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形而上エッセイ「分かる人にしか分からない話」

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2018年8月の記事一覧

「通」常的なものの不思議

「通」常的なものの不思議

引き寄せや、占いや、超能力や、その他スピリチュアルなものについて、あれらのものを強く信じ込む人もいれば、躍起になって否定する人もいる。わたしは、そのどちらにも与さない。あればあったで別に構わないくらいの気持ちである(ただし、瞑想と易にはちょっと興味がある)。

強く信じ込む人も、躍起になって否定する人も、どちらもあれらのものが超常的なものであることは共通して認めていることと思う。超常的なものである

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夢の不思議

夢の不思議

ひどい夢を見て、起きた。

わたしはあまり夢を見る方ではない。話によると、夢というのは誰しも毎晩見ていて、目覚めたときにそれを覚えているかどうかによって、「見た」とか、「見なかった」と言うことになるらしいが、まあ、それはそれ、とにかく、昨晩は、見た(ことを、今朝覚えていた?)。

この夢というものは、考えてみると随分とおかしなものではないだろうか。夢を「見る」と言うけれど、一体「何が」見ているのだ

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本を読む時間を半分に減らして、その分、考えよう

世の中、本が好きな人が多い。いや、多いような気がする。データを知らないので、確実なことは言えないけれど。中には、1日1冊読んでいるという剛の者もいるようである。わたしも、本は好きで、とても1日1冊なんてわけにはいかないけれど、ちょこちょこと読んではいる。

ところで、本を読む目的が、ただ本が好きで好きで楽しみのために読んでいるというのではなく、知識を得ることにあるとしたら、本を読む時間を半分にして

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「人生はコレで決まる!」のウソ

「人生はコレで決まる!」のウソ

絶体絶命の真実か、全くバカバカしいことが、好きだ。真摯な人間が人生に真面目に向かった言説や、他人から見たら価値がないことだけどとにかくそれが好きで好きでたまらないという人の書く物が好きだ。さかしらなものは嫌い。

特に、「人生はコレで決まる!」的な、なにやら人生論めいたものは、ことごとくつまらないと感じる。 「学歴で」決まる、「運で」決まる、「親で」決まる、「見た目」で決まる、「何を捨てるか」で決

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時を惜しむということ

時を惜しむということ

時は計量可能な単位ではない。今から過ごす1時間を、別の1時間と取り替えることはできない。今から過ごす1時間というのは、1時間後には消え去って、もう二度と帰って来ないからである。人生で一度しか訪れない1時間。そうして、もしかしたら、それは、あなたの人生の最後の1時間かもしれない。毎時間、毎日、そう考えることができれば、自分にとって本当に大事なことのために時間を使おうと思うのではないだろうか。そうして

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道路族の子どもたちの悲しみ

家の外、道路で子どもたちがサッカーボールを蹴っている。ボンボン、ボンボン、非常にうるさいし、たまにわたしの家の壁にも当たるしで、早々にやめてもらいたい。全くもって腹立たしいのだが、一言怒鳴ってご近所トラブルになると、それはそれで面倒であり、注意にはなかなか二の足を踏む。

このように、路上で遊んで、近くの家々の人間に迷惑をもたらす子どもを、道路族と呼ぶようである。道路で遊んでいる子どもに迷惑をかけ

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他人はみんな宇宙人

他人はみんな宇宙人

「ロボットの疑惑」という哲学的なテーマがある。

これは、自分の周りにいる他人が、実は人間そっくりに作られたロボットなのではないか、という疑いだ。人間そっくりに作られていて、話しかければ返事をするし、向こうから話しかけてもくるのだけれど、実はそれはプログラムに過ぎなくて、意識がないのではないか。

この問題は十分に興味深い問題だと思うけれど、わたしはあまりリアリティを感じない。なぜ感じないのかと言

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今日会ったその人は明日にはもういない

今日会ったその人は明日にはもういない

今日会った人に、明日また会ったとしても、今日会ったその人とは別人である。同じ人でも別人。どういうことか。

たとえば、みなさんこういう経験は無いだろうか。親戚の子に久しぶりに会ったときに、見違えた経験である。子ども子どもしていた彼、もしくは彼女が、いきなり大人びたたたずまいを身にまとって現われる。しかし、そういう変化は、突然に起こったものではない。日々の積み重ねによるものだ。ということは、彼らは日

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