『方法叙説』 感想

はじめに

方法叙説はデカルトが書いたものです。
ところでデカルトと同時代を生きた著名人はご存知でしょうか?上の世代にはガリレオガリレイ、ケプラー。同世代にはフェルマー、パスカル。結構大物が揃っています。正直デカルトは数学や物理で業績を残したとは言い難いので、比較的有名であることがすごい不思議ですごい人です。

感想と題したものの。。

デカルトは同時代にフェルマーとパスカルがいたのは結構な不幸だったのではないででしょうか。別に学者でもないフェルマーがなぜか数学界隈でひとかどの人物扱いで、だいぶ年下のパスカルは十代で幾何の論文書いて評判を博していました。デカルトは幼少期からだが弱いことと、それに屈せず有名大学出たことで、妙なプライドを持っている人だったので、まあ生きにくい性格をしていたようです。なのでフェルマーとパスカルが同時代の同じ国に住んでいたのは結構精神的に不安定だったのではと思ってしまいます。
パスカルとは特に第一印象が悪かったようで、後々パスカルがデカルト批判するためとは言いすぎかもしれませんが、とにかく信仰厚い人になりました。「我思う、ゆえに我あり」をめちゃくちゃに批判するパスカルはそれはそれは人間味のある一面でおもしろいです。

ようやく方法序説の感想ですが、上述したように難しい性格の割には明瞭でわかりやすいです。やっぱりウィトゲンシュタインのころと比べて、科学もシンプルなため、内容が素朴です。自然科学を研究する際に必要な態度や観点などのメタ自然科学をとにかく整備したい、内容をまとめたいという主張と内容で特に解説まがいなことをしたくなる本ではないです。
現代ではデカルトが本書で説いたメタ自然科学は修正され、さらに発展しているので、読む意味がないかもしれないけど、今年新訳が出るほど人気作品を読めてよかったです。

まとめ

当たり前ですが、デカルトが書いた本ともつながっていて、それが面白くて、現代では簡単にネットでいろんな情報が調べれるので、簡単に同時代の学者と比較したりしながら読んだりできるので、そういう読み方もありな作品です。本当にしっかり読むのではなく、きになったらパラパラ読む程度で済ませるべき本なので機会があればぜひ。


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