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五行歌の未来の話をしようin北九州歌会

水源純です。
栢瑚を率いる白夜さんが、この夏、北九州歌会をふたたび始めるということで、「来ない?」とお誘いを受けたのが今春でした。「そこで少し話してくれる?」と講演を頼まれました。さて私に何が語れるでしょう。

五行歌の会のこと

五行歌の会は1994年4月に立ち上げられました。当時は全国にわずか30人ほどだったといいます。私が参加し始めたのは95年からになりますが、当時はもう100人くらいにはなっていたでしょうか。約30年、私たちは五行歌の歌友を増やし、全国各地に歌会ができていきました。

これまで五行歌の会では、発会や記念歌会などに際しては、五行歌創始者でもある草壁主宰が講演をしてきました。主宰の講演はほんとうに素晴らしくて、パワフルで、かつ面白くもあって(?)多くの人を魅了してきたものです。ここ数年はコロナ禍の影響や主宰のご健康を案じて、なかなか呼びたくても呼べないという声が届きます。

今回私が引き受けられたのは、白夜さんが決して主宰の代わりにという意図で声をかけてくださったわけではないから(と勝手に解釈しました)。もし「代わりに」と言われていたら、謹んでお断りしていたと思います。私でいいのだから、私ができる話をしようと思えました。

北九州歌会は1999年に発会しており、2007年ころから長いこと休会していました。ですから、発会というより再会(再開)の日となります。そういう記念の歌会で、参加者の半数以上が五行歌歴10、20年以上といった方が揃うでしょう。そこで、五行歌の良さ、歌会のたのしさを語ることはいまさら何の意味もない。かといって何か新しいことを言える力もない。今の私が感じてる五行歌の会のこと、五行歌のことを率直に話そうと思いました。

五行歌の未来について語ろう

今月になって日も迫ってきたころ、さてどんなことを話そうかと考えを纏めるために、パソコンに向かってダーッと打ち込みました。私たちが進んでいく先のことを語り合う時間にしたいと思い、「五行歌の未来の話をしよう」というタイトルに決めました。

一気に書き上げたところで、これをこのまま話せるわけもないから、配ってしまおうと思いました。当日来てくださった方へのてがみのつもりで。

なので当日はこれを基に喋ってきたという感じです。
(書いていないこともかなり喋った気がしますが)
ご興味のある方は、当日配ったレジュメを置いておきますので、よろしければご覧ください。(ダウンロード期限~8/2)

拙文をたくさんの方にダウンロードいただけたようで驚いております。ありがとうございました。
ほぼ書きっぱなしの荒々しい文でしたが、多少の加筆修正したものを月刊『五行歌』九月号に掲載させていただく予定です。(8/3記)

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次世代へ継ぎたい

レジュメ内にもありますが私には五行歌の会を継ぐ力も意思もありません。時折、ほんとうに時折ですがそんなふうに言ってこられる方もあります。過度な不安や期待は、どうぞお持ちにならないでください。五行歌の未来が不安ならば、あなたが立ち上がればいいのです。私もそのひとりに過ぎません。

私には「五行歌」を次世代へ継いでいきたいという強い思いがあります。
そういう同志を増やしたいと思っています。
既に同志と(私が一方的に)思っている方も何人かいらっしゃいます。
そしてもちろん、五行歌の会を継ぐ方を可能な限り全力でサポートする気持ちもあります。

未来はいつだって誰にもわからない。
しかし、今の私たちにできることは、歌を書くことだけでしょうか。
歌を書き、評価され、よろこびを得ることだけでしょうか。
これは五行歌に限らず、ジャンルを問わず詩歌人すべてに通じることでもありましょう。

おわりに

あ。最後に申し添えておきますが、主宰はおげんきそうですよ。
きのうも暑さに負けず出社され、新聞の選をされていました。
先日、フェイスブック上に北九州歌会の報告を書いたとき、コメント欄でやりとりした際の主宰の言をご紹介して締めます。

私にはもう五行歌を新しくすることは出来ない。これから、みんなで探って行くのやろうけど、今の巻頭佳作の最初の数見開きの歌を見ると、これ以上の選をする人が出るとは、想像し難いです。
どうのこうの言っても、選をしないで、順番どおり並べるようなやり方をするのではないか。
私以上の選をしなきゃ、私以上にはなれませんよ。どうするの?
みんなおろおろしちゃいそう。作る歌の問題もあるが、未来を目指す選は、出来るのか。選をしているうちに、自分の力も自覚できるでしょう。
自分の確信が、みんなに指示されて、初めて道は出来るものです。
物事全体と、真の詩を見抜く力が問われると思います。人を包むほど深い観察と瞑想、みなさんの心の高さに期待します。

大事な問題なので、さらに書きますが、問題は選です。どういう選をするかです。力のない人は、アイウエオ順とか、年齢順とかにする。
選ができないなら、何も出来ないと同じ、かつ誰にも出来ることです。
私の今の仕事は選で、私の他の物ではないと思う。
どういう選をするのか、語り合っているなら、私はみなさんを尊敬します。

草壁焔太(Facebook上コメントより)


トップ画とリンク画は歌友の稲本英さんの写真をお借りしました。
いつもすてきな写真と歌を見せてくださりありがとうございます。
Special Thanks to Aya Inamoto. 


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