【かすみを食べて生きる 15 一般病棟⑪ 】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録
脳梗塞 発症13日目:一般病棟11日目
・食事:飲み込みができないため絶飲食。鼻からの経管栄養と点滴での水分栄養を併用。
・状態:歩行訓練中。日中、看護師付き添いで車いすでのトイレ可。嚥下訓練では首を左に向けて飲み込むと、ごく少量の水がのどを通る。
あまりよく眠れず。
この日は日曜でリハビリはお休み。
スキンケア始めました
経鼻での食事は2時間近くかかるので、その時間を有効利用すべく、朝のお食事の時間は顔のパックをすることにした。
食事の注入が始まると、ティッシュに化粧水を含ませ顔中に貼っていく。
乾いてきたら携帯用の化粧水で水分を補充。
たっぷり時間をかけてパックをする。
なんて贅沢な時間だろう。
出産後こんなに時間をかけて自分の肌の手入れをしたことがあっただろうか。
食事の注入が終わる前にパックを終え、クリームで顔を整える。
鼻から出ている、まさに今食事が通っている管に手をひっかけないように注意しながら、両手で優しく顔を包み込む。
おぉぉ、左のまぶたのたれ具合が違う!
パックをすると肌全体のハリが出るからか、眼瞼下垂の症状が少し軽くなった。
これは入院中、私の朝のルーティンとなった。
窓が見えた
隣のベッドの方が退院して、窓側のベッドが空いた。
自分のベッド周りのカーテンを開けると窓が見えた。
久しぶりに見る、外の風景。
換気で少し開けられていて風が入ってくる。
急に、病院の閉ざされた世界が外とつながる。
窓から見えるのは、これまで時々自転車で通っていた道。
私、また自転車にのれるのだろうか。
子どもがまだ小さいから、自転車で送り迎えができないと不便なのだが。
いや自転車の前にそもそも食事ができないと、日常生活には戻れない。
家族に会いたい
夫と子どもに最後に会ったのは5日前。
会いたいなぁ。さみしいなぁ。
新型コロナウイルスがなければ、面会できたのになぁ。
朝夕、洗面所に行った際に通話はできるようになったけど、下手にビデオ通話をつなぐと、子どもが私のいないことを思い出して気持ちを崩してしまうかもしれない。
私のさみしさより、子どもが普段通りに生活できることの方が大事。
頼む夫。耐えきってくれ。
ーー振り返って
リハビリのない日になると少し時間ができて、さみしさや焦りが出てきました。
忙しいくらいがちょうどよかったのかもしれません。
パックは「する前」「した後」の自分の顔を自撮りして、その変化を楽しんでいました。
日常生活に戻っている今は、毎日1時間かけてスキンケアしていたあの頃、少しだけうらやましいです。
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