第2首 眠れない夜
※このノートでは、冬の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。
【第2首】
ふしわびぬ 霜さむき夜の 床はあれて 袖にはげしき 山おろしの風
《ふしわびぬ しもさむきよの とこはあれて そでにはげしき やまおろしのかぜ》
(新葉和歌集/後醍醐天皇《ごだいごてんのう》)
【イメージ】
眠ることができそうにない。
なんという辛い寝床だろう。
霜が降りたように冷え冷えとしているのだ。
その上、袖には、山おろしの風が吹き付けてくる。
【ちょこっと古語解説】
○ふし……元の形は「ふす」で、「横になる・寝る」の意。
○わび……元の形は「わぶ」で、「~するのがつらい」の意。
○ぬ……完了を表す助動詞で、「~た、~てしまった」ほどの訳。
○あれ……元の形は「ある」で、荒れる。
○山おろし……山から吹き下ろす激しい風。
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