見出し画像

自分が楽しいと思う仕事を続ける罪悪感に悩んだ数年の記録

前回のnoteから随分と経ってしまった。
私自身がさまざまな先人たちのお話を読ませていただき、背中を押された部分もあり…何かの背中を押すことができたらと思いこの数年の悩みと結果について、記録しておこうと思う。

何が起こり、現在は何をしているのか

都内で働いていたものの、パートナーが地元に帰りたいと言い出し、自分の仕事(メーカーの研究員)を続けるために二拠点での結婚生活を模索。
二拠点での結婚生活は反対も多く、転職活動を開始。素敵な企業に出会い、今は関東の企業で事業開発担当としてほぼリモートワークで働かせてもらっている。こどもはまだいない。
リモートワークができる仕事を得られたおかげで、結局今は関東の家を引き払い、四国の夫の実家のすぐ近くに住んでいる。

経緯をつらつらと

結婚前後で、自分の「仕事」をいかに続けるかで悩み続け、その他の要因もありかなり心の調子を崩していた。(そしてnoteに近況を書けず…)

自分のやりたいことを続けることと、パートナーのやりたいことを両立させることが、こんなにも難しいとは。

あまりにも辛そうであるせいか、「子供さえ産んだらどこでも行っていいから!」とステークホルダーたちに何回も言われ、一時期「自分の存在意義とは…?」となっていた。(今は肉体だけあればいいってことですよねーwとネタとして言えるようになった。)

ここ数年は本当に辛く、本当にさまざまな方に応援をしていただいた。
友人に「いざとなれば一緒に子供を育てるよ!」と言ってもらえたことや
病院の先生に「こちらであなたの味方をしてくれる人はいないから、東京での仕事が楽しいなら、何があっても仕事を続けた方がいい」と言っていただけたことは大きかった。医学的にもそうだ、というのは自分の意志を主張するにあたり、かなり心の支えとなった。

あとは「少子高齢化」「出生率」もミュートワードにしていた時期もあった。(出産適齢期にある自分が責められているような気がしていたのだ。)

仕事について

このように「仕事」が私の中で非常に重要な位置を占めることを実感する中で、「よし、自分が本当にやりたいことが見つかるまで転職/起業しないぞ」と心にきめ、転職活動の実施と起業の準備を行った。

【まずは今の仕事で何とかならないか検討】

研究員はやはり実験室がないと難しかった
前職は本当にいい職場で、仕事を辞めずにいいように(=リモートワークでも大丈夫なような)仕事を与えてくれるなど、本当にさまざまなフォローをしてくださった。(本当にいい職場だった。感謝!)

しかしながら、実験系のスキル&ものづくりメーカーの研究員はやはり「実験室があるところ」で勤務する必要がある、と言うことで研究員から職種は変わることになった。

【転職/起業を検討】

わがままかもしれないが、私はどうしても「科学/技術」の0->1側に回りたい、と言うこともあり、自分のやりたいことの軸を書き出してみた。

①ディープテック領域であること
②できれば、作る側に回ること(特に価値創出初期の泥臭い仕事が残念ながら(??)好きだ)
③誰かのキャリアの可能性を増やせるような技術を生み出せる事業領域であること
④事業を起こすことで、雇用が生み出せるようになること
⑤できるだけ長期的に自分が「食べられる」経験やスキルを積めること
⑥個人事業よりは、仲間がいる方がよい(自分は”誰かのため”の方が力を発揮できる)

実は(前職の仕事とは別に)個人の仕事として「科学を盛り上げる」べくサイエンスコミュニケーション領域での仕事をさせていただいていた。
サイエンスコミュニケーターとして活動する中で、サイエンスコミュニケーションをしたい人や、研究を続けたい人が続けられるように、「雇用」を生み出す方が本質的なのでは?という想いに至った。

偶然にも自分は新規事業やものづくりの経験はいくつかある。
そんなこんなで、
「ディープテック領域で”飯を食える”」ような仕組みを作る人、つまり、事業を起こせる人になろう、と思い、ジーズアカデミーに入り事業を作る目標をもつ仲間たちとプログラミングを学んだり「分身」をつくってみるなどした。

転職活動をしつつ起業すること並行して考えていたが、
とある転職サイト経由でビジョンに共感できる企業に出会え、
さらに面談で

みち:「今、33歳で産休を取るかもしれないかもしれないですけど、本当にいいんですか?」
社長:「そんなことを気にさせている今の世の中がよくないと思う」

と即答してくださったことに感動。
この会社に貢献することで次の世代に渡したい未来を作れるのでは…と思い、転職の決心を固めることとなった。

結婚やパートナーとの転勤により仕事を辞めなくてはいけない可能性が高い方に役立つかもしれない情報

この数年で諸々苦労したので、ちょっとまとめてみる。

転職活動をする中で、リモートワークができそうな職種/業界

私が転職活動を始めた時期は2019年なので「リモートワークと言う=仕事より家庭を大事にしたい人なのね?=すぐにお祈り」という企業やエージェントがほとんどだった。(これでは埒があかないと一旦転職活動はお休みし、2021年に再開した)

現在はリモートワークも浸透しており、さらには戻す企業も出てきていることから「リモート推進/非推進」企業がわかりやすくなっている。そのため、”リモートワーク推進企業”を標榜している企業を中心に転職をするとよいように思う。
2021年の話になるが、転職活動の過程で下記の職種はリモートワークが許可されやすいように感じた。

・コンサルティングファーム
メーカー勤務時代にいくつか新製品を設計したり、新規事業立ち上げに関わったことがあるために「新規事業立ち上げ/実装」領域のコンサルティングからオファーをいただくことが多かった。
このようなコンサル企業ではフルリモートの件を話しても特にハードルとなるようなことはなく面談に進むことが多かった。(”女性のための懇親会”などが設けられる機会もあり、激務という印象で離脱する方を減らしたい意図も感じた)

ただ…私は面接時の課題を解いている段階で「自分で"実行者として手を動かせない”役回りは苦手だな…?」と感じ、事業担当者側のポジションを探すことになるのだった…(コンサル的な仕事が得意な人はぜひコンサルへの転職をお勧めしたい)

・理論系の研究員/研究者
(国を越えると難しいのかもしれないが)企業であってもデータサイエンティストなどはリモートワークが続いている方が多いように思う。

・新規事業担当者
特に事業の初期は「(オフィスではなく)むしろお客さんのところにいくのが大事」なので、ターゲット地域が”東京”でなくても良い場合は割とリモートワークがやりやすい印象。
また、新しい働き方やニーズ発掘等、会社内のニーズに合わせてテーマ提案などいくらでも作り出していけるのがこのポジションの良いところ。

・10人くらいのスタートアップの事業開発担当
会社のビジョンに合う人、そして「何でもやりますよ!」系の人は本当に少ないので、この企業に惚れた!というところがあれば条件は交渉しやすい(と思う)。
もう少し規模が大きくなると広報担当なども募集し始めるので、広報系を狙いたい方はこう少し規模が大きい企業を探してみるのもあり。

・プログラミング系(個人事業として)
”大手が相手にしない安価で小回りが効くような”Webサイト作成・編集案件はいくつかできそうな印象。お声がけいただく中で、業界を絞ったり、地方だと割と発掘しやすいと感じた。(個人である分、金額は安めであるが)

住む場所について

住む場所とできる仕事は密接に関係している。
自営業でどこでも仕事ができる方ではない限りは、(それぞれの状況や優先順位にもよるが)
「すぐに仕事を辞めて引っ越そう!」
ということはあまりお勧めできない。例えば、少しの期間別拠点での生活を続けるなどの期間を設け、納得ができる仕事が見つかるまで/もしくはそのまま別拠点で夫婦が過ごす生活を検討するのも選択肢の一つとしてお勧めしたい。

そんなときに役に立つのは多拠点居住系サービス。
私もUnitoに随分とお世話になった。下記にまとめたが、2020年当時の状況なので今はもっと増えているのではないかと思う。

二拠点結婚生活での子育て

二拠点家族生活をするにあたって、「子どもはどうやって育てるの?」というのが最大のハードルなように思える。

色々な選択肢があることを発掘するために始めた「二拠点家族生活」というマガジン(最近はほとんど更新できていない)。

このマガジンを運営することでCiftにお伺いできる機会をいただき、「拡張家族」という概念があることを知った。

その他、子育てシェアハウスと言うものもいくつか見つけた。

都内であればシェアハウスも含め、さまざまな設備/サービスが充実しているので、それを活用するのも手だと思う。
子育てがひと段落した方々と子育て世代が住むようなシェアハウスをいつの日か自分でも立ち上げてみたいなと思うこともあった。

このようなサービスや友人たちのサポートもあり、「夫が離れた場所に住んでいても子育てができる場所がある」という安心感を得られたことで、
その後の生活で万が一自分のみで子育てをしなくてはないけない状況になっても何とかなるのかも、と思えた。次の一歩を進める上で本当に心の支えとなり、感謝の気持ちでいっぱいである。

家事

元々料理を作るのは好きであったが(伊達巻などを魚のすり身から作ってしまうタイプ)、諸々の事情により料理をすることが精神的な疲労につながっていたため、料理をするのを放棄することにした。

この決断を最も後押ししてくれたのは、
ディー・エヌ・エー取締役ファウンダーの南場 智子さん著の「不格好経営: チームDeNAの挑戦」だった。
この中に、「(当時の)食事は全て外食だった」というようなことが書いてあったことでふっと「あ、料理しなくていいんだ」と思えたのが大きな力となった。

家事支援サービスの市場が伸びそうであることにも希望を感じた。
(日本ではまだまだ先であるだろうが)

今はよく「料理を作らない嫁」とネタにされるが、「ご飯を作らなきゃ」という固定観念から離れるというのもアリなように思う。もちろん、好きな時は作ったら良いと思うし、これは本当にその人の優先順位によると思う。

最後に

皆様、色々な生活があり、色々と試行錯誤をしながら生きている。
「あるべき」について本当にたくさんのことを言われるが、
人間は動物として色々と移動ができる生き物なのだから、自分の居心地の良い場所に移動して、生活をするのは至って自然なことであるように思う。

そして、自分が幸せと感じる生活は、もしかしたら他の価値観の人から見たら「不幸せ」に見えるのかもしれない。(例えば料理もせずに仕事ばかりしている女性というのは一見不幸に見えるらしいw 二拠点での結婚生活だって「不幸」と感じる方もいる。)
幸せというのは主観でしかないのだから、自分の感覚を大切にして欲しいと思う。色々と迷うことも多いと思うが、それぞれの方が自分が幸せで、楽しいと思う生活を見つけていけるよう、願うばかり。

今後の人間たちが、結婚 vs キャリア、出産 vs キャリアで悩まない未来を作りたい、そのために新たなテクノロジーを作りたいという決意も込めて。

もし・・もし、サポートいただいた場合は、それを軍資金としたnote関連企画をしようかと思います。