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エイヒレに出会っちゃった28歳の春

エイヒレというものに出会った

恥ずかしい話、
28年生きてきてエイヒレというものを
食べたことがなかった

噂には聞いていたけど
よく分からないしなんか高いし
だったらチキン南蛮がいいやって思ってた

この間、友達が居酒屋で
エイヒレを頼んだ

「あー、エイヒレいいね」
って知ったかぶりをした

値段を少しチラッと
見てしまった

480円かって
思ってしまった

エイヒレが届く

その量の少なさに
目の下がピクピクってなった

一口食べる

なんだこれってなった

こんな美味しいおつまみがあるのかって思った

世界はこんなにも広いのかと思った

あったかいんかいとも思った

そこからは友達の話が
一切頭に入ってこなかった

友達がトイレに行ってる隙に
「エイヒレ うまい」
でネットで検索してしまった

「もう1回エイヒレいっとく?」
って言ったら

「いや、2回目はいいや」
って言われた

失敗した

どうやらエイヒレは
2回はあんまりいかないらしい

初めて食べたってのが
バレてなかったら嬉しい

それから毎回
エイヒレを頼むようになった

もうエイヒレを知らなかった頃の
自分には戻れない

なんか量が少ないのも
愛おしくなってきた

ちょっと量が少なくても許せるのは
この世界で「たけのこの里」と「エイヒレ」だけ

好きすぎて
その気持ちが溢れないように
最近は少し距離をとっている

もう大人だから
その辺の駆け引きは出来る

でもまた早く会いたい

こんなことなら
出会わなければよかった











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