【詩】まどい
震えている、音もなく
風のせいだろうか
ちがう、鳥がきたのだ
枝の先端で、ふと
こちらを、みつめているだけだ
震えている、やるせなく
風のせいだろうか
ちがう、鳥が去ったのだ
茂みのむこうで、じっと
こちらを、みつめていただけだ
震えている、あてもなく
風のせいだろうか
そうだ、鳥を追っていたのだ
森の道で、ずっと
あちらを、みつめているせいだ
震えている、わけもなく
風のせいだろうか
そうだ、鳥を待っていたのだ
藪のほとりで、ただ
あちらを、みつめていたせいだ
©2022 Hiroshi Kasumi
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。