【公開/拡散希望】「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」第2回

「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」第2回を共有します。文脈が大切な活動ですので、前記事をご一読いただいた上でお読みいただけると嬉しいです。
※【公開/拡散希望】「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」と専門家コメント|高松霞 https://note.com/kasumitkmt/n/n05c3c0416cce

今回も男性女性、20代から50代の方まで、様々な体験談・ご感想をいただきました。お寄せくださったみなさん、情報拡散にご協力くださったみなさん、本当にありがとうございます。

以下の体験談・ご感想は、個人が特定できないよう編集しています。歌会、句会、連句会、結社、勉強会などは「批評会」に。句、歌などは「作品」「創作」に統一しています。又聞きのような投稿や、この活動へのご提案などはひとまず除外しています。

体験談の転載はお控えください。体験談、ご感想などは、記事の最後の投稿フォームからどうぞ。

こうした活動が多くの人の目に触れるだけでも「セクハラを許さない」というメッセージになると考えています。もしご賛同いただけるようでしたら、情報の拡散にご協力をお願いします。

■体験談

(1)20代の時に17歳年上の男性にしつこく付き合えと迫られ、批評会をやめたことがあります。(40代女性)
(2)批評会の二次会で「ゆるい」という言葉を口にしたら、年上の男性ふたりから「女の子がそれを言うのは下ネタだ」と言われました。(20代女性)
(3)批評会では、先生と呼ばれる立場の男性から、度々ホテルに連れていかれ、性的行為を強要されました。弟子という認識から逃げられず、要求を断れませんでした。携帯のカメラで性器の写真や動画を送るよう指示されたこともありました。現在は所属先を退会しましたが、精神科で治療を受けています。(30代女性)
(4)批評会の後の帰り道で、同じ会に所属する50代の男性から容姿の品評をされ「そんなにセクシーなのにどうして独身なの」「彼氏はいるのか」「デートしてくれ」と言われました。その後も電車やエレベーターの中で体を密着されるといったことがあったため、二人きりになるのを避け、別のルートで帰宅するようにしていました。相手は会の中枢にいる人物で、こちらの住所も把握されていたので怖かったです。恋愛感情を持つのは自由とはいえ、相手との間に力関係が存在価値する場合は、一定の配慮が必要になるのではないでしょうか。(40代女性)
(5)批評会後の飲み会でのセクハラが嫌で、批評会に出ることをやめました。県内の創作経験者は殆どが顔見知りという狭いコミュニティーの中でセクハラを告発することも、やめてほしいと言うこともできませんでした。若い世代は女の子も多いですが、年上ともなると男性の方が圧倒的に多く、20代以下よりも30代以上の方が多いことが当たり前で、価値観が違い、説明すら面倒で、その行為をやめてもらうよりも自分が我慢することを選びました。私と似たような思いをしている方はまだいらっしゃると思います。もう他人と関わりながら創作する気はありませんが、嫌な気持ちになる人が少しでも減れば嬉しいです。(20代女性)
(6)乞われて批評会のスタッフになりましたが、古参の老年男性スタッフのハラスメントに時間と労力を取られています。今は私の家族および専門家のアドバイスで、相手からのメールを受け付けず、事務上の直接の会話は第三者同席の上で行っています。少し前に理屈の通らない理由で私を会からの除名を画策し、私と私の賛同者により一蹴されました。当人を含むこの世代(70代80代)の男性5、6人の二次会での話題はモテた話、儲けた話、芸能人と面識のある話のみ。もともとは自由・平等を標榜する批評会でしたが、これまで女性会員が何人も辞め、学生など若い人も居着かない会になっています。(50代女性)
(7)妊娠中に批評会の会長(年配女性)から「二人目を生むように」と言われ続けました。二人目が産めない理由をその度に話すのですが「そんなことはない」と言われました。また、子供の顔を一目見てから「賢い子だ」と決めつけ、教育方針に口を出すようになりました。自分の理想を押し付けてくるのです。子供が発達障害であることがわかると、会長はひどく嘆き「あんな賢い子を障害者の中に入れたらかわいそう」と、一時間にわたって私たち家族が決めた療育方針に反対しました。私はショックを受け、子供の特性をわかってもらうために、発達障害の人の話をしたら「それは知恵遅れだろう」と言われました。
世界にたった一人の私たちの子供です。なぜこんなに言われなければならないのでしょう?また、子どもを一人しか生まないのは、悪いことなのでしょうか?会長は理由をつけては子供に会いたがるのですが、子供の教育に悪いので退会しました。また、会長は学歴差別もしていました。(当時30代女性)


■ご感想

(1)(前記事の研究者コメントに)「批評や指摘としてありでは」というコメントがありましたが、これだけ被害者層と加害者層に偏りがあるのは、明確に相手を選別して加害しているからではないでしょうか。また被害者はクローズアップされやすく、被害者の粗探しをするひとまで現れるのに(作品に隙があったとか、痴漢などの場合でも薄着してたのが悪いとか)加害者についてはなかなか語られません。 被害者への取材だけでなく、加害者への取材も見てみたいと思います。(20代女性)
(2)どのケースも許されない行為だと思いますが、とりわけ直接的な(言葉の投げかけ、触る、性行為に誘うなど)セクハラ行為は、創作そのものを貶める行為だと感じます。個々の批評会の問題とせず、早急に創作界全体が対策を講じるべきではないでしょうか。(40代男性)
(3)正直にいうと、記事を読んで「そんな極端なものは、めったにないのでは」「もし私が見たら、さすがに注意するだろう」と感じてしまいました。 でも、狭い業界のなかで、とてもあげにくい声をあげている方がいるのに「めったにないのでは」で流してしまっては駄目だと考えています。 だからどうしますということがうまく言えないけれど、まずは、実際にあるということを直視しなければいけないのだと思います。(30代男性)
(4)批評会という、表現と評論の場で、性的なテーマに触れる作品を出したり、読みを述べたりすることが必要なときはあると思います。ゾーニングできれば理想かもしれませんが、スマートな方法は思いつきません。 でもその必要さをタテにハラスメントが容易にできてしまうことや、実際に不快な思いをする人がいることを、表現だから、評論だから、で許容してしまうわけにもいかず、そのあたりがもどかしいです。(30代男性)
(5)楽しいはずの批評会で辛い思いをしたのは、私だけじゃないのだと、勇気が出ました。(女性)
(6)今回このnoteを拝見して同じような経験をした方が少なからずいらっしゃることが分かり、安心して良いのか憤れば良いのか微妙な心情です。(20代女性)

■前記事の以下の体験談について、ご感想が2件ありました。これを受けて、ご本人に補足いただきましたので、併せてご紹介します。

○前記事の体験談

(7)批評会では、私が一番若く、女の子扱いされ続けています。とにかく絶えず、気を使って先に動くことを求められています。年配の女性は、女として扱われるのが嬉しく「セクハラ如きでジタバタするほうが悪い、上手くかわしなさい」という考えを持っているのではと思います。(女性)

○ご感想

(1)偏見だと思います。セクハラの被害に遭うのは若い女性だけではありません。「年配」がどれくらいの年齢を指すのか定かではありませんが、少なくとも40代の私は創作の場における「女扱い」など望んでいません。作家として尊重されたいと思っています。(40代女性)
(2)わたしは40代ですが、結構長くセクハラにさらされていたので麻痺している部分があります。 嬉しかったことは一度もありませんが、そう見える可能性はあったと思います。 私より上の世代の女性に対して、喜んでいるのかと思ったことがありますが、本当に「喜んでいた」のか今となっては疑問です。 そして若い世代に対して「喜んでいる?止めない方がいいのか?」と思ったこともあります。今は喜んでいるように見えても止めますが(特に同年齢、上年齢が加害をしている場合) 喜ぶふりをする方が一層ひどいいやがらせに発展しない、加虐のよろこびを刺激しない、と考えている場面があります。「ばあさんが嫉妬している」と言われそうな場合は躊躇してしまうこともあります。(40代女性)

○ご本人の補足

・私の当時の年齢は、40代後半。30代で批評会に入り、そこから辞めるまで、ずっと女性の最年少でした。「気を使え」とたえず私に言っていたのは、批評会の主宰(女性)です。「年配の女性」は、60代後半から70代。男性会員も、そのくらいの年代が多かったです。セクハラにあっているのは、若い女性だけではないと私も思います。4.50代は「おばさんが何言ってるの?」と言われて、更に嫌な気持ちになるので、表に出てないのでは、と思います。

■前記事の以下の体験談について「批評会において、作者名を開くのは当然ではないか」「笑われるような作品だったのではないか」というご感想をいただきました。

○前記事の体験談

(1)批評会で、私生活や恋愛の作品を出したとき、司会者に「この作品を出したのは誰ですか?」と笑いながら聞かれました。主体=作者だと考えているのだと分かり、作品が出しずらくなりました。(女性)

まず、投稿者は創作歴が長く、批評会にも慣れていらっしゃる方です。該当の作品を見せていただきましたが、けして「笑い」がおきるような作品ではなく、むしろ静かな情景の恋愛作品だと感じました。

○ご本人の補足

・ちょっとニヤニヤした感じで、司会者に「誰が出した作品ですか?」と言われ、そのあとも、実体験として読まれているような感想がありました。当時既に結婚して、子供もいた為、わたしの過去の体験を詠んだ、と思われていたようでした。

【ご感想をお寄せください】

以上の体験談を読んで、どのように感じましたか。一言でも長文でも構いませんので、ぜひご感想をお寄せください。匿名可能です。体験談も引き続き募集します。

こちらのフォームからどうぞ

いただいたご感想・体験談は、個人が特定できないよう編集した上で、今後の活動で公開する場合があります。今後の活動に反映するため、結社名、個人名など書いてくださって構いません。編集前の投稿は高松のみが拝見します。

こうした活動が多くの人の目に触れるだけでも「セクハラを許さない」というメッセージになると考えています。もしご賛同いただけるようでしたら、情報の拡散にご協力をお願いします。