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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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2021年4月の記事一覧

ビジョナル上場に寄せて

昨日4月22日、Z Venture Capital支援先のビジョナルが東証マザーズに上場しました。終値ベースで2491億円でした。国内のユニコーン上場(1,000億円を超える規模での上場)では18年6月上場のメルカリ以来の規模だったそうです。素晴らしいですね。関係者の皆様、おめでとうございます。 写真撮影会に駆けつけることが出来なかったのが本当に心残りです(涙) さて、興奮冷めやらない内に、ビジョナルから学んだことをメモとして残しておき、今後の起業家の皆さんやベンチャーキ

第6回 IPOにおけるマーケティングプロセスの実務

はじめに こんにちは、初noteです。 株式会社プレイド Financeチームの大薮です。上場後はコーポレートファイナンスに加えて、事業開発やアライアンスの推進をしております。 まずは、上場後のプレイドの成長を見守り、応援していただきありがとうございます。 みなさまからの期待を上回るように頑張って行きたいと思っています。 遅くなったな、お待たせ!!感がありますが、「プレイドの"非常識"なIPOまでの道のり」第6回はIPOにおけるマーケティングプロセスについて経験してきた

freeeの新たな挑戦を支えるIRプラクティス

freeeのファイナンスIRの重光です。 4/9に原が「freeeが海外公募増資に至るまでの思考過程」を、4/16に内田が「海外公募増資の主要タスクと投資家マーケティング」と、海外公募増資についてnoteに投稿しました。 IPO後初めての公募増資ということもあり、手探りで進めたものの、最終的に多くの機関投資家にディールに参加していただきました。なぜ公募増資をうまく進めることができたのか、振り返ると、機関投資家とのロードショーで『freeeのエクイティストーリーを十分に理解し

第10回 「SaaS KPIと開示について」

初めまして!プレイドfinanceチームの新井と申します! 上場直前にジョインし、主にAccountingとFinancial Planning & Analytics(FP&A)を中心に担当しております。 第10回は「SaaS KPIと開示について」というテーマでお送りさせて頂きます。ある種語り尽くされたテーマでもあり、スタートアップ新参者としては語るに恐縮な内容ではありますが、プレイドがSaaS企業として日頃大事に考えていることを日々数字と向き合うFP&A担当の立場から、

海外公募増資の主要タスクと投資家マーケティング

freeeのファイナンスIRの内田です。 前回の原のnoteでは「なぜ144A且つ目論見書有りの海外公募増資に至ったか」という「思考過程を再現した内容」でした。 今回は、より実務的な話を纏めていきたいと思います。 私は、2017年9月にfreeeに入社し、入社以降はファイナンス関連の仕事をしています。 今回の海外公募は、シリーズE(2018年8月)、IPO(2019年12月)に続く3回目の資金調達となります。 過去の資金調達、IPO共に、案件の進行中は本当に忙しく、辛い

第9回 上場直後に何が起こる? IRについて / プレイドIPOの軌跡

はじめにこんにちは、2回目のnoteです。 株式会社プレイドFinanceチームの向江と申します。 前回はIPOプロセスにおける計画策定と予実について書かせていただきました。発信することで自分の思考も整理され、あらためてよい機会になったなと思っています。ありがとうございます。 さて、入社直後からIPO準備に明け暮れ、長きに渡るプロジェクトを終えて、向江が燃え尽き症候群になるのではないか、と少なからず心配してくれていた人たちがいたことも感じる中で、IPO直後からこんなにやる

第8回 オファリングの設計と実務

はじめにはじめまして。Legalチームの村井です。 プレイドには2019年7月に入社しました。IPOプロセスとの関係では、ちょうど1回目のIPOプロセスが嵐のように過ぎ去った後くらいになります。 前職では法律事務所で弁護士として働いていましたが、プレイドにはビジネスメンバーとして入社しました。前職の経験から、Legalとして役に立つためには、まずは会社の事業を理解することが重要だと思っていたからです。 LegalとしてIPOの案件に関与するようになったのは入社から少し後になり