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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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2023年8月の記事一覧

新規上場でnote広報がやったこと〜IPO冬の時代

会社の株式公開、新規上場(IPO)のタイミングで広報は一体なにをやっているのか。 会社の体制、それまで築き上げてきたもの、会社のスタイル、広報PRへの期待、どの要素が変わるだけでもまったく違うものになります。 わたしの所属するnote株式会社が上場したのは、2022年12月21日。 それまでのバブルとも言えるようなスタートアップ投資熱が急速に冷えきった頃でした。上場準備自体はその前から長く進めていて、IPOに関わるメンバーが定期的に集まり、広報活動の戦略も立てかけていま

数字でドライブする経営(後編)

皆様、こんにちは! テックタッチ株式会社のCFOの中出 昌哉(なかで・まさや)です。(@masaya_nakade) 最近、色々な経営者の方と数字を経営にどう活かしているかという意見交換をしたり、テックタッチ社内での経営の舵取りの際も、数字を使った経営判断をすることが多くなってきているので、「数字でドライブする経営」についてのナレッジシェアを目的に、noteを書いてます。 前回、「数字でドライブする経営(前編)」の続編という形になります。なお、前回のnoteはこちらです。

IPOプロセスは「αマネジメント」の体制構築期間

こんにちは。CFOのnickです。 フーディソンは2022年12月に東京証券取引所グロース市場に上場しました。主幹事との契約を締結したのが2018年夏でしたので、実に4年以上もIPOの準備をしていました。その間さまざまな方々からのご支援をいただき、個人的にも非常に多くのことを学ぶ機会となりました。今回はその過程で考えたことをまとめてみました。 なぜIPOをするのか?上記の図は経済産業省が公開している「スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス」からの抜粋です

ハイグロース企業のインセンティブストラクチャーに関する考察

昨今、スタートアップ界隈でSOなどの株式報酬に関する話題が盛り上がっています。今後、(北米などと同様に)日本でもスタートアップやハイグロースな企業に多くの優秀な人材が流れ、それが日本経済成長の牽引装置となっていくためにも、より「魅力的な株式型報酬の必要性」に焦点が当たっていることは歓迎すべきことと思います。 また(未上場のスタートアップだけでなく、)コーポレートガバナンス改革の流れも汲み、上場企業においても、経営陣の短期思考を是正し、より中長期の企業価値成長にアラインしてい

#26 シードとシリーズAの狭間における資金調達の傾向と対策案

*コチラのメルマガからの転載です。 ANRIでは主にシードラウンド(First round)の投資を行っている。7割ぐらいが初めてのラウンドでの投資、3割ぐらいが今回の主題のPre-Earlyのタイミングでの投資である。後者のタイミングでも基本的には追加投資を実行することがほとんどである。そのタイミングでいつも、Early-stageのラウンドまで進むのは本当に大変だなと感じている。いわゆるシリーズAクランチという現象である。(どのラウンドも大変であることは間違いないが。)