イメージの百人一首26「小倉山―」

※このノートでは、百人一首のご紹介をしています。詳細な訳や、古語の解説、詠み手の経歴などは他書に譲り、各和歌のざっくりとしたイメージをお伝えしたいと思っています。イメージをお伝えするに当たって、あたかもその歌を詠んだ歌人になったかのような気持ちで理解していただけるように、二人称を採用しています。どうぞ、お楽しみください。

【第26首】
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
《おぐらやま みねのもみじば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなん》

 あなたは今、小倉山にいます。小倉山とは京都市右京区嵯峨にある山で、紅葉の名所です。季節は秋。峰は紅葉で覆われて、一面燃えるようです。あなたはこの景色を自分だけではなく、あなたの大切な人にも見てもらいたいと思います。しかし、それまでこの景色がこのまま、美しいままあり続けるでしょうか。あなたは紅葉に対して心の中で呼びかけます。もしも心があるなら、あの人が来るまで、このままの状態で待っていてほしいと。

 貞信公《ていしんこう》

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