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田舎は若手クリエイターのKASSOROになるのか?

初めまして、磯川実です。
僕のことを知らない人の為に簡単に自己紹介します。

磯川実(いそかわみのる)
1996年生まれ、北海道北見市出身。高校在学中に個人事業主としてデザイン業務をメインに起業。2015年、香港中文大学に入学(中退)、2016年、カンボジア移住後、シェムリアップで日本人向けシェアハウスの運営、首都プノンペンにてフリーランス映像作家として活動。2017年、日本に帰国し、動画マーケティング会社[北映Northern Films]を立ち上げる。翌年2018年に結婚し、さらに翌年2019年に第1子が誕生し、一児の父に。現在は北海道北見市を拠点に全国各地、また東南アジアをメインに海外での動画も制作する映像クリエイター。

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個人のYoutubeチャンネル▽
https://youtu.be/rZBvh-ids44

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プロフィールの補足ではないですが、僕の高校卒業後の話を少しだけ。

物珍しさだけで、高校生起業家としてメディアなどにも取り上げて頂き、一瞬だけ、しかもめっちゃ小さな日の目を浴びましたが、まぁ特にこれといったビジネスアイディアもなく、ただファッションで、格好だけつけて起業したので、資金調達もできるはずなく、ましてや自分に何ができるかすらもわかりませんでしたので、Youtubeに時事ネタなどをまとめた動画を大量にアップし、広告収入でしばらく稼いでいましたw

卒業して間も無く香港に移り、大学に進学し、広東語と北京語を勉強しました。いわゆる語学留学ですね。おかげで広東語はある程度の日常会話ならできるようになりました。北京語も読み書きなら・・・できる・・・?ぐらいですが、広東語ほどではありません。

約半年の語学留学のあと、たまたま旅行で訪れたカンボジアの魅力にどっぷりとハマってしまい、その場のジャストアイディアと若い勢いだけで、ありとあらゆる地元の友達にLINEで声を掛け、カンボジアで一緒に住もう!とお誘いメッセージを送り、そのうちの4人とカンボジアに移住することになりました。ちょうど20歳の時です。

ただ、あてもなくカンボジアに移住した為、みんな仕事もなく、ましてや貯金も潤沢にあるわけではないので、とにかくお金を稼ぐことに必死でした。現地の人に日本語を教える人、路上でシンガーソングライターとしてチップをもらう人、旅行代理店に就職する人、ゼロからWEB制作を学ぶ人、みんなその道の”素人”からスタートしたので、まぁそれはそれは大変でした。しかも独学ですw

そんな中で漏れなく僕もそんなお金を稼ぐことに必死なうちの一人でした。そこで僕が始めたのが映像制作です。

元々、親戚の結婚式や、高校の文化祭などでカメラとパソコンを使って映像を作るのは得意で好きなことだったので、当時手元にある機材を駆使してマネタイズ(収益化)できるものは映像制作だけでした。

今考えれば、これが現在の北映Northern Filmsの原点です。

それからプノンペンのイオンモールさんのテナントで自分たちの動画が流れたり、香港の大型ショッピングセンターで制作した広告が流れたり・・・と海外でそれなりに個人のクリエイターとして活動範囲を広げていったわけです。

日本に帰国後、動画マーケティング会社として改めて屋号を構え、現在に至ります。

さて、ここからが今回のテーマ「田舎は若手クリエイターのKASSOROになるのか?」についてです。

田舎の若手クリエイターの現状

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高校もしくは大学・短大や専門学校を卒業後は企業に就職するのが一般的です。これは田舎に限らず、全国的に同じですよね。

都会に行けば学生起業というのは昔からあって、何も珍しいことではありません。

しかし、これが田舎だと20代前半で起業して何か自営業として会社を構えるだけで「すごいね〜〜」となります。ましてや10代で「起業しました!」なんて宣言すると少なからず新聞や地元の企業さんなどから注目を集めます。

これは僕に限ってではなく、これまで数多くの若手起業家が味わってきたことかと思います。

都会に比べて「目立つこと」は簡単だな、と思います。少しでも変わったことをすれば良い意味でも悪い意味でも目立つことは簡単です。いつもとは違うネタが欲しい各メディアも人の紹介などですぐに記事にして取り上げてくれたりします。

僕の場合だと北海道新聞社さんに大変お世話になりました。また当時ジャニーズだった有名アイドルがメインMCを務める番組のオファーもありました。(結局、収録以前に企画自体なくなってしまいましたが・・・)

ということで、時代背景やタイミングも関係しますが、23歳になった今でも「田舎で目立つ」というのはそこまで難しくありません。

では何が難しいかというと、「事業の規模拡大」です。これは起業したてでも、現在でも同じ問題を抱えています。

そもそも事業拡大にはヒト/カネ/モノが必要ですが、それのどれもが都会に比べれば少ないです。当たり前ですが。

ヒト…人口がどんどん減っていってる
カネ…1件あたりの制作単価が低い
モノ…潤沢な機材や設備が整っていない

これが田舎の現状です。

ましてやフリーランスのクリエイターは安い制作案件に買い叩かれ、「好きなことで食っていく為に独立したのに、いつの間にかクライアントの犬のようになって疲弊している・・・」なんてことが多々あります。

実際につい最近まで僕自身そうでした。

これではいつまで経っても田舎の若手クリエイターは都会でバリバリ仕事をしているクリエイターには追いつけません。

僕自身の現状

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ありがたいことに僕の場合は香港やカンボジアでの実績があった為、日本に帰国後、北見市で活動拠点を構えていますが、クライアントの9割が関東と四国のお客様でした。

これは本当にラッキーでした。

事業スタートの時点で全国にクライアントさんが居れば、地元の安い制作会社の相場ではなく、全国の平均的な制作料金と比較できるので必然的にこれまでの地元の制作会社さんと差別化を図れましたし、何より買い叩かれないことで金銭的コストと時間的コストを十分にかけた高品質な作品を一つ一つにかけることができました。

お陰様で、2019年の年間売上高が8桁に到達し、ようやく事業者としてステージワンに立てたかな、と思っています。(ま、各ステージの定義については曖昧です・・・w)あくまでも僕らの肌感なので、ここについてはご容赦ください。

兎にも角にも、僕がこうしてラッキーな状態で現在の事業をスタートできたのは、なんとなく行った香港と、ノリと勢いだけで行動したカンボジア移住のお陰だと思いますので、なかなか一般的な日本の若手クリエイターに当てはまるか、と言えば違いますが、できればそういった状態で事業をスタートできるのが理想ですね。

田舎の若手クリエイターの勝算

さっきお伝えしたヒト・カネ・モノでいうと、田舎で一番致命的なのはヒトです。

お金があれば良い人材を揃えれるかもしれませんが、あくまでもそれは都会のように母数が多い場合に限って言えることで、そもそも人口の少ない田舎ではお金がいくらあっても現地採用で東京や大阪などに居るハイスペック人材は確保できないです。

そこで僕が考える田舎のクリエイターの勝算は「IT」です。

ヒト・カネ・モノに加えて、「IT」を要素として追加することによって、田舎の若手クリエイターも都会のクリエイターよりも優れた価値を世の中に提供できると思います。

「今更ITなんて・・・」
「東京の会社の方がもっとすごいことやってるよ」

なんて声が聞こえてきそうですが・・・。

もちろん都会の会社は、というか今なら全世界でどんな業種・業態でもITは欠かせません。しかし、田舎ならではの「IT活用方法」もあることは間違いありません。

例えば、「漁業組合のせりをオンライン中継し、船の上から直接売買取引を行ったり」「ロードヒーティングの温度管理をサーモグラフィックで計測したり」などなど、田舎の方がITの活用方法がまだまだあるんです。

つまり、田舎の方が解決しなきゃいけない問題が山積みで、ヒト・カネ・モノで溢れた都会に比べると、ITを活用して解決できるウィークポイントがそこら中に転がっています。

それでもやっぱり最後はヒト

田舎でのIT活用方法がまだまだ伸び代があるということは前述の通りですが、なんだかんだ言ってやっぱり大事なのはヒトです。

ヒトが居ないとITの活用もできないし、やる必要もないです。

つまり田舎でも都会でも最終的にはヒトが1番の財産であり、大切に育成・活用しなければいけないのです。初めは面白い企画も全てはヒトから生まれ、カネやモノ、そしてITによってその面白さをコントロールされ羽ばたいていきます。

そこで僕たち田舎のクリエイターがしなければいけないことは、自らのアイディアや発想をしっかりと温め、時に勢いよく羽ばたかせて行けるだけの準備を少ない人口の中でじっくりと考えていかなければなりません。

そこで、ここからはあくまでも自分のプロジェクトの紹介になりますが、田舎で暮らす若手クリエイターの為のコミュニティをここ北見で作りました。

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人口が少ない中で同じ興味や趣味をもったり、仕事をお互いに振り与えれるような環境がないが為に、これまで数多くの若手クリエイターが四苦八苦しながらも「自由に羽ばたきたい」という思いを胸に受託案件ばかりで疲弊してきました。

もちろんその環境を変えるのは自分自身だし、若手クリエイターにとってそれが一番難しいことは本人の僕が重々承知です。

ただ、それでも同じクリエイター同志、もしくは今は会社員だけど、これからどんどん活動範囲を広げたいと思っているクリエイター予備軍の方にとっては、「自分だけじゃない」「ここなら自分の好きなことで羽ばたける」と思える居場所があるのはこの田舎に置いて、非常に心地よいことではないでしょうか?

ぜひ興味ある方は加入して見てください。

羽ばたくのも、休むのも自由ですし、いつか訪れる最高のフライトの為にじっと待つ、それも自由です。

まとめ

ということで今回は「田舎は若手クリエイターのKASSOROになるのか?」というテーマでした。

個人的にはどんなことをやっていてもいつかは必ず大きく羽ばたけるチャンスが誰にでもあって、最終的には田舎だろうが、都会だろうが、結局はヒト次第かな、と思います。

そんな中でKASSOROサロンは田舎に住む僕たちのようなクリエイターの本当の意味でのKASSOROになると思っています。

それではまた!

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