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今日会ったその人は明日にはもういない

今日会った人に、明日また会ったとしても、今日会ったその人とは別人である。同じ人でも別人。どういうことか。

たとえば、みなさんこういう経験は無いだろうか。親戚の子に久しぶりに会ったときに、見違えた経験である。子ども子どもしていた彼、もしくは彼女が、いきなり大人びたたたずまいを身にまとって現われる。しかし、そういう変化は、突然に起こったものではない。日々の積み重ねによるものだ。ということは、彼らは日々変化しているというわけである。

それはもちろん子どもだけの話ではない。大人だって変化している。肉体の成長が止まると変化が分かりにくいかもしれないけれど、確実に変わっている。今日会ったその人は、明日になったら、一日分変化したその人である。とすると、明日会うその人は、今日会ったその人自身ではないと言ってよい。今日会ったその人とは、今日しか会えなかったわけである。

今日だけの出会い。

一期一会というのは、今日の出会いを一生に一度のこととして考えましょうという心がけを言っているのではなく、今日の出会いは一生に一度しか無いという端的な事実を述べた言葉なのだ。

#エッセイ

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