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詩集

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2016年4月の記事一覧

白いコート

白いコート

夢の中で 白いコートをかぶされた

すべてを うちあかして
隠さないで 生きていたいのに

たぶん コートはもう暑いから
白いコート クリーニングに出しちゃうの

クリーニングして きれいにしてもらうから
私、夏服に着替えて
裸ん坊に近い私
さらけだすの

すべてを うけいれてみるの

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傷口

傷口

傷つきあって 傷むこの腕も
傷つきあって 傷む私の心も
傷つきあって ふるえる君の声も

全部 生きている証だから
まじわって また傷付いて

涙 二人で流して
涙 一人で流して

涙の先に なにがある?
君と出会って 一生に刻んだキセキ

君と私 このセカイ
二人で いたい
だけど、二人っきりじゃない
君のなかの 私は ちっぽけで

私は 君のことで、いっぱいなのに
君ばかり 想うのに
私と君の

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ツツジの咲く頃

ツツジの咲く頃

いつの間にか さくらちり
みどりの 木々が まぶしい頃

あなたは 白髪染めを忘れたと
嘆くのでしょうか

桜吹雪も どこかへ流れたのだから
ツツジが咲き乱れる今は
黒髪じゃなくても
自由に ありのままを 楽しめたら
いいんじゃないでしょうか

白髪染めの 茶色も素敵だけど
紫なんかは 白髪染めじゃなきゃ
綺麗には出せない色だよね

だけど、たぶん 白髪そのものが
美しいような

ピンクや赤いツツ

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涙の海で

涙の海で

波うちぎわで
白いスカートの 裾から見える
細い 君の足に すがる僕

白い つばの大きな帽子は 海からの風で
黒髪と 一緒に ひらひらしてる

一緒に飛び込もう
青い青い あの海に
なんて、もう言えない

海の水は しょっぱくて
まるで 涙のよう
僕たち どこでまた
あえるか なんて考えるのは 僕だけ

ひとりで 飛び込んでしまおう
暗くならないうちに

涙を流してしまおう
びしょ濡れの 心

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心のラジオ

心のラジオ

心の周波数 どの局がお好みですか?
AM FM どっちもいいね
それとも、まさかの たんぱかな?

心の周波数 どの位の音を出します?
私は、いつも、高い音を目指してます
たまに重低音になりますが

でも、高すぎる音は モスキート音だね
浮いてしまう
心の不調和起こして 泣いて
いやになっちゃうね

ほどよい音なんて わからないから
その日気ままに DJ選び

あなたの心のDJは誰ですか

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ひっぱりたい!

ひっぱりたい!

ベビーベッドで 寝かしつけられる日々
毎日天井を 眺めていたら みつけた

おなかのなかにあった、アレにそっくりな ヒモ。

ひっぱりたい!ひっぱりたい!
おなかのなかにいたときみたいに
ひっぱりたい!ひっぱりたい!

ひっぱりたい!ひっぱりたい!
アレって、なぁに?
ひっぱりたい!ひっぱりたい!

胎盤とへその緒に、そっくりな あのヒモ。
ひっぱりたい!ひっぱりたい!

ママがいった
電灯ってい

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自由に空をとびたい

自由に空をとびたい

好きとか愛してるとか どうだっていいから
今日は 空をとびたい

自由に空をとびたい

明るくなんて いつもいつもはムリだけど
暗く落ち込む気分じゃないから
今日は 空を とんでみたい

思いきって 泣き出してみたら
吐き出したあとは スッキリしたよ
今日は 空を とんでみたい

高浪も 飲み込んで
あなたの 記憶 飲み込んで
謎にしちゃって フラグにして
謎解き明かしてみたよ

フラグも 吐き出

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いつかまた

いつかまた

いつかまた そしてまた
雨がふったとしても きっと 心は 晴れたままで

いつかまた そしてまた
あなたを思い出しても 僕は晴れたままで

いつかまた そしてまた
僕のなかの あなたも
きっと 若いままで

久しぶりという 時のレイヤー
重なっていても
僕らは あの頃のままで

今という 時をまた
刻んだとしても
思い出は きっと 色褪せないから

いつかまた そしてまた
僕らが再会しても きっと

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モーニングサービス

モーニングサービス

チーズに 山椒、ピリリと辛い。

トーストしたパンに マーガリンを ひたすらぬって

ほろ苦い コーヒーを私が
あなたは 朝からワイン

朝から呑むのは どうなのよ?

私が尋ねたら

あなたは クスリと笑って

いいじゃないか。世の中には、モーニングサービスがビールとサラダの街もあるのだよ。

そう答えた。

ほろ酔いの あなたに
しらふの わたし。

先のことなんて わからないけど
あなたと

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今日は 雨ふり

今日は 雨ふり

今日は 雨ふり
ながめているのは 窓の外
呼ぶ声は どこから?

関係ないの、内からでも 外からでも。

今日は雨ふり
ながめているのは 窓の外
失って気付く 愚かな私

あなたは 雨ふりの中でも
レインコートと長靴で
ちゃぷちゃぷ みずたまりで 遊ぶ

おいでよ、なんて
あの頃とかわらないように
叫び続けてる

でもね、私は いけないの
あなたは わからないでしょう?

わかっていて わざとかし

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あなたを知らなかったから

あなたを知らなかったから

私は あなたを知りませんでした
だから 離れなきゃ いけなくなりました

私は あなたを知りませんでした
だから 手放さなきゃ いけなくなりました

私は あなたという人間を
知ろうとも してませんでした

私は あなたを知らないまま
さよならを告げました

私は ちょっと後悔しています
もっと 泥臭くても
あなたを知れば よかったと

あなたから 逃げずに
あなたを知れば なんて
今更の話なんで

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男の涙と雨

男の涙と雨

雨は 別れの朝には ちょうどいい

無様な男の涙を 流してくれるから

雨は 別れの日には ちょうどいい

いくら 泣いても 許してくれるから

雨の日に 傘もささずに たった一人
立ち尽くす 僕は
きっと 誰よりも 傷付いている

雨は 心を癒してくれる
雨だからなんて 言い訳でもないと
男って 泣けないものだから

さよならを 告げる日が 今日でよかった
雨が さんさんとふる日で よかった

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おおきくゆれる

おおきくゆれる

おおきくゆれる
ガタガタこわい
ママが ぼくをだいて
だいじょうぶだよ、と
なんども ささやいた

いえは びっくりするくらい
ぐちゃぐちゃになったよ

いえを かたづけもしないで
ママに おぶわれて
はじめての がっこうで ねとまり

ふあんで ないていたら
ママもなきだして
うるさいって いわれて

となりの おばあちゃんが
こもりうた うたってくれた

ペットボトルのあきようきに
こいしを

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キミの名前

キミの名前

青空に 寄せる波 浜辺で
キミの 細い腕を 引っ張って
おいかけっこ しよう

ボクの声が 枯れるまで、なんて甘い
キミの名前 叫んでるよ

キミが ボクの名前を
忘れないで 老いて死ぬ その日まで
呼び続けるように
ボクも 骨になるまで キミを呼んでるよ

キミがボクを 置いてきぼりにするなら
ボクは キミの骨を抱いて食べよう
そしたら ずっとひとつで いられるから

ずっと おいかけっこしよう

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