【最後に】ご支援ありがとうございました

プロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」、要望書を提出した325団体中、回答があったのは17団体となりました。

まずは、回答をご用意くださった17団体の方々に感謝申し上げます。
突然のお手紙にも関わらず、資料を読んでくださったこと、筆を取ってくださったこと、この業界の若手として、とても嬉しく、心強く思います。


そして、みなさまには、回答が全体の1割にも満たない結果になったことを、お詫びしたいと思います。

クラウドファンディングで金銭的な支援をしてくださったみなさま、
プロジェクトを進めるために尽力してくださったプロジェクトメンバー、
たくさんのご助言をくださった山本千晶先生、
なにより、勇気を出して私のもとにご投稿くださったみなさま、

本当に申し訳ありませんでした。
ひとえに私の力不足だったと思います。



この活動を開始したのは2019年3月でした。山本先生に相談しながら、2021年12月までに全6回の記事をアップしました。

活動を続けていくなかで「団体に直接、話を持っていきたい」という気持ちが生まれました。短詩に詳しい目上の方々に「協会と名のつく団体に文章を提出したいのです」とご相談したところ、「協会にはそんな力はない。やるなら、年鑑に載っているすべての結社に送りなさい」とご助言をいただきました。

はたして、そんなことができるのか、まったくわかりませんでしたが、とにかく短詩に関わる友人たちに協力を求めました。プロジェクトチームをつくり、要望書を提出する団体の選定と、クラウドファンディングの手続きをはじめました。2021年12月のことです。



クラウドファンディングの期間は1か月設けましたが、スタートから3日で目標金額を、5日でネクストゴールを達成し、121名の方からご支援をいただきました。

本当に驚きました。それまで無関心だと思っていた人たちが、そうではなかったのだと。プロジェクトは個人の使命感だけで動かしていましたから、それを他者から「やっていい」「やるべきだ」と実際に認められたのだと。言葉になりませんでした。

デザイナーと相談し合いながらパンフレットを制作し、プロジェクトメンバーと試行錯誤しながら要望書をつくり、投稿者のひとりひとりに連絡を取って報告書をまとめました。私ひとりでやっているプロジェクトではありません。たくさんの方々のご協力で形になったものなのです。



週に一度、私書箱に通い、ポストを開けては落胆しました。回答締め切りを延長し「どんな回答が団体に合っているのか、一緒に考えさせてほしい。一緒に10年後20年後をつくってほしい」とお葉書を出しました。

締め切りから2カ月ほど、動けませんでした。
下北沢B&Bさんで行ったトークイベントのときも、
朝日新聞から取材を受けたときも、
回答が1割にも満たないことを、私だけが知っていました。

いろいろなことを考えました。なにが足りなかったのか。どこをミスしたのか。私が「女」で「若く」て「知名度のない」「連句人」だからではないのか。だとしたら、今後同じような被害者が生まれ、彼ら彼女らが懸命に告発したとき、返ってくるのは同じく「無回答」なのではないか。



10年後20年後に短詩の世界で生きる人々のためにと、それだけの想いで活動してきました。だとしたら、「無回答」を変えられるのは、10年後20年後に生き残る我々なのではないかと思うのです。

どうか、このプロジェクトを、あなたの今後に生かしてください。
セクハラにまつわる投稿が110件寄せられたことを、121名の支援者がいたことを、3年かけてこの問題に取り組んだ創作人がいたことを、パンフレットの一文を、どうか覚えていてください。



不器用な活動だったと思います。それでも試行錯誤しながら、たくさんの方々に支えていただきながら、進めてきました。ほんのひとかけらでも、短詩の未来を託していただけたことを心から感謝します。

この記事を持ってプロジェクトを終了します。
3年間のご支援ご協力、本当にありがとうございました。

プロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」
発起人 高松霞