加島広基/日本橋知的財産総合事務所 代表弁理士

日本橋知的財産総合事務所 代表弁理士/INCULABO(大分)/神戸出身/技術分野:機械・電気・ソフトウェア/毎週木曜日の夜に知財実務オンライン http://bit.ly/2ArGb0C を配信中 事務所ウエブサイト https://www.nihonbashi-ip.jp/

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最近の記事

第3回特許の鉄人の舞台裏

2023年7月18日に開催された第3回特許の鉄人、おかげさまで大盛況となりました。現地観戦、オンライン観戦いただいた皆様、ありがとうございました。運営メンバーの一人として今回のイベントを振り返ってみたいと思います。 選手のマッチングが難しい!知財塾の上池さんからお声がけいただいたのが今年の春頃で本格的に準備が始まったのが4月でした。今回は自分のマンパワー的な問題もあり(暇そうにみえるけど経営弁理士になってそこそこ忙しいんですよ)、運営は知財塾に全面的にお願いすることになりま

    • 第1回、第2回特許の鉄人の振り返りと、第3回特許の鉄人への展望

      2023年7月18日(火)夜、渋谷の東京カルチャーカルチャー(東京カルカル)にて第3回特許の鉄人イベントがリアル会場&オンラインで開催されることになりました。 「特許の鉄人」とは、2人の弁理士が1つの発明について、特許明細書の中でも「クレーム」と呼ばれる最も重要な部分を制限時間内に即興で作成し、会場投票でどちらのクレームが優れているかを競うものであります。 第1回を2019年6月、第2回を2020年1月に開催して以来、この度3年ぶりの復活となりましたが、第3回開催にあたって、

      • 今年の振り返りと来年の展望

        大晦日。あまり今年の振り返りというものはやらないのだが、元旦に向けての買い出しも終わって多少時間ができたので、今年を振り返るとともに来年の展望をつらつらと書いてみたい。 1.事務所の発展について昨年4月に1人事務所としてスタートした日本橋知的財産総合事務所であるが、今年は大きな変化があった。創業した当初はどれくらいの新規の仕事の依頼が分からなかったので、最初はミニマム経営を標榜して勤務場所はレンタルオフィス、経費も必要最小限にしていたが、お陰様である程度の仕事の入りが見込め

        • Connecting the dots 〜Re: ゼロから始めるセルフブランディング術〜

          はじめに この記事は、「知財系 Advent Calendar 2022」の記事です。 また、この記事は究極の自分語りです。他人の自分語りが嫌いな人はブラウザを閉じるか戻るボタンを押して回れ右しましょう。さらに、この記事は文章のアクが強めです。アクが強い文章が苦手な方は同じくブラウザを閉じるか戻るボタンを押しましょう。 ↓ ↓ (さあ、注意書きはしましたよ。それでも読みたい方は下にスクロールしてください) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

          令和元年改正意匠法の施行後の建築物、内装の意匠の登録状況と、デザインと知財、広報のミックス戦略について

           本記事は、パテントサロン主催の「知財系アドベントカレンダー2021」の12/21のエントリーになります。  来年1/21夜にオンライン開催される「オープン弁理士合格祝賀フェス2022  ~弁理士は自由だ!~ 参加のお誘い」の記事を執筆されたちざたまごさんからバトンをつないでいただきました。 1.はじめに 近年まれにみる大幅な内容変更となった改正意匠法が令和元年5月17日に公布され、その大部分が令和2年4月1日に施行されるとともに、残りの部分が令和3年4月1日に施行されまし

          令和元年改正意匠法の施行後の建築物、内装の意匠の登録状況と、デザインと知財、広報のミックス戦略について

          2020年の振り返りと2021年の展望

          今年もあと数時間で幕を閉じることになりました。何といっても今年は公私ともにコロナ禍に振り回された一年でしたね。幸いにも家族や職場でコロナにかかった人はおらず、業績も微減に食いとどめることができたので、何とかしのいだ一年といったところでしょうか。しかし来年もしばらくは状況が変わらないので我慢の年になりそうですね。それでは2020年を月ごとに振り返ってみたいと思います。 2020年1月1月は何といっても「第2回特許の鉄人〜クレーム作成タイムバトル〜」を渋谷の東京カルチャーカルチ

          GAFAMの米国登録クレームのドラフティング分析

          本記事は、パテントサロン主催の「知財系アドベントカレンダー2020」の22日目のエントリーになります。 ひろた:知財・デザイン・ソーシャル・登攀・ジオさんからバトンをつないでいただきました。ひろたさんの記事が素晴らしすぎて、その後に書かなきゃいけないのがつらいです(泣 1.はじめに本記事は、いわゆるGAFAMといわれる世界を席巻するアメリカIT企業5社(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の米国登録クレームのドラフティングを分析した

          GAFAMの米国登録クレームのドラフティング分析

          内装の意匠の登録事例(順次追加していきます)

          令和元年5月に意匠法が大幅に改正され、令和2年4月1日から建築物の内装のデザインについても意匠法の保護対象となった。意匠は出願から登録まで短くても6か月はかかると言われているが、令和2年4月1日以降に出願された内装の意匠について登録事例がみられるようになったのでここにまとめてみたい。 1.カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)の書店の内装CCCによれば、今回登録されたのは、天井までの高さがある書架に囲まれたロングテーブルのある内装の意匠と、CCCが「本の小部屋

          内装の意匠の登録事例(順次追加していきます)

          産学連携を推進するために知財関係者が知っておくべき現状と将来への展望(山口大学・佐田洋一郎先生との対談)

          本稿は、知財ぷりずむ2018年9月号に掲載された「知財から見た 産学連携のリアル(連載第1回)」を改題、転載したものであります。 産学連携の隆盛は国立大学の法人化から始まった加島 佐田先生には10年前にも本誌(2008年7月号)にて「初めて知財を担当する人のための大学知財の基礎入門」という記事を寄稿していただき、産学連携に取り組む多くの方にとって先生の記事は今でも活用されていますが、当時から10年が経過しまして産学連携を取り巻く状況は変わりましたでしょうか? 佐田 産学連

          産学連携を推進するために知財関係者が知っておくべき現状と将来への展望(山口大学・佐田洋一郎先生との対談)

          建築デザイン業界におけるDXを推進する画期的なアプリの登場と、優れたUIについて知的財産権とりわけ画像意匠の意匠権による保護方法の検討

          最近、建築デザイン業界では「Pic Archi(ピックアーキ)」という建材・家具アプリが話題になっているようです。先日、Pic Archi開発のきっかけや狙いを語るというWEBセミナー「Alibaba Cloud Users Voice:なぜ設計事務所が画像検索?大手設計事務所 梓設計はどうやってDXを推進できたのか?」を視聴しましたのでレポートするとともに、このアプリのサービスを知財権でどのように保護するかについて検討してみたいと思います。登壇者は、株式会社梓設計 AXチー

          建築デザイン業界におけるDXを推進する画期的なアプリの登場と、優れたUIについて知的財産権とりわけ画像意匠の意匠権による保護方法の検討

          民間企業と大学との間の共同研究/開発のトラブル防止策&解決策 (よろず知財戦略コンサルティング代表 萬秀憲氏へのインタビュー)

          本稿は、知財ぷりずむ2018年12月号に掲載された「知財から見た 産学連携のリアル(連載第4回)」を改題、転載したものであります。また、この記事は萬氏が大王製紙の在職中にインタビューしたものであり、萬氏は現在はご退職されてよろず知財戦略コンサルティングの代表を務めております。 大企業にとっての産学連携とは 加島 萬様は現在お勤めの大王製紙株式会社において様々な産学連携のプロジェクトに携わっているとお伺いしております。中小企業ですと十分な研究施設がない等のリソース不足により大

          民間企業と大学との間の共同研究/開発のトラブル防止策&解決策 (よろず知財戦略コンサルティング代表 萬秀憲氏へのインタビュー)

          スタートアップが抱える知財課題と特許庁スタートアップ支援施策の紹介(後編)

          日本ライセンス協会の独禁法WG・ICTビジネスWGによるセミナー「スタートアップが抱える知財課題と特許庁スタートアップ支援施策」を視聴しましたが、その中で特許庁等により公開されている情報を中心にまとめたのでレポートします。前後編のうちの後編になります。今回は特許庁が最近出した「知財戦略支援から見えたスタートアップがつまづく14の課題とその対応策」について紹介します。 セミナーの講師は法務専門官(弁護士)の比留川浩介氏および特許庁企画調査課工業所有権調査員の櫻井昭喜氏です。 本

          スタートアップが抱える知財課題と特許庁スタートアップ支援施策の紹介(後編)

          スタートアップが抱える知財課題と特許庁スタートアップ支援施策の紹介(前編)

          日本ライセンス協会の独禁法WG・ICTビジネスWGによるオンラインセミナー「スタートアップが抱える知財課題と特許庁スタートアップ支援施策」を視聴しましたが、その中でも特許庁等により一般に公開されている情報を中心にまとめたのでレポートします。前後編のうちの前編になります。 セミナーの講師はスタートアップ支援チームの進士千尋氏です。 1.中小企業とスタートアップの違いスタートアップには決まった定義がないが、概ね創業から5年以内であり、市場のニーズに合致するように急速なスピードで

          スタートアップが抱える知財課題と特許庁スタートアップ支援施策の紹介(前編)

          先輩起業家から学ぶ「スタートアップが知っておくべき商標のこと」視聴レポート

          特許庁のIPBASEが主催するオンラインセミナー「先輩起業家から学ぶ「スタートアップが知っておくべき商標のこと」」を視聴したのでレポートします。 登壇者 株式会社Toreru 代表取締役、特許業務法人Toreru 代表社員 宮崎 超史氏 cotobox株式会社 代表取締役社長、はつな知財事務所 代表弁理士 五味 和泰氏 特許庁企画調査課 課長補佐 スタートアップ支援チーム 進士 千尋氏 第1部 IPBASEの進士さんによるスタートアップのための商標の基本知識の解説1.スタ

          先輩起業家から学ぶ「スタートアップが知っておくべき商標のこと」視聴レポート

          地方のものづくり中小企業を活性化するために(東北大学・堀切川一男先生との対談)

          本稿は、知財ぷりずむ2019年4月号に掲載された「知財から見た 産学連携のリアル(連載第7回)」を改題、転載したものであります。 堀切川先生にとっての産学連携の原点とは加島 堀切川先生は宮城県や福島県を中心に地域の中小企業と積極的に産学連携を行うことにより次々と新製品を生み出しているとお伺いしております 。このような産学連携のスタイルの原点を教えてください。 堀切川 私は元々東北大学で博士課程を修了した後、助手から講師、助教授までなりましたが、東北大学は基本的に基礎研究を

          地方のものづくり中小企業を活性化するために(東北大学・堀切川一男先生との対談)

          外国に事業を展開する際に知っておきたい海外での知的財産活用入門

          本稿は「月刊研究開発リーダー2020年4月号」(技術情報協会)に掲載された記事を転載したものであります。 1.はじめに 世界経済がグローバル化した今日では、アメリカ、中国、ヨーロッパ、あるいは新興国等の外国に事業を展開する際に、各国の知的財産の制度に合わせた戦略を立てることが必須となってきている。知的財産戦略を立てることなく海外にむやみに事業展開を行っても、そこで痛い目にあって高い授業料を払わされたのでは、せっかくのビジネスも台無しである。本稿では、外国に事業を展開する際に

          外国に事業を展開する際に知っておきたい海外での知的財産活用入門