮している。

今までの私は,相手にどう思われるかを最重要ポイントと考え,
自分の感情を置き去りにして生きてきた。
相手の望むように行動し,自分の感情を封印し,相手の言ってほしいことを口に出しては自分の思いや反論を飲み込んできた。
それがうまい生き方だと思って疑わなかったからだ。

しかし,本人が気づこうとしないから,気づく気配もないからか,無理やりにこのままじゃダメだと気づかされた。
全てがうまくいかなくなって,体も悲鳴を上げて,
「もういいや」って感情の針が振り切れた。

仕事もプライベートも全てにおいて,「もういいや」
嫌われても「もういいや」
求められなくても「もういいや」

…夫の話にもどる。
結婚する前も今までも,私は夫の前で何度か感情を爆発させたことがある。
それは,ため込んでため込んで…我慢の限界に達したときだった。
泣きながら,わめきながら,ひたすらかっこ悪くてかわいくない姿で,
それまでの感情を吐き出す。
とても見ていられないくらいに,周りの人からは想像もつかない私だ。
そんな爆発,夫の前でしかしたことがない。
それができたことが私にとっての奇跡だったんだと思う。
大爆発を見せられるから結婚した…なんてよくわからない理由。
でも私にとってはものすごい出来事。
きっと驚いただろう,引いただろう,この先不安になっただろうに…
彼は私から離れて行かなかった。
弱い情けないかっこ悪いちっぽけな本当の私を知っても愛してくれた。

でも簡単には人は変われない。
かっこつけて生きてきた。どうやったら好きになってもらえるか,嫌われないか考えて生きてきた。
結婚してもやってしまう。かっこつけな自分。
できないのに,できるふり。
したくないのに,やらなくっちゃ。
可愛い奥さん,気の利く妻になりたくて。

でも「もういいや」
だってこっちの変な奴が本当の私なんだもん。

そう思ってからまた少しずつ私も変わってきた。
違うなって思ったときに,おかしいなって思ったときに,
違うよって伝えたいときに
自分の気持ちを言葉にするように努力した。
すぐにはできない。
タイミングが遅れる。
時間がたってからその時のことを話し出す。
とっさに言えないときもあるから。
どう伝えたら伝わるか考える時間が必要だから。
めんどくさいなあ自分。

でも伝える。

以前,ゲッターズ飯田さんの一言にこんな言葉があったから。
「我慢して意見や考えを言わないのは優しさではなく,相手と本気で向き合おうとしていないだけ。」
刺さった。
その通りだ。
それ以来,私はその言葉を思い出す。

失敗かもしれないけど。
間違っているかもしれないけど。
うまくいかない方を選んでいるかもしれないけど,
恥ずかしいけど。
ええい,受けとってくれーい!
てな感じで最終的には隠さず伝える。
隠すからこじれる。
伝わっていないから解ってもらえない。
過去の学習からの当たって砕けろ戦法。

受け取る夫もかなりのクセ者だ。

自分の考えを曲げない。曲げない。譲らない。
やりたいことはやりたいし,
やりたくないことはやりたくない。
超がつく頑固者。
めんどくさいなあ夫。

でも,ちょっとずつ私が自分の気持ちを小出しにしてくようになって
なんとなく変わってきた。
行動が変わった。
考え方が変わった。
意識が変わった。
自分自身をまるっと変えるわけではないけれど,
私の思いをくんでくれたり,
私の考えや思いと自分の考えとの妥協点を探って提案してくれたり
前に吐き出した気持ちを覚えていてくれてそれをいかしてくれたり。
小さいことだけどそれが嬉しいし有難い。

もしかするとこういうことは結婚初期に通っておくべき関所なのかもしれないけれど,私たちは今やっとそんな感じ。
私が頑固者だったから。
自分と同じように相手も察してくれるはず,言わなくても気づくはず,伝わってるはずと思って勝手に期待して,勝手に落ち込んでを繰り返していただけ。
それに気づいて,変わろうと思っただけ。
それだけのことだけど,結構時間かかったなあ。

でもこの人となら何でも来いな気持ちは変わらない。
夫がへこんでいたら,失敗したら,間違えたら,そばにいて何だってできる自信だけはある。
それだけが私の根拠のない自信。
変わることは怖いけど,愛情があるから勇気が出せる。
一緒にいられることが有難い。感謝だ。

時折夫に言われる。「自分じゃないと無理でしょ」
私だって思う。「わたしじゃないと無理だね」

これからもこの人のために変わることのできる自分でいたい。


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