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亀の歩み稽古日記 ~ 植物の踊りと火のエネルギー~

“ 地 水 火 風 ”
その中で “火” だけはどうしても踊りにできなかった… らしいのだ。しかし、もしかすると 「植物の踊り」が “火” なんじゃないか、と最近思い始めておられる。。

エントロピー増大の法則。宇宙はどんどん膨張している、死滅に向かって。

植物を踊る時、カラダの深い所からの 「声」が発せられる。それは個別のカラダに灯る火と言えるのではないか。そしてそのエネルギーは、エントロピー増大の法則、ではない方向にあるはずだ、、と。

( この話は、生物学者,福岡伸一氏の生命についての話を思い出させる。生命の仕組みを、坂道にある車輪に例えていて、車輪はエントロピー増大へと向かう下り坂を、自らの細胞を前もって死滅させて新たな細胞を作るという、死滅と再生 (分解と合成) のサイクルを取り入れる事によって、下り坂を転がり落ちずにいる、、それが生命。という様なお話をされていた。

以下に福岡伸一氏の言葉の抜粋。

﴾ 「エントロピー増大則」が襲ってくる前に、先回りして自分で細胞をどんどん壊す。壊し続けることで、結果的に常に新しい細胞が生まれる状況を維持しているんです。﴿ 以上。

…そこには物凄いエネルギーが発せられているはずで。エントロピー増大法則の滝を登っていく生命の炎のようじゃないか…!?

植物の踊りには段階がある。大地からのエネルギーがカラダに充満する段階。充満したエネルギーが成長する段階。全てを放出する開花、そしてクライマックスの崩壊。

“充満” 大地からのエネルギーがカラダ中に充満する。火が巡る。

“成長” 腰の深い所を基点として、大地にも天にもエネルギーが拮抗して流れる。大地に根ざしながら天へ伸びてゆく。

そして“開花”。開花はエネルギーが全て、余すところなく天へと向かう。腰の深い所からの声が、カラダの内側を突き破りながら開花していく。柔らかく上方へと開いていく。そして全てを放出する。成長段階とはずいぶん雰囲気が変わる。エネルギーが拮抗せず、全てが捧げられていくから。
腰の使い方も全然違う。

その思いは “供儀” そのもの。自分自身より大きなものへの憧れ、捧げたいという思い。誰とも交換できない、このカラダの “火”。声にならない声。個別の生命の炎。

全て放出したら……崩壊しかない。

今まで統合されていた、ある種の秩序がなくなり、崩壊していく。立つ力も記憶も思いも崩壊し、さらされていく。虫に喰われ、風にさらされ、このカラダが微塵に散らばっていくような……。
(宮沢賢治的 by Yurabe)

未熟ながらも、植物の動きを踊っていて思う。
…あぁ、この崩壊の為の開花だよな…と。そして気持ち良く崩壊するためには、余すところなく放出すること。。

崩壊へと辿る過程。
充満、成長、開花。それぞれを本当に踊れたなら、崩壊も本当に素晴らしいものになるはずだ。

その為に、腰、股関節、胴体の使い方を知り、呼吸とあわせ、思いと寄り添い、その全てと対話しながら深めていく。

それにしても。それぞれの踊りの違いがかなりの明確さで凄いなと思うんですけど、、まだまだ探求途中らしい。

植物の踊りは、更に 「受粉体への予感」に繋がっている。…こんなロマンがあるだろうか…?!

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