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#大間漁協

「隠れたマグロ漁獲」は「不良債権」にも似て大間漁協の経営を揺るがす問題に

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大間漁協は2024年度の県からのクロマグロ漁獲枠配分をおよそ30トン減らされる。昨年2月、漁獲したことを青森県に報告しないままクロマグロを出荷、販売した容疑で仲買業者2人が逮捕された事件で、容疑となった2021年度の未報告数量は青森県が立ち入り調査で把握していた大間など3漁協分約60トンよりもさらに30トン多いことが判明したからだ。大間漁協所属の漁業者の違反分とみられる。

 2020年以前の漁獲

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大間マグロの謎を解く④「捜査官」派遣で未報告が新たに40トン判明か⁉

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 2016年には長崎県・対馬、2017年には北海道・松前でヤミ漁獲が発覚したことがあります。当時は水産庁が調査を始めてから1~2カ月後には違反事実の概要を発表し、自治体や漁協に再発防止を約束させました。

 今回、青森県大間町で発覚したヤミ漁獲は、2021年9月から調査が始まっているのにいまだに違反事実が公表されていません。

 大間と対馬や松前との違いはなんでしょう?

 1つは、2018年にク

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大間産マグロの謎を解く①規制お構いなしの過剰漁獲?豊洲だけで2021年は190トン超の出荷

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 東京都中央卸売市場・豊洲市場から2021年(暦年)中の青森県大間町からのクロマグロ出荷に関するデータを取り寄せました。都の情報公開制度を利用して関係文書の開示を請求したもので、手続きをすればだれでも入手可能なデータです。

 開示された資料を分析したところ、2021年1月から12月までの間に豊洲市場に出荷された大間産マグロの総量は2210本、196トンという結果になりました。このうち管理年度が異

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「大間まぐろ」とは「大間沖」でとれたクロマグロのはず〜豊洲市場の目利きたちに問いたい初歩的な商品審査の現実

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初セリの落札価格の予想だけでよいのか?
 まもなく新年です。例年この時期になると、豊洲市場のマグロの初セリに関する話題や、初セリ最高値の常連、青森県大間の漁師たちが津軽海峡で巨大マグロを釣ろうとする姿を描くテレビの特番に注目が集まります。

 

 例えば、写真のような時事通信水産部による「2022年のマグロ初競りはどうなる」という記事がその典型です。

 この記事では2021年はコロナ禍を意識

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