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【眼科コラム4】この言葉をご存じですか?—Mucus fishing syndrome

皆さまこんにちは!
眼科医師の多田です。
6月といえば梅雨真っ盛り。気分が滅入るかもしれませんが、それでも時は進んでいきます。1日1日を大切にしながら生活していきましょう。

さて、本日のコラムですが、皆さまは"Mucus fishing syndrome"という言葉をご存じですか?
正直、なんだこの言葉は?聞いたこと無いぞ。きっとそう思われている方が多いでしょう。


言葉の意味について

これは、眼が痒かったりした時、多くは「ムチン」という粘性のある目ヤニが出てきますが、これを、直接眼から除去する[ムチンをfishing(釣る)]🎣と眼に障害が生じ、逆に粘性のある目ヤニがさらに増えて余計痒くなるという現象です。


基礎疾患としては、ドライアイ、眼瞼炎、アレルギー性結膜炎などが当たります。もちろん、ほかにも原因疾患はいくつかあります。

要するに、痒みがあるからと、目ヤニを自分で直接取るのは、あまり良い結果を生まないことになります。
 
このような場合は、まず目ヤニを取る行動を中止し、眼科を受診しましょう。そして、上に挙げた基礎疾患に対して治療することが重要となります。


ちなみに、"Mucus fishing syndrome"の概念が発表されたのは、1985年でした。こんな昔からある概念でも、私は、医学部在学中に習った記憶は無いです(笑)。まだまだ、私も勉強が必要ですね。

それではまた来月、皆さんよろしくお願いいたします。