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イメージの百人一首28「山里は―」

※このノートでは、百人一首のご紹介をしています。詳細な訳や、古語の解説、詠み手の経歴などは他書に譲り、各和歌のざっくりとしたイメージをお伝えしたいと思っています。イメージをお伝えするに当たって、あたかもその歌を詠んだ歌人になったかのような気持ちで理解していただけるように、二人称を採用しています。どうぞ、お楽しみください。

【第28首】
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
《やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもえば》

 あなたは今、都を離れて、山里にいます。季節は冬です。この山里へ、あなたのところを訪れる人はおらず、周囲の草は枯れてしまいました。一人でいるあなたは、心を楽しませたりすることもできなければ、目を喜ばせたりすることさえできません。人のいる都から離れれば寂しくなるのは当たり前であって、山里は他の季節も物寂しいものです。しかし、特に冬はひとしお寂しさが勝るものだと、あなたはたった今気がついたようです。

 源宗于朝臣《みなもとのむねゆきあそん》

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