マガジンのカバー画像

スタートアップファイナンス

272
スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
運営しているクリエイター

#投資家

CFO Tech

前回書いたスタートアップCFOのネクストキャリアがなかなか好評頂いたので今回もCFO関連で。 前職でCFOをしていた頃「こんなプロダクトがあったらいいのに」と思うことが色々ありましたが、ここ1-2年、そんな「あったらいいながある!」を目にする機会が増えてきています。ここでは「CFO Tech」というテーマでいくつかピックアップしてみました。 (現職でも引き続き投資家として様々なスタートアップとは向き合っているものの、CFO職務自体は離れて数年たちますので感覚が古かったらご容

上場審査への道のり。「人」がつくる株式市場の裏側(後編)

こんにちは、ひふみラボ編集部です。 レオス・キャピタルワークス株式会社が東京証券取引所グロース市場に上場して約半年が経ちました。上場後に株主になってくださった方も多いと思います。 このシリーズを通して、これまで私たちを支えてくださった多くのお客様に加え、新たに株主になってくださった方に感謝の気持ちをお伝えするとともに、これから株主になろうと考えている皆様にも「なぜレオスは上場したの?」「上場するってどういうことなの?」ということを知ってほしい。そして株式市場の魅力や面白さを

上場審査への道のり。「人」がつくる株式市場の裏側(前編)

こんにちは、ひふみラボ編集部です。 レオス・キャピタルワークス株式会社が東京証券取引所グロース市場に上場して約半年が経ちました。上場後に株主になってくださった方も多いと思います。 投資信託ひふみシリーズを通して、これまで私たちを支えてくださった多くのお客様に加え、新たに株主になってくださった方に感謝の気持ちをお伝えするとともに、これから株主になろうと考えている皆様にも「なぜレオスは上場したの?」「上場するってどういうことなの?」ということを知ってほしい。そして株式市場の魅力

臆病なIPO市場の夜明けはいつか?

2022年初から資本市場が急速に低迷し、ロシア・ウクライナ事情以降は急速なリスクオフモードに突入している。その後の利上げなど金融政策を含めた不透明感も相まって、日経平均だけ見ていると、株式市場は好調じゃないかと思いたくなるが、その実、最もリスクが高いとされるIPO市場、しかもテックセクターのIPO市場はいまだに臆病なままなのです。 2022年初に投稿した株式市場の調整、およびその後のスタートアップへの影響については、手前味噌ながらかなり適切なガイドラインだったかのように思う

【資金調達】初めてのエクイティファイナンスのためにしたこと

少し前に、当社初のエクイティファイナンスを実施しました。 お時間をいただいた投資家さん、そして投資家さんをご紹介いただいた方に御礼を申し上げます。 リリースを配信したPR TIMESでも旬速トレンド3位に掲載され、多くの方に認知いただくこともできました! 私自身、CVCとしての出資経験はあるのですが、出資いただく側としては初体験で体当たりなことも多く、「あぁしておけばなぁ」ということもありました。この経験が少しでも皆様の役に立てばと思い、 ・どういうスケジュール感で、

上場企業になるとは、どういうことなのか?レオス・キャピタルワークスの創業者3人が考える未来(後編)

こんにちは、ひふみラボ編集部です。 2023年4月25日、私たちのレオス・キャピタルワークス株式会社は東京証券取引所グロース市場へ上場しました。 前回に引き続き、創業メンバーである代表取締役会長兼社長・藤野 英人、代表取締役副社長・湯浅 光裕、営業本部長・五十嵐 毅に、上場について聞いてみました。 この連載を通して私たちが上場する理由や、「そもそも上場って何?」ということを知っていただけると嬉しいです。 レオスが上場する理由――なぜレオスは上場するのでしょうか? 藤野

4月25日、グロース市場に上場。レオス・キャピタルワークスの創業者3人が考える未来

こんにちは、ひふみラボ編集部です。 本日(2023年4月25日)、私たちレオス・キャピタルワークス株式会社は東京証券取引所グロース市場に上場しました。 証券コードは7330 「波去れ!」と覚えてください。 『資本市場を通じて社会に貢献します』という経営理念を掲げ創業してちょうど20年。私たちの会社は、資産運用業界のプロたちが集まり立ち上げた会社です。 日本全国120万人以上のお客様につみたて中心で投資していただいている投資信託ひふみシリーズをはじめ、国内外のお客様からお

「出資お断り=事業・会社がイケてない」ではないことを知って起業家が「心折れない」ようにするための、10の投資家事情

スタートアップとしてエクイティファイナンス(株式による資金調達)をするのなら、投資家に断られたことが無いという人は皆無だと思う。 スタートアップのCEO、CFOも、傷つきやすい心を持った普通の人間なのでお断りが連続したりすると「ダメだっ。もう、ぜっったい資金調達できない…orz」と思うのも無理はないし、場合によっては「この事業が良くないのかも…」「ピボットしたほうがいいのかも…」さらに追いつめられて「従業員を減らすしかない!」「倒産して自己破産するしかない!」「あの断った投資

資本市場の人間が、資金調達をする側に来て思うこと

はじめまして! 株式会社ユニラボのCFOの西野です。 当社では、シリーズCのファイナンスについて、3月15日にプレスリリースを出しました。 ファースト・クローズの調達額は、エクイティで13億円、デットで12.8億円(うち7.8億円が長期)の合計25.8億円となりました。ご参加頂いた投資家様、金融機関様にはこの場を借りて、御礼申し上げます。 今回の資金調達では、苦労することもたくさんありました。そのあたりはCEOの栗山のnote(https://note.com/nori

シリーズB資金調達の裏側: テックタッチはスタートアップ冬の時代になぜ20億円強を調達できたのか?(後編:銀行借入ver)

皆様、こんにちは! テックタッチ株式会社のCFOの中出 昌哉(なかで まさや)です。(@masaya_nakade)(入社エントリーはこちら) テックタッチは、2023年1月11日にシリーズBのファイナンスとして、17.8億円の資金調達を発表しました。 また、その際に書いた記事がこちらなのですが、自分の想定の10倍以上読まれており、非常に嬉しく思っております。また、記事を読んだ後にコンタクト頂いた方も多く、様々な方とお話する機会が増えたことも個人的には嬉しかったです。その際

シリーズB資金調達の裏側: テックタッチはスタートアップ冬の時代になぜ20億円強を調達できたのか?

皆様、こんにちは! テックタッチ株式会社のCFOの中出 昌哉(なかで まさや)です。(@masaya_nakade)(入社エントリーはこちら) テックタッチは、2023年1月11日にシリーズBのファイナンスとして、17.8億円の資金調達を発表しました。その後デットでの調達も合わせると、20億円強の資金調達になります。 スタートアップ冬の時代と呼ばれて久しい中で、しっかりしたバリュエーション・資金調達金額だった事もあり、色々な人から少し話を聞かせてほしいと言われる事も多く、大

スタートアップ投資契約条件の日米比較:優先株式の参加型・非参加型

こんにちは、一般社団法人スタートアップ協会代表理事/株式会社スマートラウンド代表の砂川です。 先日、株式会社スマートラウンドの代表として、以下のようなプレスリリースを出したところ、関連Tweetが14万インプレッションに達するという大反響をいただきました。みなさんリツイートやいいねをありがとうございました。 このテーマに、皆さんとてもご興味をお持ちなんだな、意外に知られていないんだな、ということを再確認させていただいたので、急遽、今度は一般社団法人スタートアップ協会(以下「

スタートアップ資金調達概論

はじめに 2022年に入り、スタートアップを取り巻く環境は昨年と比べて激変しており、資金調達含む資本政策にも影響を与えています。 このような環境下、CFOを務めるメディフォンでそこそこの規模感の資金調達活動を行いましたが、その中で感じたことや実務経験を踏まえ、資金調達のステップやポイントにつき、できるだけ分かりやすく説明していこうと思います。 資金調達には様々な流派があると思いますが、少なくとも私はここで記載しているやり方をベースに、これまで何度か資金調達を成功させてい

¥500

上場まで毎年利用を公言、満額調達成功のGumroadが株式投資型クラウドファンディングに見る可能性ー持続可能な成長戦略

いつもイークラウドのnoteをご覧いただきありがとうございます。 今回は、株式投資型クラウドファンディング(以下、株式型CF)プラットフォームを活用した海外事例から、アメリカのスタートアップGumroad社のケースについて調べました。 ※記事の中では、1米ドル=109円で換算しています。同社が株式型CFでの資金調達を完了した2021年4月時点のレートです。 株式型CFは、非上場のベンチャー企業がインターネットを通じ、複数の個人投資家から資金調達を行える仕組みです。 日