平成29年度 農業科学・水産(園芸学) 問題・解説(記述式)

平成29年
園芸学

(1)
①キュウリーカボチャ台木ーブルームが発生しないブルームレス
※ブルーム:白っぽい粉が表面につく、経済的価値の低下
  スイカーユウガオもしくはカボチャ台木ーつる割れ病の回避、低温伸長性
②ダイコンは種子春化型植物であるため種子が吸水、平均気温12℃以下の低温が続くと花芽が分化する。花芽分化するとその後の葉の分化が停止して葉数が増加しないため根部の肥大が悪くなる。また、抽だいしやすくなる。さらに、夜間の低温感応を日中の高温で打ち消すディバーナリゼーションを行うためにトンネルやハウスの被覆下で、生育初期の昼間は高温に保つ必要がある。

(2)
①樹冠内の光環境回復 樹冠内全体に光が行くことで、光合成の促進や病害虫の防除、薬剤散布を行いやすくする。
 樹勢の回復 切り返し剪定や強剪定を行うことで、地上部の栄養成長が促進され新梢が多くなる。
 花芽分化の促進と隔年結果の防止 剪定によって結果数を調節し、毎年安定した収量を得ることで隔年結果を防止する。
②ジューンドロップについての説明
 原因 果樹は、蓄えていた貯蔵養分による成長から、新たに葉で生産した養分を主体にして成長し、果実の肥大を促すようになる養分転換期を迎える。しかし、日本ではこの時期が日照の少ない梅雨の時期にあたるため、光合成が低下し幼果への養分供給が不足する。その結果、落果しやすくなる。
 対策 開花後摘果を行うことで、養分を少しの果実に集中させて落果を防ぐ。  

(3)
①低温状態で野菜自体の呼吸で気相が二酸化炭素が高く、酸素が低い状態となるため、CA状態となり呼吸を抑制、さらにフィルムで包装することで青果物の蒸発を防ぐ。
②利点
 成果物自体の蒸発によるしおれを防ぐ。表面の機械的損傷を防ぐ。大規模の設備を必要としない。(低コスト)流通途中でも低酸素・高二酸化炭素状態を維持できる。
 欠点
 気温の高い時期では、ガス障害や微生物が発生しやすく、腐敗の原因になりやすい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?