「マグロのためなら」~松方弘樹さんはすぐにインタビューに応じてくれた
俳優・松方弘樹さんが亡くなってまもなく5年。大好きだった釣りとの関わりを紹介しながら松方さん追悼の記事を当時、私は日経新聞の電子版(NIKKEI STYLE)に書きました。
インタビューはその一年以上前、都内のホテルの会議室を借りて行いましたが、直後に松方さんが病に倒れ、闘病生活に入ったので、記事化を見送っていました。
彼がリールによる巨大マグロ釣りの技を教わった山口県の釣り人・佐々木敦司氏(故人)がマグロ資源保護活動をするにあたって私も陳情活動などを手伝っていたこと、そして取材はマグロ資源保護に関する記事執筆のためであることを伝えると、即断即決「3日後に会う」と約束してくれました。秘書も驚くほどのスピードでした。
「マグロ保護のためにお役に立つなら」ということでした。場所は事務所から近くのホテルと指定はありましたが、それはくつろいで話すためで、謝礼などは不要といっていただきました。
それにしても遠洋マグロ漁船の大船頭として知られた神奈川県三浦市三崎漁港の住吉漁業の山田重太郎船頭の話題が登場したのには驚きました。2人の共通点は研究熱心であることだったのです。
ビートたけしさんたちも発起人になった松方さんの追悼セレモニーには、事務所の方から誘われ、私も出席させていただきましたが、十朱幸代さんはじめ女優さんたちも松方さんの思い出を語っていました。やさしい人柄で皆から慕われていたことは、インタビュー時の印象からも容易に理解できました。