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#33 No name

 古着倉庫。貴方は行った事があるだろうか。とんでもない数の古着が所狭しと並び、どれも2000円しないぐらいの学生にはもってこいの服屋。先日初めてそういったところに連れていってもらったがいつもなら感じる服屋に行った時のドキドキというか、いい服を見つけてやろうみたいな気持ちにはなれなかった。それはなぜか。理由はなんとなくわかる。そう並んでいる服は僕が思う古着ではないからだ。

 初めて行った古着倉庫には正直驚かされた。山積みになったスウェットやTシャツなど服でとにかく溢れかえっていた。こんなに服って集まるんだと驚いた。でも、それは間違っているのではないかと思う。確かに昔のTシャツやスウェット、パンツだから古着という括りは間違ってはいない。ただ並んでいるのは、ただの昔の服。イオンで購入出来そうなアディダスのTシャツや使い古されたノーブランドのスウェット、僕が思う古着とは全くかけ離れた服が沢山並んでいるだけ。服は多ければ多いほどいいというものではない。1年後にその服を着ているかと問えばおそらく首を縦には降らないのではないかと思う。

 大量に購入する人が多く見受けられたがその服に思い入れがあるのだろうか。古着は今ではあまり見れない攻めたデザインやその服が生まれたバックボーンなど様々な歴史があることに僕は魅力を感じている。古着倉庫にある服はなんといっても個性がない。ファストファッションブランドと同じ。

 自分の個性を出せる一つのツールがファッションで、楽しむためには沢山の服が必要と考えるかもしれない。それも間違いではないだろう。服の数だけ選択肢が増えるから。でも持っている服がどれも同じような服では全く意味がない。安い服もいいが思い入れのある服で街を歩いてみてほしい。周りの人にはわからない自分だけの拘りが少し気分を上げてくれる。歩いている人とは絶対に被らない配色の服でショッピングをすれば普段とは違った思考でいい買い物が出来るに違いない。今までとは少し違うファッションをするだけでいつもの街が明るくなっているだろう。自分だけの拘りが1日をハッピーにしてくれる。

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