![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/108034383/rectangle_large_type_2_2784d62a344d639e5aceed05ce6a8c23.png?width=1200)
#11 「A Hard Day's Night」 - もはや新人ではない【The Beatles Album Review】
今回のアルバムレビューはビートルズの3枚目のオリジナルアルバム「A Hard Day's Night」です。
基本情報
オリジナルリリース 1964/7/10 (UK)
A Hard Day's Night
I Should Have Known Better
If I Fell
I'm Happy Just to Dance with You
And I Love Her
Tell Me Why
Can't Buy Me Love
Any Time at All
I'll Cry Instead
Things We Said Today
When I Get Home
You Can't Do That
I'll Be Back
Total Time 30:10
レコーディング機材もいいのが使えるようになったので、
「泣き別れステレオ」は解消されました。
ちなみに日本版の旧アルバムタイトルは
「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」 でした。
全然違いますね。
レビュー
☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8/10)
ビートルズの初主演映画のサントラでもあり、
全曲完全オリジナルのみで構成された初のアルバム。
カバー曲に頼らず自分たちの曲だけでアルバム制作を行い、
更に映画にまで出ちゃう。
「売れっ子アイドル」から「スーパースター」への変貌が感じられるアルバムです。
楽曲解説
以下、アルバム内で特に好きな曲について一言ずつ。
A Hard Day's Night
リンゴが「今日キツかったわ〜(It's been a hard day)」と言った後で
もう夜になっていたことに気づき「...'s night」と付け足したのを
ジョンとポールが面白がってこのタイトルになったそうな。
最初に「ジャーン」て鳴るギターは専門家によって解釈が色々らしい
「謎」のコードという話です。
And I Love Her
ポールによるアンプラグドな曲。
「光り輝く星のように」なんて詩的な表現が出てきたりして
初期ビートルズの中ではとりわけ美しい曲だと思います。
Can't Buy Me Love
セブンスコードで進行する王道ブルースな曲。
アメリカBillboard Hot 100ではこの曲を含めて
1位から5位までをビートルズのシングルが独占するという偉業を成し遂げました。
![](https://assets.st-note.com/img/1686553843188-ZEVKrbqP1S.jpg?width=1200)
I'll Cry Instead
「ぼくが泣く」という邦題が付いています。
メロディだけを聴いていると軽快な感じなのですが、
「フラれた腹いせにひどいことしてやりたいけど、
そうもいかないから俺はただ泣くしかない」
というみじめな心の内を歌った結構重い歌です。
Things We Said Today
ポールが「ジョンみたいな曲」を作ろうとしたらこうなるのかな。
「こうやって君と話したことを後でしみじみ思い出すんだろうなぁ」と
マイナーコード主体で淡々と進んでいく、
自らの恋愛をどこか客観視しているような曲です。
I'll Be Back
そのジョンは自らの詩世界でもう一段階先まで進んでました。
「嫌がらせするんだったら出てくよ。まー戻ってきちゃうんだろうけどね」
というフラフラした気持ちを表現している曲。
それを裏付けるようにAメジャーとAマイナーが両方出てきて、
曖昧な感じが表現されています。
まとめ
リリース順に聴いてみると、
ビートルズが着実に進化しているのが分かって非常に興味深い。
デビューからまだ1年半ほどでここまで登りつめたんだなぁ。
それでは、かしまさでしたー。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?