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苦しかったときの話をしようか 森岡 毅



○私なりの結論

好きなことを強みとして活かし、キャリアのためにひたすら職能(スキル)を磨け!


○会社と結婚するな、職能と結婚せよ

会社に依存するのではなく、自分自身の職能(スキル)に依存するキャリアの作り方をするべきである。

会社はあなたの意図とは無関係の利害で存在し、会社にとって都合のいい時に放り出されたり、会社そのものが消滅したりすることがある。

会社がどうなっても、自由に生きていける前提を考える必要がある。

だからこそ、スキル(職能)が相対的に最も維持可能な個人資産となり、キャリアアップには欠かせないものである。

○そもそも人間は平等ではない

世界の真実は、「人間は、みんな違って極めて不平等」である。

一人一人が違うから、一人一人が面白いし、一人一人に価値がある。

最も大切なのは、自分の特徴をより早く明瞭に認識することである。

それができれば、その特徴が活きる道を探して歩くだけでこの世界でユニークな価値を生み出すことが出来る。

君がコントロールできるのは、
①己の特徴の理解
②それを磨く努力
③環境の選択     のみである。


○資本主義の本質とは


資本主義の本質は人間の「欲」である。

資本主義は、人間の「欲」をエネルギー源にして、人々を競争させることで社会を発展させる構造を持つ。

資本主義社会においては、大きく分けて2種類の人間しかいない。

自分の24時間を使って稼ぐ人(サラリーマン)と、他人の24時間を使って稼ぐ人(資本家)である。

資本主義社会とは、サラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造のことである。


○会社の将来性を見極めるコツ


本当に安定したいのであれば、今の大企業に入るのではなく、将来の大企業に入らねばならない。

企業分析をする上で真っ先に考えるべき1つ目の軸は、

・「需要」の変化

その会社の主な売上を支えている史上の需要が、どれだけ将来にわたって安定してあり続けるのか?

人口動態の変遷による需要の変化を追うだけでなく、その会社が今稼いでいる基幹技術に対する代替技術の出現可能性を視野に入れる。

原則として、市場の需要は、大きな目で見ると必ず消費者のプレファレンス(相対的な好意度)=より便利で快適なものに従う。

・持続可能な「構造」の有無を診る

その需要から持続的にシェアを取り続けるための「構造」を診る。

この構造とは、一過性のものではなく、その会社の現在の業績を支えている競争力の源泉(強み)を見極め、その競争力が持続可能かどうかを判断する。いわゆるシェア率でもある。

構造として代表的なものの1つは、特許権、商標権、著作権などの知的財産である。

例えば、コカ・コーラのような企業は、人間の喉が渇く限り、世界の人口が増え続ける限り需要は先太く、安定性という観点で長期的な就職先として最適解である。

ただ、自分の目的に合致するかどうかが最重要なのであって、目的に合わない就職や転職ならば、どれだけ業績が良い企業に入っても意味がない。


○自分の強みをどう知るか


・強みは必ず好きなことの中にある

強みとは、"特徴"とそれを活かす"文脈"がセットで初めて発揮される。

強みとなる特徴を探す時に、あなたにとって好きな「〜すること」という動詞を沢山探してみる。たくさん書き出してその中から強みとなるものを見つけていく。

書き出したものから下記のT,C,Lの人別で分けていき、自分がどの人である傾向があるかを探していく。

○ビジネスマンの基礎能力

T(Thinking)の人、C(Communication)の人、L(Leadership)の人

・Tの人とは

いわゆる考えることが好き、問題を解くのが好き、戦略ゲームが好きなど、頭を使うことが好きなタイプである。

このような人は、考える力や戦略性が強みになる。また、読書や戦略系ゲーム(将棋やチェス)のような知的好奇心が満たされるものが趣味になっている。

暇になると無意識に課題を設定して頭を使って遊んでおり、行動するよりも先に考えることが習慣化しており、心配性な人が多い傾向にある。


・Cの人とは

いわゆる人と会うのが好き、話すことが好き、パーティーや飲み会に参加するのが好きなど、人との人脈作りが好きなタイプである。

このような人は、伝える力や人と繋がる力が強みになる。また、SNSやLINE、Instagramを盛んにやる人が多い。

コミュニケーション能力と社交性が高いのが特徴であり、人との繋がりと、その繋がりを広く太くもてている自分自身に価値を置いている。


・Lの人とは

いわゆる何かを達成することが好き、自分で決めることが好き、責任ある役割を担うことが好きなど、リーダーシップがあるタイプである。

このような人は、変化を起こす力や人を動かす力が強みになる。また、達成感を味わうことが生きがいなので、趣味もその思考を反映したもの(トライアスロンやマラソン)が多い。

とにかく挑戦すること、達成することが大好きであり、目的意識が強く、そのために少々の困難にはへこたれずに、その達成のために周囲を巻き込んで邁進する。


○自分をマーケティングせよ!


・面接で緊張しなくなる魔法

大前提として、「伝え方(HOW)よりも中身(WHAT:何を伝えるか)」こそが遥かに重要な意味を持つ。WHATさえしっかりしていれば、それをただ自分の言葉で一生懸命に伝えるだけで良い。

土壇場や人生において「伝え方が9割」ではなく、「内容が10割」である。

つまり、自分という人間の価値をより良く理解してもらうための中身の準備こそフォーカスして取り組むべき議題である。

その中身の準備とは、自分自身のブランドである
「My Brand」を予め設計しておく。


・My Brandの設計

ただ闇雲に設計しても上手くいかない。ブランドの設計は目的次第だが、面接官や評価されたい相手に対して自分が選ばれるように設計する必要がある。

つまり、相手の頭の中にある自分自身への相対的な好意度(プレファレンス)を上げるための戦略を明確にするということである。

・My Brandの設計図


○苦しい経験から学んだ2つのこと

①Congruency(信念と行動の一致)の大切さ

やりたくもない後ろ向きな仕事には、自分の存在価値を見出すことが出来ず、パワーダウンが甚だしくなる。

無力なサラリーマンである以上は避けられない結論でもある。だから、無力ではなくやめられたら本当に困る「人財」として組織に認識されることが大事。


②結果を出さないと誰も守れない

リーダーとして、誰に嫌われようが、鬼と呼ばれようが何としても集団に結果を出させる。

自分の周囲のレベルを引き上げて、成功する確率をあげることに、達成すべきラインを踏み越えることに、一切の妥協を許さない、そういう厳しい人にならなければならない。


○不安と向き合うには?


戦略あるキャリアを会社を変えたりすることでアップデートしていくことはとても不安に感じるだろう。

だか、結論からいえば、自分がこれから成長する限りその不安はずっと無くならない。

むしろ不安と同居し、燃料にすることでどんどん強くなっていく。不安なのは、自分が挑戦している証拠である。

最も大切なのは、目的の方向に向かって絶えず成長し続けることである。


○行動を変えたい時のコツ

まずは、変わろうと覚悟した時の意識変化と、実際の行動変化までにタイムラグがあることを理解する。

たいていはこのタイムラグに耐えられなくなり、行動を変えることが出来ない。

だから、最初からすぐに変われないことを覚悟して、時間がかかることを織り込んで、変わる努力を継続することが大事である。


○最後に

この本は、将来のキャリアに悩んでいる人、自分のやりたいことが見つからない人にはぜひ読んでいただきたいと思う。

働くことの本質を見たような気がする。

自分の強みを見つけ、それを徹底的に磨いていく。それこそが自分のキャリアを向上させていく道であり、人生を豊かにすることに繋がる。

自分という人間をポジティブに捉え、挑戦することを厭わないような人間でありたいと感じた。

最後に、この本で深く刺さった言葉を伝えて終わりにしたい。

失敗しない人生そのものが、最悪の大失敗ではないのか!?

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