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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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#経営

エンタメスタートアップ、累計7.4億円の資金調達の裏側と乗り越えられた理由

Pictoriaの調達力はなぜ?「謎の会社」の真相はいかに! 「Pictoriaって、なんでこんなに資金調達できるの?」「謎の調達力…」 最近は弊社の露出も増え、新しく会う方がウチを知ってくださっていることが増えてきて、同じくらいこういったことを言われる機会も増えてきました。 ありがたいことに、B Dash Ventures、XTech Ventures、Skyland Ventures、Sony Innovation Fund、Z Venture Capitalといった名

【解説】10月スタート!新しいIPOプロセスが与えるスタートアップへのインパクト

来月(2023年10月)からIPOプロセスが新しくなることをご存じでしょうか。かなりテクニカルだし、正直あまり注目されていないと思いますので、知らない方も多いかもしれません。しかし、大きく日本のIPO、そして日本のスタートアップ・エコシステムをアップデートするキッカケになる可能性を秘めています。今日は、そんな「新しいIPOプロセス」について解説してみたいと思います。 事前に言っておくと、今回18,000文字を超える大作になっています。ただ、難しい話をできる限り簡単に書いたつ

ラクスル新社長の報酬から見る取締役報酬の現在地

本日2023年9月12日にCEO向けの大型報酬パッケージが公表された。といって、カルロスゴーンでも日産でも、孫さん・ニケシュやソフトバンクでも、イーロンマスクでもない。ポストIPOスタートアップの1社であるラクスル社である。全て条件が達成された時点での時価で10年総額"300億円”という金額だ。もちろんこれは今単年度報酬で支払われる額ではなく、あくまでも目標を達成した暁に初めて得られる報酬額の総額に過ぎません。 それでも、この金額はこれまでの日本株式会社の報酬水準からすると

数字でドライブする経営(後編)

皆様、こんにちは! テックタッチ株式会社のCFOの中出 昌哉(なかで・まさや)です。(@masaya_nakade) 最近、色々な経営者の方と数字を経営にどう活かしているかという意見交換をしたり、テックタッチ社内での経営の舵取りの際も、数字を使った経営判断をすることが多くなってきているので、「数字でドライブする経営」についてのナレッジシェアを目的に、noteを書いてます。 前回、「数字でドライブする経営(前編)」の続編という形になります。なお、前回のnoteはこちらです。

数字でドライブする経営(前編)

皆様、こんにちは! テックタッチ株式会社のCFOの中出 昌哉(なかで・まさや)です。(@masaya_nakade) 最近、色々な経営者の方と数字を経営にどう活かしているかという意見交換をしたり、テックタッチ社内での経営の舵取りの際も、数字を使った経営判断をすることが多くなってきているので、「数字でドライブする経営」についてのナレッジシェアを目的に、今回noteを書くことにしました。 日本だと、資金調達の人となりがちなCFOですが、海外では、経営を数値で可視化・経営戦略を

創業者のいなくなったスタートアップが、なぜ17.8億円を資金調達できたのか?

先日、うちの会社が総額17.8億円の資金調達を発表しました。 BLUEPRINTは、僕を含めた3人の創業メンバーで立ち上げた会社です。ですが、実は僕たちはすでに経営を退いていて、会社は新しい社長に任せています。 つまり、創業者が不在のスタートアップなのにも関わらず、大手のVCさんや事業会社さんが総額17.8億円ものお金を出してくれているんです。 ……これだけ聞くと「どういう状況?」となりますよね。笑 この記事では、その裏話となるBLUEPRINTのビジネスモデルや資金

シリーズA調達の出会いと別れの裏話

こんにちは。イベントマーケティングプラットフォームEventHubの代表山本です。(自己紹介がてら:こんな人です↓) 本日プレスリリースを出させていただきましたが、EventHubはシリーズAでJAFCOとユーザベースから6.5億円の資金調達を実施し、累計調達額は10億円を突破しました。 事業としての大きな節目でもあるため、シリーズAに至った裏話を話しつつ、たくさんの関係者様や社員にどう助けてもらって、本日に至ったのか、を是非お話させてください。 2年半ぶりの株式調達前

不況下での財務的な経営の舵取りについて

2021年年末・2022年初からの大きな株式市況やマクロ環境の変化に伴い、多くの企業、特にスタートアップやハイグロース企業においては、その経営戦略の変更を余儀なくされているところも少なくないと思います。 (いわゆるスタートアップ企業である)弊社10Xにおいては、元来より長期目線で着実に会社や事業の基盤を作っていく経営スタイルを取っていたので、大きく慌てることはありませんでした。とはいえ、大きな環境変化に対して、適切に対応していくために特に財務的な観点での経営上の力点の置き方

【CEO・CFO向け】新任CFOに何を求めるべきか整理してみた

こんにちは、ログラスの布川です。 今日のテーマは、新任CFOとはどうあるべきなのか?について、BCGが今年6月にまとめた素晴らしいドキュメントを見つけたので、読了した上での感想戦みたいなものをまとめていきたいと思います。 出典:未来に向けたトランジション――新任CFOが描くビジョンとロードマップ(BCG) 対象読者 これからCFOを受け入れようと考えている経営者 投資家、金融機関の方 経営企画部、財務部に所属されている方 これからCFOを目指す方 CFOとはプラ

オープンロジの資金調達が凄い7つの理由

TAKA(@Murakami_Japan)です。今日、株主であり資本業務提携をしているオープンロジが資金調達を発表しました。総額17.5億円、累計調達額27.5億円!! 金額も大きいのですが、それだけだとここ数年のスタートアップファイナンスの大型化のトレンドからすると然程ニュース性はないかもしません。それでも今回オープンロジの資金調達は(手前味噌ですが)結構凄いと思います。特筆すべき7点をご紹介したいと思います。スタートアップ経営者を中心にエコシステムに関わる方の参考例とな

ライフネット生命の"Re-IPO":海外募集による新株発行及び株式売出

TAKA(@Murakami_Japan)です。 ライフネット生命といえば、2006年、金融危機前の好景気の中で創業され、金融危機と東日本大震災などを潜り抜け5年半足らずで上場した、昨今マザーズへ上場した企業からすると、マザーズ上場企業の老舗企業です。会社名こそ、B2C企業でありテレビCMもされており、一定の認知を獲得していることからもよく知られた存在かもしれませんが、上場後から今日に至るまでのストーリーは一般にはあまり知られていません。 この度、2012年の上場以降、最