春日華子の「性」なる日記 マホウニカカル

シンデレラは時間が来たら魔法が解けるが王子様が見つけてくれる。めでたし。めでたし。

白雪姫は毒リンゴを食べて眠りにつくけど見ず知らずの王子様のキスで目覚める。めでたしめでたし。

眠り姫はどんなストリーだったのか思い出せない。
やだなぁ。

アキラ君との別れの時間が来た。
あったとき、別れた後お店への連絡を欠かさない。
彼らのルールだ。
そのルールの中で夢を見る私。

じゃあね。

思いっきりハグしてもらって、優しい唇を重ねて別れる。

胸が
ぎゅってなる。
マホウニカカル瞬間。

気が付くと感情とともに金銭感覚もマヒし始める。
東京滞在中、ありったけのお金を使って夢を買った。
文字にしたくないけどアキラ君の時間を買った。
その時間をほかのだれにもとられたくないから。
マホウニカカル。自らをマホウニカケル。

何事もなかったように日中は仕事をする。
限られた東京滞在期間。
夜になるとアキラ君がホテルの部屋に来る。

「ただいま～。」って言ったのは大爆笑した。

だけどうれしかった。
でもね。
本当は太陽の下で会いたいんだ。って言えない関係。
マホウニカカルふりをして現実逃避し、久々に得た快楽を手放したくないだけ。考えるとむなしいからめいっぱい抱きしめてもらってアキラ君のぬくもりを感じながら眠りにつく。
それはお金と交換で得る幸せの時間。
それを満たすサービスをしているアキラ君。相性がよくてよかった。

ふらっと選んだアキラ君。
なんとなくお店の男の子をネットで見ていた時点でマホウニカカっつていたんだろうね。

なんとなく人を物色していた私も私だ。

薄茶色のきれいな瞳のアキラ君にこの夜も吸い込まれて眠りについた。
魔法はいつかとけてしまうことを振り払うようにアキラ君に足を絡ませて抱きついて・・・