【公開/拡散希望】「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」と専門家コメント

今年三月から始めた「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」のアンケートは、十月九日の時点で計17件(うち、公開了承15件)の体験談をお寄せいただきました。ご投稿くださったみなさん、SNSでご賛同・拡散にご協力くださったみなさん、本当にありがとうございます。

「自分の体験は、そもそもセクハラにあたるのか?」「今後、同じことが起こった場合どう対処すればよいのか?」

セクハラ問題に詳しい研究者の方にコメントをいただきましたので、併せて共有したいと思います。文脈が大切な活動ですので、体験談ならびに専門家コメントの転載はご遠慮くださいますよう、ご配慮をお願いします。

こうした活動が多くの人の目に触れるだけでも「セクハラを許さない」というメッセージになると考えています。もしご賛同いただけるようでしたら、SNSなどでの情報拡散にご協力をお願いします。ご感想などは、この記事の最後のフォームからご投稿ください。

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5つの問題にジャンル分けしてまとめました。以下の体験談は、個人が特定できないよう編集しています。男性女性、10代後半から50代の方まで様々でしたが、主に20~30代女性が年配者から受けた体験がほとんどです。歌会、句会、連句会、結社、勉強会などは「批評会」に。句、歌などは「作品」に統一しています。また、重複している体験談はひとつにまとめています。投稿者の希望で公開不可な体験と、ほぼ同じ内容の公開可能な体験もありました。ご了承ください。

【1:批評会における倫理の問題】

(1)批評会で、私生活や恋愛の作品を出したとき、司会者に「この作品を出したのは誰ですか?」と笑いながら聞かれました。主体=作者だと考えているのだと分かり、作品が出しずらくなりました。(女性)
(2)年配の男性から、私の作品を下ネタにして笑われました。(女性)
(3)批評会で「こんな作品をつくっていたらモテないよ」と言われました。(男性)


(セクハラ問題に詳しい研究者コメント)ハラスメント云々以前の問題として、そもそも批評の場で下ネタにしたり中傷したりすることは許されないはずです。ルール化をするなりして、対応をしなくてはならないのではないでしょうか。

ハラスメントという以前に、批評会における最低限守られるべきルール、倫理の問題だと思います。

【2:反論できない場の空気の問題】

(4)批評会で「あなたは若いんだから」「もっと若々しい作品を出さないと」と言われました。(女性)
(5)批評会で、司会者が「こういう作品は若い人には理解できないでしょう」という発言をしていました。(男性)


(研究者コメント)批評や指摘としてあっていいのではないでしょうか。作者自身が、その指摘が間違っていると思えば、反論をすればいいことです。もしそういった反論を許さない空気感があるなら、それもまた批評会たるべきなのか、芸術家の集まりとして考えられたらいかがでしょうか。

【3:ジェンダー・ハラスメントという慣習】

(6)批評会では、若い女の子だけでお茶の準備や片付けをしています。なぜ男性はやらないのでしょうか。(女性)
(7)批評会では、私が一番若く、女の子扱いされ続けています。とにかく絶えず、気を使って先に動くことを求められています。年配の女性は、女として扱われるのが嬉しく「セクハラ如きでジタバタするほうが悪い、上手くかわしなさい」という考えを持っているのではと思います。(女性)


(研究者コメント)作品の批評と関係のない、性別のみによる序列づけや役割分担は、一般に「ジェンダー・ハラスメント」と言われるものです。性別のみによって固定の役割を与えたり、下に見たりするような慣習があるのであれば、見直すことも必要かもしれません。

お茶の準備などは当番制にするか、各自で準備をすればいいのではないでしょうか。

【4:マナーの問題】

(8)年配の男性、女性から「なぜ結婚しないの?」と聞かれました。(女性)
(9)批評会後の飲み会で「なぜ子供を作らないの?」と聞かれました。 (男性)

(研究者コメント)セクハラととらえるよりも、マナーの問題だととらえて適宜教えてあげたらいいと思います。「そういう質問は、最近の若い世代から嫌われますよ」など、周りの人がやんわり言ってあげたらどうでしょうか。

【5:一般にセクハラとなりえる言動】

(10)批評会後、複数回の飲み会で、目上の男性から身体を触られました。飲み会の雰囲気を壊さないよう、やんわり拒否したり、席を離れたりしましたが、やめてもらえませんでした。一度だけ別の男性が叱責してくれましたが、他の方々は見て見ぬふりで問題視してくれません。自主的に退会するしかありませんが、悔しいです。(女性)
(11)ある方から注意喚起を受けたことがあります。批評会で名刺交換したところ、しつこく会いたいとメールがあったり、そのメール内容もセクハラにあたるものだったそうです。(女性)
(12)目上の男性からホテルに誘われた、連れ込まれたという報告が数件ありました。投稿者の希望で詳細は伏せます。
(13)年配の男性、女性から「太った?」などと、身体のことを指摘され、不快でした。(男性)

(研究者コメント)このあたりから、一般にはセクハラになりえる言動ということになるでしょうか。(10)(12)についてはもはや犯罪でしょうか。

もしご本人が希望されるのであれば相談にのり、必要に応じて再発防止など何らかの対応が必要でしょう(高松:投稿者の連絡先が未記入だったため、もしよければ以下のフォームからご連絡ください)。

(13)の方は、おそらくそれほど大げさにしたくはないと思いますので、今後そういう場を見かけたら、やはりフォローをしたり、そういう発言をする人にはさりげなく注意をしてあげるとよいのではないでしょうか。

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【ご感想をお寄せください】

以上の体験談と、専門家のコメントを読んで、どのように感じましたか。一言でも長文でも構いませんので、ぜひご感想をお寄せください。匿名可能です。体験談も引き続き募集します。

◎こちらのフォームからどうぞ◎

いただいたご感想・体験談は、個人が特定できないよう編集した上で、今後の活動で公開する場合があります。公開されたくない場合、その旨をお書き添えください。

改めて、こうした活動が多くの人の目に触れるだけでも「セクハラを許さない」というメッセージになると考えています。もしご賛同いただけるようでしたら、情報の拡散にご協力をお願いします。

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10/11・【5】の体験談で掲載調整中の案件があるため、許可が下り次第、追加でアップします。

10/11・投稿フォームに公開許諾ボタンを追加しました。個人情報の取り扱いや体験談の投稿方法について追加しました。

11/7・「専門家コメント」を「セクハラに詳しい研究者コメント」に訂正しました。