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2020年の振り返りと2021年の展望

今年もあと数時間で幕を閉じることになりました。何といっても今年は公私ともにコロナ禍に振り回された一年でしたね。幸いにも家族や職場でコロナにかかった人はおらず、業績も微減に食いとどめることができたので、何とかしのいだ一年といったところでしょうか。しかし来年もしばらくは状況が変わらないので我慢の年になりそうですね。それでは2020年を月ごとに振り返ってみたいと思います。

2020年1月

1月は何といっても「第2回特許の鉄人〜クレーム作成タイムバトル〜」を渋谷の東京カルチャーカルチャーで開催したのが大きかったですね。リアルで会場が満員になるのは今からみれば遠い昔のように思えますがまだ今年の出来事なんですね。昨年に開催した第1回の課題を今回は改善できたので、運営側としては満足度の高いイベントになったと思いますがいかがでしたでしょうか。イベントの詳細はちざたまごさんにnoteにまとめていただきました。非常に臨場感あふれるレポートになっているのでイベントに参加されなかった方は是非ご覧ください。

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東京カルチャーカルチャー公式サイト
ちざたまごさんによる現地レポート
運営メンバーのドクガクさんによる振り返り
私の企画者総括

2020年2月

特許業務法人IPX(以下、IPX)の奥村先生主催の知財業界オフ会「韓国料理を食べる会」に参加しました。20名以上の方が集まり、色々な方と交流を持つことができたので主催者の奥村先生には感謝感謝です。今までSNSでしか面識のなかった下出さん、酒井美里さん、五味さん、河村聡美さんをはじめ、多くの方とリアルでお会いできたのが良かったです。この後にコロナ禍の影響が世間に大きく広まるので、リアルで多くの方に会った最後の機会になってしまいましたね。

2020年3月

IPXの押谷先生と2人でまる一日の意匠法改正セミナーを行う予定でした。開催日まではセミナー会社の担当者からは「何があっても絶対に開催します」と言われていましたが、開催数日前に連絡があって無期限延期に。2人合わせて300枚以上のスライドを用意していたのに実質中止となってその時は落ち込んだのですが、これが知財実務オンラインにつながったのですから世の中どう物事が転ぶか分からないですね。

2020年4月

コロナ禍が広まり緊急事態宣言が出されたということでテレワークに。週に1日は郵便物の処理や特許庁に紙ベースで提出する資料の準備ということで車で事務所まで通っていましたが、週に4日は自宅で勤務を行うことになりました。最初はなかなか慣れなかったですが、今はその生活が当たり前になりましたね。3月に無期限延期になったセミナーですが、せっかくコンテンツを用意したので4月末から週に1回の割合でYouTubeで押谷さんと改正意匠法のオンラインセミナーをはじめました。

意匠権の実践的活用方法および改正意匠法の解説

2020年5月

緊急事態宣言が延長になり、5月も4月から引き続きテレワークに。毎週木曜日の改正意匠法のオンラインセミナーの準備が大変だった記憶があります。しかしクローズで行ったにもかかわらず毎週20名〜30名の方にご視聴いただき、YouTubeのオンラインセミナーを終わらせるのももったいないということで6月から引き続きテレワークの方向けのセミナーをできないかと考えたのが知財実務オンラインでした。

2020年6月

そういうわけで6月から毎週木曜日の夜に知財実務オンラインを開催することに。急遽はじめた企画にもかかわらず、中村先生、大樹七海さん、酒井さん、内田先生と錚々たる業界の第一人者をゲストに呼ぶことができたのは僥倖でした。

知財実務オンライン6月プログラム
第1回 Markstone知的財産事務所 代表弁理士 中村 祥二
「商標法から見た画像、建築物、内装の保護」

第2回 科学・知財コンテンツクリエイター 大樹 七海
「弁理士におまかせあれ 特許・商標・意匠早道解決」

第3回 スマートワークス株式会社 代表サーチャー 酒井 美里
「ここで差がつく!以外と知らない調査の基本」

第4回 iCraft法律事務所 代表弁護士 内田 誠
「デザインの保護に関する裁判例の分析」

2020年7月

7月は知財実務オンラインで何と特許庁のスタートアップ支援の方を呼ぶことができました(アーカイブ動画は非公開)。また、7月末に行った第1回ライブライトニングトークは7名の方にご参加いただき、皆様5分と短いながらも濃密な発表内容で大いに盛り上がりました。
パテントサロンの知財系ライトニングトークにも押谷さんと一緒に知財実務オンラインのご紹介というプログラムでエントリーしました。
今年度より大分県の医療・福祉機器委託プロジェクトに知財専門家として参画しておりますが、新規事業創出についてプロジェクトのメンバーとともにイーパテントチャンネルライブ特許分析に出演しました。

知財実務オンライン7月プログラム
第5回 東京知財経営コンサルティング代表 弁理士 林 力一
「経営で重み増す「共創・協創」の知財戦略〜オープン&クローズ戦略による事業創出〜」

第6回 特許庁総務部企画調査課 課長補佐(ベンチャー支援班長) 進士 千尋
「特許庁のスタートアップ支援 知財専門家への期待」(アーカイブ動画なし)
第7回 Winter Brandl et al.特許法律事務所 日本弁理士/欧州特許弁理士 長谷川 寛
「VBAを用いた特許事務所の品質とスピードの両立的向上」

第8回 特許業務法人IPX 代表弁理士COO/CTO 奥村光平
「VBAを用いた特許事務所の品質とスピードの両立的向上」

(番外編)いきなり!ステーキの知財高裁判決の検討から、ビジネスモデル特許の今後の明細書の書き方を考える

2020年8月

7月に引き続き、野崎さんのイーパテントチャンネルに押谷さんと出演し、弁理士の情報発信のあり方についてトークセッションを行いました。ただ、私はあまり「情報発信」にこだわりがあるわけではなく、自分のやりたいことをやっていたらそれが結果的に情報提供につながっていたという側面があるかもしれません。野崎さんには8月末に知財実務オンラインにも出演していただいたので、バーター出演みたいなものですね(笑)

知財実務オンライン8月プログラム
題9回 日比谷パーク法律事務所 弁護士/弁理士 井上 拓
「NDA(秘密保持契約)のすべて」

第10回 クロスリンク特許事務所 代表弁理士 山田 龍也
「「商標」の一歩手前にある「ネーミング」を科学する~知財ビギナーの中小企業を取り込む知財啓発の考え方~」

第11回 中村合同法律事務所 弁護士/弁理士 高石 秀樹
「発明の課題に関する最近の諸問題を裁判例から深掘りする」

第12回 株式会社イーパテント 代表取締役社長 知財情報コンサルタント 野崎 篤志
「IPランドスケープって何ですか?AIツールでどこまで特許調査・分析できるんですか?」

2020年9月

コロナ禍でしばらくの間セミナー講師の仕事がありませんでしたが、テックデザイン様のウェビナーで久しぶりにセミナー講師を務めました。1本3時間×午前午後の2本撮りだったので最後のほうは非常に疲れましたね。オンデマンドでも販売しておりますのでご興味がありましたら是非ご受講ください。
また、芝田美香さんのお誘いにより淡路町知財研究会(淡路町ゼミ)のオンライン版にも初参加しました。コロナ禍が落ち着いたら淡路町ゼミにリアルでも参加したいと思いました。

研究技術者のための発明創出、特許調査、発明提案書の書き方入門
新商品開発における知的財産権の活用と留意点

知財実務オンライン9月プログラム
第13回 三村小松山縣法律事務所 弁護士 澤田 将史
「その「引用」は許される?著作物を「引用」する際の注意点」

第14回 AsiaWise Group Co-Founder of AsiaWise Group 奥 啓徳
「2020年・これだけは押さえておきたい知財情報 インド+東南アジア編
~AsiaWiseが発行するAW Letter全20回の知財パートを徹底解説します!~」

第15回 IP FORWARD グループ 総代表CEO 分部 悠介
「中国における知財権行使の最新実務
〜使える特許権の取り方、勝てる証拠の集め方、中国特有制度の使い方など〜」

第16回 弁理士/米国公認会計士、科学技術ジャーナリスト、東北大学特任准教授 稲穂 健市
「「ロボジョ! 杉本麻衣のパテント・ウォーズ」制作秘話」

2020年10月

夏頃から隙間時間をみて執筆していたIPX押谷さんとの共著「令和元年改正意匠法の解説および新たに保護される意匠の実践的活用テクニックの紹介」が刊行されました。人生初の書籍だったので本屋に並んだのを見たときは感慨深いものがありましたね。SNSや知財実務オンラインで積極的に宣伝したこともあり、売れ行きも好評のようでamazonランキングでも1位を獲得しました。しかしまあamazonランキングは数時間単位で集計しているのが分かったので、世の中の書籍の「amazonランク1位!」という謳い文句が瞬間風速に過ぎないのを身をもって知りましたね。

知財実務オンライン10月プログラム
第17回 よろず知財戦略コンサルティング代表 萬 秀憲
「共同開発・知的財産で会社を元気にする
~共同開発・契約のコツ、特許出願大幅増・質向上のコツ~」

第18回 大野総合法律事務所 パートナー弁理士 森田 裕
「バイオテクノロジー分野において、米国の特許出願の分析から分かったイノベーション保護に有効と考えられた特許戦略の一例」

第19回 Kvaluation 代表弁理士/経営コンサルタント 鈴木 健治
「コロナ時代のデジタルと経営に知財人材はどう貢献できるか
〜接触確認アプリ・経営デザインシート・統合報告・知的資産経営報告〜」

第20回 渡辺総合知的財産事務所 代表弁理士 渡辺 知晴
「あなたの知らないesports(と知財+法律)の世界」

第21回 株式会社知財ランドスケープ CEO 山内 明
「IPランドスケープ実践に役立つ知財情報戦略」

(特別編)知財実務オンライン:「コロナ禍における知財動向、ならびに法改正された 意匠制度を中心とする知財ミックス戦略」

2020年11月

知財実務オンラインでは押谷さんプロデュースにより初の月間テーマを設定してIP Tech月間を銘打ちテクノロジーやAIを活用した次世代型のサービスを提供する方々をお招きしてこれからの知財業界のありかたをディスカッションしました。再生回数は知財戦略系の回に比べるとそれほど伸びていませんでしたが個人的には非常に興味深い話ばかりで勉強になりました。Techを活用したサービスはこれからの時代切っても切り離せなくなりそうですね。

知財実務オンライン11月プログラム
第22回 株式会社 AI Samurai 代表取締役社長 CEO 白坂 一
「弁理士業界におけるリーガルテクノロジーの歴史」

第23回  CEO & Founder at Amplified Samuel Davis
「特許実務家はAIから何を得られるか?~出願のプロセスを例に~」

第24回 株式会社Toreru 代表取締役 宮崎 超史
「商標業務でAIとクラウドを使って、こんなことまでできます」

第25回 cotobox株式会社 代表取締役社長 五味 和泰
「オンライン商標登録サービス開発で見えてきた、withコロナ・DX時代の弁理士業務」

2020年12月

広島の松本文彦先生の事務所を押谷さんと訪問して知財実務オンライン初の3人そろってのライブ配信となりました。オンラインでもセミナー自体の開催は可能ですが、やはり直接集まってのほうが会話もスムーズだしアイコンタクトで細かいニュアンスも伝わるのでやりやすかったですね。なかなか直接集まってというのは難しいですが、時々はこのような形でも開催したいです。知財実務オンラインでは、他にナブテスコの菊地さんや下町ロケットの神谷弁護士のモデルとなった鮫島先生をお招きするなど、これ以上ない豪華ゲストでしたね。
年末には第2回ライブライトニングトークを開催し、自分も含めて9名の方が発表しました。どれも非常に面白い内容で、視聴者のみならず参加者の方も積極的にコメントをいただきとても盛り上がりました。来年の夏頃に第3回もやりたいですね。
私はライトニングトークで「GAFAMの米国登録クレームのドラフティング分析」を発表しました。これはパテントサロン主催の「知財系アドベントカレンダー2020」の22日目のエントリーに連動したものになります。分析には時間がかかりましたが、IT系の米国出願を行う上で参考になるのではないでしょうか。
あとはスナックのざきにも2回めの出演を果たし、なんとあのパテントサロンの大坪さんとご一緒しました。ライブ配信のみなのでアーカイブ動画は残っていませんが、非常に内容の濃い2時間でした。
SNSには全く書いていませんでしたが、実は12月26日に大分朝日放送でテレビ出演も果たしました。

知財実務オンライン12月プログラム
第26回 松本特許事務所 代表弁理士 松本 文彦
「地方弁理士の独立開業の一例のご紹介」

第27回 ナブテスコ株式会社 技術本部 理事 菊地 修
「知財戦略による企業経営・事業運営の革新と、知財部門の組織改革・人財育成への取り組み」

第28回 内田・鮫島法律事務所 パートナー 弁護士・弁理士 鮫島 正洋
「オープンイノベーションの現状と政府が目指すべきもの」

2021年の抱負

2020年は知財実務オンラインが中心の活動でしたが、2021年の抱負は以下のように考えています。

1.実務書を単著で出版する
今年は改正意匠法に関する書籍を押谷さんと出版しましたが、来年は実務書を単独で出版したいと考えています。
ここ1、2ヶ月くらいで種を蒔き始めました。
2.知財実務オンラインを続けられるだけ続ける
そろそろゲスト講師のネタ切れになりつつある知財実務オンラインですが、ゲスト講師のネタが続く限り続けたいですね。押谷さんや私の人脈でゲスト講師を今までお願いしてきましたが、そろそろ厳しいので誰かいい人がいたら紹介してください/立候補大歓迎です。
3.第3回特許の鉄人〜クレーム作成タイムバトル〜開催
これはオンラインでやっても全く面白くないので会場でイベントを開催したいですが、コロナ禍が落ち着いたら何とか開催したいですね。2月頃に関西開催の話も盛り上がっていたので、次回は関西でしょうか?

それでは皆様よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。


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