見出し画像

【詩】一面のみどり

夏の眺めが ひろがっている
野も山も 森も田畑も
草葉の波も 樹々の繁みも
並み木の道も 川辺の土手も
眩しいみどりに かがやきわたり

野を駆ける 獣の影も
梢を飛び交う 鳥の翼も
花をめぐる 蝶々の紋様も
風を泳ぐ 蜻蛉の眼鏡も

陽に照らされ みどりに染まって

雲は無言で 空にたたずみ
休みない炎熱を 降りそそぐ
仰ぐ青葉は 喉を枯らして
噴き出す汗の しぶきを放つ

沸き立つ匂いの 声鮮やかに
生きるよろこびを 確かめている

©2023  Hiroshi Kasumi

お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。